お掃除は予防医学
おそうじインストラクター&整理収納アドバイザーのKYOUKOです☻ 建築現場に最後に入る美装工事や、住宅のハウスクリーニングをしてきました。
おそうじインストラクター?
おそうじインストラクターとは、汚れを落とすことはもちろん、汚れがつかないように生活するコツや、掃除のスケジュール、おそうじが苦手な人が家を建てる際に掃除屋目線でアドバイスをするお仕事です。毎日スパッツ(レギンス)をはいているのでインストラクターにしました。笑
世の中にはなぜ汚れてからの掃除方法しかないんだろう。なぜ汚れたら大変な家をわざわざ作るんだろう。こんなギモンから、私はおそうじインストラクターになりました。
スパッツ人生⬇︎
ハウスクリーニングのそのあとは?
ハウスクリーニングに入るのはいいんですが、掃除がイベント化(気休め化)している気がしてなりません。例えば水質の悪い地域でお掃除を依頼された場合、お風呂なんかは一日で元に戻ってしまいます。これは、水質の問題なので、水を拭き取る、避ける、意外に方法はありません。
一回入ったからといって、その後も同じような生活をしていては、元に戻ってしまいます。水周りの掃除料金は1〜2万ぐらいが相場ですし、決して安くはありませんよね。だからもったいないと思うんです。
まあこれが仕事だからそんな事言っちゃいけないんですが、私はお客さんに必ずキレイをキープできる方法を熱弁して帰る、ウザい掃除屋です。
洗剤業界に私は消されてしまうかもしれないけれど、掃除って、はっきりいって汚さなければOKな話。
世の中の洗剤のほとんどは、3つぐらいに絞れるんです。なのにありすぎて使いこなせていない。
「汚さない」ってシンプルなことなのに、できないのは、汚れたら洗剤を買えばいいだろう。という自動車学校で習った「だろう運転」にも似た部分がある気がしてなりません。
汚れても、掃除屋を呼べばいいだろう。
汚れたら、その時洗剤を買えばいいだろう。
そうじの知識は人生を楽にする
そもそもおそうじというのは…
新築時なら素材選びから。
中古住宅やマンションならお手入れ方法を知ることから。
どこでも共通するのは、「暮らし方を知ること」から始まっています。
「汚さない」というのは、汚さないようにするにはどうすればいいかを考えること。
そして、汚れた場合はその場で取り除くこと。つまり放置しないことがポイントです。「鉄は熱いうちに打て」のことわざにもあるように、放置、蓄積させるから、高い掃除用品を買ったり、部品交換をするハメになるんですよ。
素材✖︎パターン✖︎暮らし方=あなたの方法
汚れにくい素材を選んだり、この素材にはこのお手入れ方法なんだと知った上で、自分の家のパターンが決まってきます。
ですので、お掃除の本は、辞書ぐらい細かく素材から対処法まで何パターンも載せておく必要があります。しかし今のところ、そんなに細かい素材選びからの本は見たことがありません。
どの本を読んでも、対処法しか載っておらず、洗剤や、弱いナチュラルクリーニングの使用法、結局は商品を売るためのカタログと化している気がします。
しかし掃除屋で主婦の私から言わせてもらうと、そもそもそんな素材を選んだりする前に、なぜ業者側がストップをかけなかったのだろうか。という疑問が生まれます。
もし汚れやすかったり、その地域の水質が悪かったり、傷がつきやすいのを知っていて、黙っていたのなら、それはあまりにもイジワルではないでしょうか。
業者は掃除のことまで考えていない
掃除屋から言うと、家電屋さん、工務店さん、皆さん商品を売ることばかり考えているように見えます。誰もお手入れのことはそんなにフォーカスしていない。
オッシャレーなのは、ほんの数日間だけで、実はものすごく大変な家を建ててしまった…というお宅をいくつも見てきました。
例えば、田んぼの真横なのにガラス張りの家。そして、足場を組まないとガラスやノキに届かないようなつくり。考えればわかりますよね。クモの巣と小虫のオンパレードになること間違いないです。
その虫を寄せ付けないようにするために、また薬を塗ったり、機械をつけたりいろいろ工夫するぐらいなら、最初からそんな造りにしなければいいんじゃないかと掃除屋は思うのです。
