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マレーシアの障がい者教育事情について聞いてきたよ

先日、日本が国連から障がい者教育について勧告を受けた件について書きました。

では、外国はどうなっているのでしょうか?

マレーシアでインクルーシブ教育に取り組むリー・シェンさんは、ダウン症を持つイシャのお母さんでもあります。

マレーシアの障がい者教育事情について、聞いてみました。
一問一答方式でお送りします。

「完全なインクルーシブ教育」は難しい

ーーマレーシアで子どもになんらかのサポートが必要な場合、どのようにするのでしょうか?

ダウン症の場合、就学までは国立の療育センターに行きますが、この後は普通の学校に行きます。
公立か私立、ホームスクールから選択します。

ただ、公立学校は手厚いとは言えません。クラスの人数が多く、他の障害がある人もたくさんいて、サポートが足りていません。

まだまだ、ダウン症の子は特別支援学校に行くべきだと思っている人がいます。
もちろん悪気はないのでしょうが、考え方が少し伝統的すぎますよね。

今、マレーシアの多くの学校ではインクルーシブと謳っていますが、実態はそれぞれの学校に「特別支援教室」があり、ランチタイムや体育の時間などだけ一緒にやるところが主流です。
でも、本当のインクルーシブ教育はそうじゃないんです。

ーー完全なインクルーシブ教育とは?

完全なインクルーシブ教育は、この図のような感じです。

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マレーシアではまだ「完全なインクルーシブ」は少ないと思います。

値段が高いインターも完全なインクルーシブになっていないこともあります。ただ、そういう学校は増えていて、新しいジェネレーションは少しずつ改善しています。

学校により対応できる・できないはあって当然

ーー全ての学校が完璧にはできないということですか?

1つのクラスに支援が必要な子が多くなりすぎると、教師がハンドルできないので、それは仕方ないでしょう。突然クラスに五人のダウン症の子がいっぺんにきたら、対応できない。

だから、全ての学校が1人とか2人とか入れること。だから、親も「なんでうちは入れてもらえないの?」と文句を言うのではなくて、思慮深くならないといけないと思います。

先生が特別なサポートをするために時間を使うことを好まない親もいます。でもOKな親もいる。

サポートが必要な子も必要ない子もいる。スペクトラムの人の中にはサポートいる人も多いですし、うちの子のように、「ほんの少しだけ」手伝ってもらうことでうまくいく子もいます。

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