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「みんな同じ」に耐えられなくて独自規格を作ろうとする人々

日本を旅していたドイツ人が言っていたこと。
「日本のトイレはハイテクだけど、種類が毎回違うので、『流す』ボタンを探すのに苦労している」と。そうそう、みんな方式がバラバラなんよね。

以前も、コンビニやスーパーの支払い方式がバラバラだよね、って話を書きました。「セルフレジ」「セミセルフレジ」「タップ方式」「現金のみ」がバラバラで、毎回異なるので、びっくりするのです。

単一民族とかモノカルチャーとか言われる一方、統一規格を作るのはあんまり得意でないっぽい。
似たような人たちが細かい差異を出そうとして国内で争っていて、似たような規格が乱立してしまうんですね。

すごかったDVD戦争

例えば、スマートフォンが出る前の携帯電話で、日本だけ、なぜか独自規格が乱立してて、NTTドコモの「iモード」、auの「EZ Web」、J-Phoneの「Jスカイ」とそれぞれバラバラでした。

なので、メーカーさんはそれぞれ対応したブラウザを3種類のせねばならず、むっちゃ大変だったと思います。

で、海外の展示会なんかで携帯電話を見ると、もっとずっとシンプルなんですよね。当時あったのは標準ウエブを搭載したやつとブラックベリーくらいだったんじゃないかなぁ(うろ覚えですが、そんなに種類がないことに逆に驚いた記憶がある)。

そのメーカーも細かい差異を出すところに夢中になってて。

究極だったのが、2000年代のDVD戦争です。

CDやDVD、ブルーレイは日本が主戦場になっていたのですが、DVDは7つもの規格が乱立してえらいことになってました。

東芝・松下・日立のDVD-R/-RW/-RAM陣営(DVDフォーラム)とソニー&フィリップスのDVD+R/+RW陣営(+RWアライアンス)が規格争いをやったんですよね。

まず東芝が開発した読み込み専用のDVDがありました。
問題は書き込み式で、5種類あったかな。確か、松下電器のDVD-RAM、DVDーR、パイオニアのDVD-RW、ソニー&フィリップスのDVD+R、リコーのDVD+RWと規格が乱立。

DVD -RAMはともかくとして、消費者にはほとんど違いがわからない。

書いてて頭痛がします。

似たような規格争い。小型メモリー(メモリースティックやSDカード)でもありましたが、本当に、「誰得?」って感じなんですね。

ある意味、日本メーカーがテクノロジーを主導?していた2000年代ごろまでは世界中がここに巻き込まれてたわけです。

電機メーカーだけじゃない。全体としては似ているのに、無理やり学校の偏差値とか、住んでいるところの細かい差異(ときには住んでいる階ですら!)であれこれ優劣を競い合うのも、何だかなーと思ってます。

「人と同じことをやりたくない」

別府温泉に行ったのですが、温泉に「海地獄」とか「赤池地獄」とかのネーミングで個性を出すのも、とても独特だなーと思いました。

さらにそれぞれの温泉が「うちはワニを飼ってます」「うちは熱帯魚です。ピラルクがいます」とその中でも、個性出しをやっていました。ううむ……。別にピラルクをここでみなくても、と思うのだが……これも個性を出すためなんだろうか。

熊本で「レモンサワー専門店」なるものがあったので入ってみたら、「他と同じことをやりたくなくて」と言っていて、なるほどなぁ、と。

人は似たことをやることに耐えられないのかなぁ……。

多分ですが、流石に1億人も同じような民族がいて国内で(海外は見えてない)大競争しているので、「似ていること」に耐えられないのかなー。

だから無理やり個性を出そうとして、ときにはすごく個性的でヘンテコなことになっていく。でも本質的には似ているので、「似たようなものだけど、微妙に違う個性が乱立」状態になっていく。

そういえば、最近専門家も細分化する傾向にあるっぽく、例えば、「幸福探検の専門家の○○です」みたいな名刺をもらうことも増えました。こんなふうに謎な名刺をもらうこと、海外ではあんまりない気がする(というか、個人的には一度もないと思う)。

あああ、だから、海外に行くと楽になるのかもね。無理やり個性を出そうとしなくても、周りの「似たような人」が減っていくから。

このヘンテコさが面白いというかユニークで、限りなく細分化していくのが日本らしいところかなーと。しかしこの差はときには細かいことにこだわっている日本人自身にしか見えてなかったりして。

日本に慣れてない海外の人が見ると「みんな同じ」に見えちゃうところも面白いところです。

それではまた。

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