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日本の停滞の根本にある「収奪的な要素」は何だろうか?

こんにちは。

今年のノーベル経済学賞を取ったダロン・アセモグル、ジェームス・ロビンソンの二人の共著による本を「国家はなぜ衰退するのか」を以前紹介しました。

本書では、国家の繁栄と衰退について、シンプルな結論を出しています。
それは、「包括的な経済制度 vs収奪的な経済制度」が国家の繁栄を決める、です。

私はオーディブルで聞きました。

ものすごく雑にいうと、

包括的な政治・経済制度とは、権力が社会に広く配分され、私有財産が保障され、投資や発明のインセンティブがある社会です。人々は、自分が稼いだものを奪われないことを知っています。だから、イノベーションが起きるわけです。
収奪的な政治・経済制度とは、権力が一部に集中しており、私有財産は保障されず、お金を稼いでも、発明をしても、権威に奪われてしまうことを人々は知っています。人々には投資をしたり、イノベーションを起こすインセンティブがありません。

しかし、だとしたら、日本はどうなんでしょうか?

今日はここを考えてみたいと思います。

日本の経済が成長しない「収奪的」な要素はなんなんだろう?

日本の政治・経済制度は少なくとも私は十分「包括的」だと感じます。

自由主義社会で、人々は政治に参加できますし、経済活動は自由です。

しかし、経済はここ30年間、停滞し続けています。
まるで、ソ連の「見かけの成長」のようです。

これはなんでなんだろう?

私は、日本には実は隠れた「収奪的」な要素があるのかなーという仮説を立ててみました。

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