日本とマレーシア、社会がどうしてこんなに違うのか、子供と考えてみたよ
なんで日本とマレーシアの人間関係、こんなに違うんだろう? これが私の大きなナゾです。最近、会う人、会う人にこの話をしています。
そしたら、マレーシア人の方からこんな意見が。
いや、ほんと、毎回これ言われます。
6歳からマレーシアにいる長男も、長男の友人のマレーシア人たちも同じ疑問を持っています。
今日は、長男が考えた「日本とマレーシアの違い」です。日本とマレーシア、両方の学校を見てきて、どう思ってるのか? 絵付きで仮説を教えてくれました。
長文です。お時間あるときにどうぞ。
日本人とマレーシア人はどう違う?
日本人の標準仕様はこうです。
本音(黒)と建前(白)があり、本音が覆われて、他人にはよそ行きの顔を見せてます。
なので、お互いがよく見えて、SNSなどをみては「いいなぁ」と羨ましがってる。
こんな感じ。
お互いには白いところしか見えてない。
対して、マレーシア人には、基本的に本音と建前がない人が多い。
SNSはありのまま。平気で他人に自分の幸福を見せる人が多い。
嫉妬する人もあまりいない。こんな感じ。
社会はこうなってる
日本社会は本音と建前を使い分ける人(以下本音と建前人間)が多数派。でも本音を隠すことに疲れてるので、天然な人、自然な人を見ると、同じに振る舞ってないことに嫉妬してたりします。
そのため、天然の人(白い人)や、表裏のない人(灰色の人)は、攻撃されたりして生きづらい。
だから猫やバーチャル(左)に癒しを求める人も多い。
これに対して、マレーシア社会は、表裏の少ない人(灰色)が多数です。中にはバリバリの本音と建前の人もいますが、少数派。
他人に優しくできる余裕がある。
悪い人も中にはいますが、差別的な言動をする人なんかにはみな厳しいです。また、宗教の教えもある。
大体の人が本音で生きてるので、ストレスが少ない。
家庭でも学校でも天然の人がたくさんいますが、自分のママに振舞うことで、虐められることはない。
人間不信がなぜ増えるのか
本音と建前の日本社会にいると、人間関係に疲れてしまう人がいます。
なぜかというと、本音と建前人間は、普段我慢して生きているので、何かの表紙に本音が出ちゃう。
こんな感じでドピュッと出ちゃうんです。
突然キレる。
運が良い人は、穏やかな人間同士のつながりの中にいて、攻撃を受けることは少ないのです。
しかし運が悪いと、「本音と建前人間」ばかりが周りにいることになり、いつ攻撃されるかわからなくて生きづらい。
他人の突然出てくる本音の爆発が怖い。
家庭で心が休まらないのはなぜか
さらにタテ社会なので、相手によって、顔を選んでいます。こんな感じで、部下向け、上司向け、家庭向け、友達向け、みたいに自分が使う仮面を選んでる人もいたりする。
追記)
この絵について、上の文字がなんて書いてあるのか、質問がありました。長男はこの時、「ケロロ軍曹」の他の人に対する態度を例にiPadに絵を描いて説明してくれたので、ここには、ケロロ軍曹のキャラクターの名前が入ってます。ギロロ用、タママ用、クルル用で、相手に合わせて、態度や口調が変わるってことを言いたかったみたいです。
そして人間不信になり、とても疲れてしまうのです。
自分の意見を発散できないので、ウチに溜まっていく。
日本の場合、学校も会社も家庭も、「世間向けの顔」を見せる作りになっているところが多いです。
こんな感じで「繕うためだけ」に結婚しろと言われる。
ストレスを家庭で発散する人、明治時代の家制度が残ってて家庭が戦争状態の人もいます。「渡る世間は鬼ばかり」と、家庭で家族同士が戦ってたりします。
疲れた人はどうしたらいいのか
だから、運が悪く、家族が仲悪かったり、家庭が世間体を繕ってたりすると、もはやどこにいても心が休まりません。
本来なら心が休まるはずの家庭ですら、安心できないんです。
