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「すべては子どものためと思ってた」が怖すぎたのだが、なぜ怖いのかを考えた
話題の「すべては子どものためと思ってた」(KADOKAWA)を読んでみたのです。
取材を元に描いたセミフィクションなのですが、軽い話と思いきや、むちゃくちゃ、怖い漫画でした….….。
ここでも読めるのかな。
【あらすじ】
専業主婦の土井くるみは長男・こうたに特別じゃなくても普通の幸せをつかんでほしいと考えていた。
しかし、こうたは体が弱く、自己主張もあまりしないことから小学校のヒエラルキーが下であることを知ってしまう。
また、こうたが進学予定の地元の中学校は生徒の素行のせいで評判が悪いということを知ったくるみは、親が行動しないと子どもに普通の幸せを与えられないという思いからこうたの中学受験を決意する。
受験勉強を頑張るこうたのために様々な情報を仕入れて実践していくくるみ。だが、くるみの思いはこうたを、家族を次第に追い詰めていくのだった――。
果たして「子どものため」の正解とは? 毒親問題に切り込む挑戦的セミフィクション。
なぜ怖いのかというと、この家庭があまりに「普通」すぎるから。何も子どもを東大に入れようとか、一流にしようとか、そういう親ではないから、怖いのです。
誰もがこのようなことを考えたことがあるのではないでしょうか。
健康で生きてくれたらそれでいい
普通の幸せをつかんでほしい
未熟児で生まれて小さいから心配
成功体験を積み重ねて自信をつけさせたい
あの子が生きやすくなるために何かできることがあるなら、それができる環境があるなら、させてあげたほうがいいじゃないか
こうたが大人になったとき、どうしてあのときさせてくれなかったんだって、思わせたらかわいそうじゃないか
人生は育ちで決まる
公立学校が荒れてて学級崩壊しているらしい。そこでやっていけるの?
情報収集が親の仕事
勉強は教えられないからサポートしなきゃ
うーん、どれもこれも、現実にどこかで聞いたセリフばかり……。
恐ろしいのは1つひとつのセリフに、さほどの違和感を感じないことです。
主人公のくるみには、憧れのブログ主がいます。
長男の子育てに「目標」「参考」として同じ年の男の子をずっと羨ましくみてきたのです。
ネタバレを含むので、以下は読みたくない方は飛ばしてください。
「どうしたらこうならずに済んだのか」
私がこの話で考えてしまったことは、「ではどうすれば良かったのか」です。
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