駐在員が住みやすい都市１位クアラルンプール、53位東京ーー違いは「外国人の住み着きやすさ」にあった

野本響子@文筆家＆編集者・在マレーシア

2021年12月25日 06:30

ドイツのInterNationsが行った、2021年の「住みやすさランキング」がマレーシアで話題です。

なぜかというと、第１位がマレーシアの首都、クアラルンプールとなったから。
1万2000人の駐在員を対象にした57都市に対する調査です。

なぜクアラルンプール＞東京なのか？

では東京は……？　とみてみると、全体の順位53位です。

なんでーー？？？　

物価も比較的安くなったのに？？
治安だって良いのに？ 公共交通機関も良いのに？

ーーと思いませんか？　私も思いました。

実は日本も治安や公共交通機関の項目の点数は、クアラルンプールを圧倒しているのです（東京は１４位。クアラルンプールは４１位）。

では、なぜこんなに差がついているのか。
東京育ちで、クアラルンプール首都圏に約10年住む私が考察します。

「住みやすさ」を決める決め手は「治安」ではなかった件

マレーシアでは、2020-21年は厳しく長いロックダウンがあり、ビザの条件も厳しくなりました。

なのに、「１位」になった原因はどの辺か。
85パーセントの回答者が概ね幸せに暮らしていると答えています。

* 85% が生活全般に満足
* 78% が生活費にも満足　
* 65% が新しい友達を作るのは簡単と回答
* 71% が仕事に満足
* 72% がワークライフ・バランスに満足
* 78% が医療の質に満足

治安とか、交通とかには満足してないのに、満足度が高いとはこれいかに？　と思うのですが、要するに、生活費が安く、新しい友達を作るのが容易で、ワークバランスも悪くないーーそんなところでしょうか。

調査結果全文は、ここからみられます（英語）。https://www.internations.org/expat-insider/2021/getting-settled-index-40191

ベスト10はこんな感じ。

1. クアラルンプール(Malaysia)
2.マラガ(Spain)
3. ドバイ(United Arab Emirates)
4. シドニー(Australia)
5.シンガポール
6. ホーチミンシティHo Chi Minh City (Vietnam)
7. プラハPrague (Czech Republic)
8. メキシコ・シティMexico City (Mexico)
9. バーセルBasel (Switzerland)
10. マドリッド(Spain)

アジアや中東、イベリア半島の都市が多いのが意外。そしてドバイは最近マレーシアでもやたら耳にします。物価の高いシンガポールが入っているのも面白い。