クモの巣は、粘着性が強いため、水をかけただけでは横にズレるだけだったりします。更に、外壁にサカン仕上げがほどこしてあったりするとマア大変。くっつくわ、汚いわ、と、掃除がとても大変です。
私が家を建てた時、窓や天井は、脚立に上らなくても、モップが届くぐらいの高さにしました。脚立にイチイチ登るのが、回数を重ねることでおっくうになることを知っているからです。
おそうじをしないリスク
かと言って掃除をしないと死ぬわけではないですが、掃除を怠って死に至るケースはよくあります。
レンジフードの油がたまりにたまって、ガス火で揚げ物をして火災になったケースや、有名なものだとコンセントにホコリがたまり、湿気と仲良くなったために熱をおびて火災になったり。車の中が汚かった場合、気が散って事故につながることも。
掃除をしないことによって、余計なお金がかかるケース
私の主人はサッシ屋をしていて、戸が開かないほとんどが、滑車(裏側の車)にゴミや髪の毛がたまって固まってしまうケースだそうです。
実際、私もサッシの現場に呼ばれたりします。
これは引き戸の裏側をひっくり返し、外したものです。これが滑車(かっしゃ)です。
この時の滑車は、台所の境だったため、ごはん粒や油、そこに髪の毛やほこりが溜まって固まっていました。
一筋縄ではいきません。なんと、この滑車を80度ほどの熱湯と強アルカリ洗剤に煮込んで(笑)中のホコリを小さくし、油を分解した後に、先をつついてやっとホコリが出てきて油を刺し、滑車が回るようになりました。
このように、掃除をしなくていいわけではないということがお分かり頂けたでしょうか。
工務店に掃除の知識は必要
家を建てた時、簡単な掃除のアドバイスや機器の使い方を数時間受けます。しかし、それは新築時の話で、人間は不思議なものですが、今目の前に起こっていることが全てなんですね。
要は、入居前の人間が一番気にしていることは、"早く引っ越したい"なので、汚れてもいないのに掃除の話なんて聴く耳を持ちません。
質問も、汚れたらどうしたらいいですか?なので、「汚さないためには」ではないのです。
しかし何も知らずにややこしい素材を選んだ人、機器の説明をしに来た人、お客様の理想を全部受け入れてしまって掃除のことは何ひとつ考えてない工務店の営業、デザイン重視の設計士…これらは全員違う人なのです。
全員違う人なので価値観も違いますね。だからこそ家づくりは、自分がおそうじが苦手ならばややこしい家を建てちゃダメなんです。家づくりがはじめてだと、他人の価値観が入ってきてしまいがちになりますのでご注意を。
もちろん自分のお金だし、自分の家づくりは好き放題したらいいです。ただ、メンテナンスがしにくい広いややこしい家を建てたのに、維持していけずに空き家になっていることもあるんです。
更に、まっとうな掃除代金を見積もりして値切るのはおかしなハナシですよね。見栄張ってややこしい家を建てたのは誰だってハナシです。掃除代は割高なんです。だって大変だから。
多くの掃除屋が思うこと
広いややこしい家づくりをしていい人は、
⚫︎体力がありメンテナンス(掃除)ができる人
⚫︎めちゃくちゃお金がある人
⚫︎年間掃除費用を家計やローンに計上している人
です。
えークモの巣できて触りたくなーい!
レンジフードなんてそのうちで良いよね
掃除は妻の仕事だ!(`・ω・´)
私は掃除しませんから(`・∀・´)
…みたいな人は、張り切らないで普通の天井の高さの普通の大きさの窓の普通の汚れが落ちやすいフローリングで色が白色のお風呂場にするといいですよ!
きれいに維持していれば、お金もかからない、余計な洗剤代もかからない、いいことづくめです。
散々言いましたが、それを踏まえて、いろいろ勉強して、楽しい家づくり、家選びをしてほしいなと思います。知識で暮らし方は変わります。ぜひ、自分の暮らし方と素材を知ることからはじめてみてください(^^)
ではまた!
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