たった1回の「ハグ」がなかったために起きた大スターの悲劇の話
子どもの教育に熱心な人は多いのですが、子どもを愛することに熱心な人は少ないです。
長男に誘われて、エルトン・ジョンの伝記映映画「ロケットマン」を見たのです。
(ネタバレではないですが以下、映画の内容に触れる部分があります)
「父親の愛情に恵まれなかった」ことが起こした悲劇
そもそもどんな話か。
成功物語の裏にある依存症の話で、意外でした。
冒頭、彼が直面しているアルコール依存、薬物依存、買い物依存などーーについて語られます。
しかしなんでこんなことになったのか。
原因は、映画の初期の段階に描かれます。
幼少期に、彼の父親が愛情を示さなかったことーー「一度もハグしてくれなかったこと」なのです。
「そんなことが?」と思われましたか?
私も正直、思いました。
父親が登場するその度にエルトンがその態度に傷つくのです。
そしてまた、父親自身が大人になりきれておらず、余裕がないことも映画では示されます。
この映画はエルトン本人が制作総指揮を務めています。
変わっていく「いい親」の定義
エルトンを演じたタロン・エジャトンはインタビューでこう言ってます。
でも別に、すごく悪い親かと言われると、そうでもないのです。
エルトンが音楽への才能を示すと、音楽教師をつけて、音楽学校に送り出してくれます。教育熱心でご飯もきちんと食べさせています。
インタビュー通り、時代背景があるのだと思う。
しかし、エルトン・ジョンほどの人でも、幼少期の親の愛情が、一生の傷になるのかーーというのはちょっとショックでした。
だからこそ、彼は成功した、とこのインタビューでは語られていて、要するに戻るところがなかったからです。
きっとこれには相性もあって、たまたまエルトンが繊細な感性の持ち主で、相性が悪かった、というのもあるかもしれません。
エルトン自身が「自分のダークな部分を見せていい」といったことで、今回の映画が実現したそうです。
いろいろと考えさせられる映画でした。
それではまた。
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