PS5の音とか振動とか その④
実はPS4からあった「3Dオーディオ」、設定や仕様が面倒くさくなかなか浸透しなかったが、PS5でようやっと簡素になりました(前回参照)。PS5ではとりあえずイヤホンなりヘッドホンさえあれば使えるようになった…でもちゃんと設定しないと「3Dオーディオ」になんないよ。
PS4との違いとか比較でやろうと思ったが、PS5獲得に伴いPS4を友人にあげてしまったので一部記憶に基づく記載があること、PS5で互換機能を使っての記載になることをお断りしておきます。スピーカーとの比較は5.1ch環境又は7.1ch環境(内2chはファントム)でやりました。
3Dオーディオについて簡単に
簡単に「3Dオーディオ(立体音響)」について。と今までのサラウンドの違いは「高さの表現」というより「全方位」になったこと。決まった位置からしか、音が出せなかった従来のサラウンド(5.1chとか7.1ch)と異なり設備さえあれば全方位から音を出せるようになった(Dolby AtomsとかDTS:X)。
PS5の「3Ⅾオーディオ」はこれを簡単にかつ誰でも楽しめるようにしたもので正式には「Tempest 3Dオーディオ」と言うらしい。今回は、「Tempest~」に限らずPS4とPS5で使える「3Ⅾオーディオ」と「立体音響」について書いていきます。
◾聞こえ方のイメージについて◾
敵が自分の頭上を、右前方から右後方へ飛びぬけていく音の聞こえ方を例にします
7.1chの場合
3Dオーディオの場合
3Dオーディオの使い方
まずは本体設定で「3Dオーディオ」を「オン」にします(デフォルトでオンになってます)。「3Dオーディオを調整」で、自分に合った設定にしましょう。あとは、ヘッドホン等を接続するだけ。
PS5用の場合は「オン」にすると基本的に自動でゲーム内設定も3Dオーディオになる。
PS4のソフトでは自動と手動両方のパターンがある。
ちょっとハッキリしない部分があって、『アンチャーテッド 古代神の秘宝』で「オン」にした場合は自動的に「3Dオーディオ」になる。チャンネル設定を確認すると7.1chまで対応していることがわかる。
「オフ」にした場合はステレオヘッドホン扱いになる模様。
でも『God Of War 2018』では「オン」でも「オフ」でもステレオヘッドホンを検知しない。
水平方向の向きは分かるので5.1chか7.1chまで対応してそう。ちなみに高さは分からないので「3Dオーディオ」に対応してないかも。
『ゴーストオブツシマ ディレクターズカット』では、自動で切り替わらない(もともとPS4用だから?)が説明分が丁寧で分かりやすい。全部のゲームでもこれくらい説明してほしい。
※なんか画像貼れないので、後日
ゲームでの印象
ゲームでは、効果音や環境音が全方位から聞こえるという使われ方でどれも一緒なので、「3Dオーディオ」と「立体音響」のゲーム内での印象やゲームプレイへの影響について。基本的にどのゲームも音の方向はキャラの向きではなくカメラの向きに対応して聞こえる(カットシーンも同様)。
■『バイオハザード RE:2』
目玉ともいえる「タイラントの足音」で大活躍…と思いきや、タイラントの近さは把握できるものの、音の大きさが距離に基づいている為なのか「壁の向こうから聞える感」や「床越しの聞こえ方感」が大きく聞こえ過ぎて違和感を感じる。キャラと音の発生源との間の物質を無視しているような感じ。
まぁ、聞こえにくいよりはゲーム的に有利なので狙っているのかも。
■『バイオハザード ヴィレッジ』
RE.2より、「壁の向こうから感」がある。遮音感と言えばいいのだろうか?
坑道っぽいマップの遠くに音が反響していく感じもすごかった。場所によって発砲音が微妙に違って聞こえたりするので、音の反射とか残響とかも計算してるのかも。スピーカーだと音の距離間がわかりにくい、フルレンジにすると小さい音は聞き取れないものが出てくる。
■『ASTRO’S PLAYROOM』
普段の方向性と距離感はバッチリ。マップ環境によって、音がぼやけたりするけどそれがリアル。雨が打つ音は頭上から、床を歩く音は下から聞こえる……が、ヘッドホンを使用するとコントローラースピーカーがオフになるので悩みどころ。振動と音との一体感もすごいので、好みで使い分けよう。
■ 『Marvel's Spider-Man: Miles Morales』
思ったより街中での上下の違いが出ない。人混みの雑音等はスピーカーよりは聞こえてきて、遠くの音がぼやけるというか広がり感がある。スピーカーの方が音の方向(水平方向)がハッキリしている。画像のシーンは上下左右から電気が迸る音が聞こえてきてよかった。
■『Returnal(リターナル)』
3Dオーディオの有無で難易度が変わるくらい重要。画面外の敵の位置が「七時方向で仰角45度くらい」までハッキリわかり、振り向きざまに直ぐに狙える。スピーカー使用時は「左の後ろらへんかな」ぐらい。敵の発射物も距離感までわかる…が攻撃激しすぎて気にしてられない。
音の密度は3Dオーディオがすごくて、激しい戦闘時の迫力はスピーカーが上だけど敵の位置わからなくなる。
■『ゴースト オブ ツシマ ディレクターズカット』
ディレクターズカット版から使用可能。鳥を追いかけるときは見失っても音で追えるし、収集物の旗には鈴がついていてその音を頼りに探せる(上か下かもわかる)。没入感を高める為、マーカーの替わりだった「誘い風」も音だけで向かう方向が分かるようになっている。もはや画面上の風のエフェクトも要らないくらい。欠点はコントローラースピーカーを利用した演出が楽しめない所。
■『Dying Light2』
全体的に効果音の定位がしっかりしていて、音の発生方向が把握しやすい。乱戦時に画面外からゾンビに攻撃される際も回避をしやすい。このゲームの敵は攻撃時に声を発するのでより効果を感じやすい。
マップにおいては音が建物に反響している感じがよく出ていて、少し離れると音の発生源が分かり難いようになっている。カラスが頭上を飛んでいくことが多々あるが、実際に上空を飛び去ったのかと錯覚するくらい高さを感じる音だった。
3Dオーディオまとめ
敵の方向や距離感は鮮明になり、臨場感は抜群に向上するが重低音や音量による迫力はスピーカーが勝る。なので、好みで選んでいいと思う。サラウンド環境がない人ならば、ソフトで「3Dオーディオ」に対応していなくても7.1chが楽しめるのでオススメ(ゲームによっては7.1ch動作にならないかも、検証可能なものが少ない)。
コントローラースピーカー機能とトレードオフなのが本当に悩みどころ。ゲームによっては演出の一部だったりするので、この面でも「好みで選んで下さい」となってしまう。
「ハプティックフィードバック」や「アダプティブトリガー」に比べてちょっとインパクトが少ないように感じた要素「3Dオーディオ」。個人の聞こえ方というか聴力による部分が大きいので、とりあえず一度は試してみてほしい。音の質に関してはゲーム側での最適化とヘッドホン側の性能両方が関係するので、ゲームによっては安いイヤホンのほうが向いていたりとかあるかも。
耳の圧迫感とか装着感がゼロのヘッドホンならその場にいるように錯覚しそう、スピーカー出力での対応も検討&研究しているらしいので今後に期待。
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