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日本の問題点は「社会に信頼がない」こと

こんにちは。

同じ問題が世界中に起きて、いろんな国が違うやり方で戦おうとしてます。

国防とは何か、本当に強い国とは何か、有事とはなんだったのか。
考えさせられます。

どれが正しくてどれが間違っているか、それはまだわからないです。
ただ、マレーシアにいて私が感じるのは、「政府が国民の命を守ろうとしている」こと。「人間対ウイルス」と対立軸がはっきりしてます。

マラヤ大学(UM)の教育心理学・カウンセリング学部のMariani Md Nor教授は、「(マレーシアでは)人々がポジティブに外出制限を受け止め、パブリック・コンセンサスがある」と言っています。皆が「まあいざとなれば、誰かと助け合えばいい」くらいに考えてる。

まだどうなるかわかりませんが、今のところ、社会がポジティブであることの恩恵はかなり大きいです。

今の日本に足りないのは信頼感

今の日本を見ていると、政府の対応に批判があるのはもちろんですが、それ以外にもあらゆるところで戦いが見える。
ある日の朝日新聞の見出し、こんな感じでした。

スクリーンショット 2020-04-23 午前7.35.45

これ見るだけでも、
「民間の検査キットに対する疑念」
「10万円を世帯主に配るか・個人に配るか」
「県職員の10万円を勝手に召し上げていいのか」
「支援金支給は誰がやるべきか」
「首相の演説はこれでいいのか」

少なくとも5つは対立軸があるのかなー・・。

日本の根っこの問題は「他人への信頼感がない」ってところに尽きる気がします。社会学者の山岸俊男先生が指摘したところと同じです。

雑にまとめると、日本社会では、見知らぬ他人が信じられない。
他人を信頼できない「低信頼者」が多いって指摘でした。

低信頼者の多い社会では、全てを疑わないとならないので、生きるコストは高くなりますし、手順が増えていきます。
「ズルするかもしれない」を前提に考えると、いろんなルールが追加され、効率が下がる。

自分しか信じられないから、お金しか頼れなくなります。

信頼が幸福度に結びついている

ハーバードで「幸せの科学」を教えるシャハー博士 によれば、幸せを決定する大きな要素は「信頼」なのだそうです。同じハーバードのRobert Waldinger博士もTEDで同じこと言ってます。

幸福度の高い国が「他人を信頼できる人が多い」ことは以前も紹介しました。

例えば、2017年の世界幸福指数の1位はノルウェーですが、当時は石油も下がって経済は縮小してます。文化大臣は「明らかにお金より重要なものがある」と。そしてそれは「信頼」なんだそう。

「あいつらと俺たち(Us and them)」系の考え方をすると、社会の信頼度が下がって幸福度も下がる気がする。そして結果として有事に高くつく。

信頼のない社会でどうハッピーに生きるか

では信頼の薄い社会でどう楽しく生きていくのか?

社会って結局は個人の集合体です。
まずは、家族や友人などの周りの人を信頼することからかな。

ところが、10万円配布問題を見ていると、「家族ですら信じられない人」が多い。
「最初の家族の作り方」(要するに結婚)が根本的に間違っているのかも。ひどい家族で育ってきた人もいる。DVを受けていて「家族が信じられないから、お金は個別に欲しい」となってしまい、配布コストがさらに上がる。

憎しみあった家族が世代で連鎖している人も少なくない。問題が複雑に絡み合った糸みたいです。

もし、そうなら、家族からも離れて、信頼できる人と関係を構築していくしかないのかな。

日本人は冷たいし、怪しい人が多いから無理、って言う人もいます。
「知らない人についてっちゃいけない」って教えられてる。

けど、本当にそうなのかな?
私は人の元の性質は実はどの国もあんまり変わらない気がしてる。
冷たい人は一定数とこにでもいる。

2014年に「知らない人を信頼してみる」実験した坂爪圭吾さんってかたがいます。彼はホームレスになり「見知らぬ人に泊まる」ことを繰り返したところ、価値観の転換が起き、日本に優しい人も大勢いると気づいたと書いていました。

知らない人をまず信頼してみるってなかなかできない。

マレーシアの人にも高信頼者が多いなーと思います。彼らはよく知らない人と旅行します。
疑り深かった私が変わったきっかけも、「よく知らないマレーシア人と一緒に旅行する」ことから始まりました。

動物的なカンに頼り、裏切られてもいいからまず自分から信頼してみる。
そこから何か始まるかもしれません。

それではまた。

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