「マナー」とどう付き合えばいいのか
こんにちは。
日本には、「マナー警察」という言葉があるそう。最近では、zoomの退出方法にすら「マナー」を求める人がいるらしいです。
マナーが大好きな人が多い理由
良くも悪くも、日本の人は「正解」とかマナーが昔から好きなんだと思います。
ただ、「はい、これが正解です。あなた、そんなことも知らなかったの?」という問いかけは、たぶん、今、日本人がいちばん好きなレトリックなのかもしれない。テレビを見ると、クイズ番組、常識番組が花盛りだ。雑学やニッチな知識を問題にし、「知っている人」が偉くて、「知らない人」をバカにする建付けだったりする。すべての問いに「正解はたった1つ」。それ以外は不正解、価値がないのである。
そうそう、「そんなことも知らないの」なんです。そしてみんな「正解」が大好き。私だって、「マニュアルがないと仕事なんてできません!」って本気で思ってました。
欧米の教育では、「正解」といったものはあまりない。自分なりに問いを立て、解を見つけるプロセスが教育だが、日本では、つねに「正解」というものがあり、生徒はその「正解」を習い、覚えるのが教育である。だから、自分から「正解」を作り出すのではなく、与えられたい。そういった意味で、日本は「マナー」という「正解」が大好きで、妄信するきらいがある。
実は、平安時代の清少納言も、割とマナーについて厳しいです。
「あの人はあんなことしてマナー知らずだ」とか「身分が低い人ってはしたなくて嫌」みたいなコト書いてます。
こうして、新しい時代にもルールが作られていくんでしょう。だからこそ、掃除のマニュアルとか、一定の品質のモノを作ったりするのは得意なのかも。
マナーを客観視してみよう
先日、cakesで牧村朝子さんが、こんな記事を書いてました。
就活が嫌だ、という学生さんに対して、「マナー講師に怒られたらどうするか」を指南。マナーを、思いっきり客観視せよ、というのです。
例えば、例えばだけどよ、就活ロールプレイングで入室ノックを2回コンコンってしたとするじゃん? で、「2回ノックはトイレと同じなので失礼です!」みたいな就活マナー講師に怒られたとするじゃん?
そしたら、すかさず脳内アナウンスですよ。
「この惑星では、誰もがトイレに行く。にもかかわらずこの惑星では、ドアを2回でノックすると、トイレみたいだ! と怒られる……」
で、家帰ったら調べるの。「どうすべきか」じゃなくて「なぜなのか」を調べるのよ、これは就活じゃなくて地球の調査だからね。なんで2回じゃダメなのか。いつから3回だということになったのか。
人をまとめて動かそうとする大きな力は、上から怒鳴りつけ、「知らなくて良い!」と言い、あなたを無知のままにとどめおいて従わせようとします。
例を出しましょうか。18世紀イギリスのスタンプ税法ってあるでしょ。「庶民が新聞買えないようにバカ高い税金かけて庶民をアホにしたろ」という法律ですよ(実話)(マジで実話)。中国の文化大革命では、自分で考えて物を言う人から殺された。カンボジアのクメールルージュがやったことも、個人個人が自分の頭で考えないように武器をふるったという点では同じでしょ。でもって、21世紀いま現在のアメリカでは何やってますか。大統領が煽りツイッタラーですよ(実話)(マジで実話かよ)。自分に都合の悪いことを全部大文字で「FAKE NEWS !」って叫んで、「米軍を派遣するぞ!」って脅すでしょ。ああやって「知るな、黙れ、殺すぞ」って押さえつけてくる力に抗うこと。それが、学び、問うことです。学問することです。
激しい言葉に唸ってしまった。
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