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旅に出ることで「生きづらさ」を解消する人々がいる
よく「日本で使い物にならない奴は海外にいったってだめに決まってる」と言う方がいます。
しかし、私は必ずしもそうは思いません。
日本が合わずに、海外で働けている人をたくさん見てきたから。
日本に合わない人の方が、海外で合うこともあるよ
むしろ、日本に合わない方にこそ海外が合う可能性があるのではないかと思っています。これは大人も子供も同様です。
なぜなら、環境や常識がまるで異なるからです。
マレーシアに来る方の中には日本で精神病で苦しんでいた方が少なくありません。そんな方にヒアリングしていると海外に来てうつ病が良くなったり、パニック障害が治まったりする方がいるのです。
これはなぜだろうと不思議でした。
反対にいやいや海外に来て日本語が通じない環境のために、パニック障害になる方もいます。
どこへ行ってもうまくいかない方も一定数いるのですが、全体から見ると少数な気がします。
「死ぬ気で旅に出る」とどうなるか
そんな中、非常に興味深い漫画を読みました。「だから死ぬ気で旅に出た」です。
作者の片岡恭子さんは家族との関係がうまくいかず、周りに合わせて生きることが苦手です。小さい頃から、リボンの色を友達とお揃いにすることなどが理解できません。
恋人と別れて30過ぎて実家に戻って消費者金融で働いた後に、明確な幻聴が聞こえるようになります。
そして精神病院に強制入院する直前に、国外に旅に出たのです。
片岡さんは、旅の途中で本当に死にそうになり、「生きたい」と思うようになったそうです。
国外に出て、彼女の精神状態は改善しました。巻末に臨床心理士の信田さよ子さんとの対談をご紹介します。
片岡・私は海外に出ることで精神状態が良くなったわけですが、もし私に海外に出るという選択肢がなかったとしたら、カウンセリングを受けることなく、精神科医を受診していました。
(中略)
薬を出してもらったとしてもそれは対症療法で根本的な原因の解決にはならない。別に死んでも構わないから、好きなところに行って好きなことをしようと海外に行きました。
信田 「逃げる」という言葉の中にはマイナスの評価が入っているでしょ。逃げたのと脱出という表現とは違うし、住む国を選んだと考えることもできますよね。大多数が「自分の国は選べない。日本しかない」と思っているわけだから。
今は海外と日本を繋ぐ「運び屋」として世界中を飛び回っています。
「死んでも構わないから、好きなところに行こう」
私はこれを別の方からも聞いたことがあります。その方は東京で鬱になり動けなくなったのですが、死ぬ前に世界を見ようと思ったそうです。
もし、「日本で使い物にならない奴は海外にいったってだめに決まってる」と言われて怯んだら、他の地名に置き換えてみたらいいと思うのです。
「・・県で使い物にならない奴はよそにいったってだめに決まってる」
「・・村で使い物にならない奴は東京にいったってだめに決まってる」
あ、そんなことないな、と気づくと思われます。
場所によって環境や常識、思考方法が異なるからです。それにそんなに世界のことをよく知っている人は、今ほとんどいないと思います。
むしろ、発言者の視野とその意図を洞察することが、重要かもしれないなと思います。
この漫画はKindle Unlimitedで読めます。
誰かの参考になったら幸いです。
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