こんな感じで疲れててかわいそうです。
ところが、日本には、この本音にチャックがついてる人たちがいる世界がある。
お店の人や、アイドル、キャバクラや風俗の人なんかです。
お金さえ払えば、本音を気にせずに、人間関係を得ることができます。
2次元のキャラクターも本音で攻撃したりしません。
猫や犬などのペットもそう。
「突然攻撃してこない」という安心感がある。
この言葉が象徴的です。
日本社会でオタクや趣味が発達する理由
疲れてしまった人たちが救いを求める先は、
1人間関係(家族・友人・仲間)
2バーチャルな人間関係(キャバクラや二次元の人、声優さんとか)
3消費や趣味(スポーツやゲーム、音楽など)
4お医者さん
となっていく。
日本社会の大きな特徴は、2と3が突出していることです。
マレーシアでは「家族が大事」という人が多いのに対し、日本では「家族や仲間より消費や趣味の方が大事」って人が目立ち、家族を顧みずゲームや、仕事や趣味にハマったりします。
こうして、オタク文化や趣味がどんどん発達していきます。
家庭がキツくて家に帰りたくない「フラリーマン」なんて言葉もあります。
しかし、別に趣味に生きようが、消費しまくろうが、ギャンブルにハマろうが、実はそれでハッピーなら別に良いのです。
ところが、問題点は、趣味やファンタジーやアイドル追っかけにはほとんどの場合、お金がかかることです。さらに、日本の場合、マーケティングが異様に発達してこの欲望に火をつけるのに一役買っており、消費が一大産業になっています。
だから、やりすぎるとみんな貧乏になったり借金漬けになったりする。
他国でもそこそここう言った消費文化はあるのですが、日本のそれは、やはり突出していると思う。
漫画の「闇金ウシジマくん」では、ホストやギャンブルなどにハマって借金漬けになる人が出てきます。
ウシジマ君は、この幻想を打ち砕いて(借金を限界まで貸して)、消費漬けになった人を人間関係に戻す仕事をしてるワケです。身包み剥がされてお金がなくなった債務者たちは、最後には家族や友人の元に戻っていく。
(こちら非常に後味悪いですが、期間限定で無料だそうです。非常にグロい描写が出てきますので、苦手な方は、10巻の「サラリーマンくん」編あたりがお勧めです)。
日本でも、「世間体」をあまり気にしない、本音の人が多い世界もあるんです。つまり仲間がいれば、楽しく過ごせます。
しかし、見えてない人には見えてなく、孤独に落ち込んでしまう。
だから、運が良い人はイイけど、運が悪いとしんどくなる。
ここから逃げる方法はあるのか
さてではどうするか。
長男が考えるに、ここから逃げる方法は2つあります。
一つが居心地の良い、本音でいても攻撃されないコミュニティ(人間関係)を見つけること。
もう一つが海外に行くことです。
それができないと、人々は消費に走るしかなくなり、ストレスを抱えてしまうのではないか、というわけです。
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いかがでしょうか。
子どもの目線なので、基本的には学校での人間関係が基本で、仕事が含まれていません。しかしなぜ日本でオタク産業が盛り上がるのか、家庭が居心地悪くなる人が多いのか、説明がつくな、と。
私も思えば、日本にいた時は趣味(クラシック音楽)に没頭してましたし、消費に夢中になってました。小さい頃からこういう文化で育ち、世界とはそういうものだと思ってきたのです。マレーシアに来て一番衝撃だったのが、家族のあり方、人々の違いでした。
異論・反論・感想も聞けたら嬉しいです!
それではまた。良い1日を。
宣伝)現地で見たマレーシア社会と日本社会の違い、教育について書いています。よろしければぜひ。
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