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コミュニケーションにおけるジャンクフード「悪口」について考えてみよう

ある方から「職場にいつも悪口や批判をする人がいて、聞くだけでしんどいんです。どうしたらいいでしょうか」というご相談をいただきました。

あーあるあるですね……。
で、回答としては「距離を置く」のがいいんじゃないかと思うのです。
が、それだけだとあんまりなので、ちと書いてみます。

悪口によって繋がる関係はなぜかすごく強いようです。
大昔、ある職場に、いつも上司の悪口を言ってる人々がいたんですね。

そのグループの人たちとランチに行くと、直属の上司がいかに無能でものを知らないか、ズレているかを延々と語っていたんですね。
まるでその悪口に同調することが、「仲間である印」みたいな感じです。

会社の外でアクティビティをやっていても、常にその話題になっていきます。

しかし、上司は仕事においては欠かせない存在であるため、最後は、「上司派 対 反上司派」みたいな対立構造になって、仕事が異様に進みづらくなります。
どっちかに属してワーワーやってると、次の人事異動とかでバッサリ切られたりする人もいます。

仕事においてはメリットがない、と私は思いました。

こんなふうに、コミュニティがたまーに悪口ばっかりになることがあります。

大抵は、ちょっとした「もやもや」みたいなことの共有から、エスカレートしていく。
もしくは、コミュニティのボス的存在が「共通敵」を作って盛り上げようとする。
挙げ句の果てに、相手の一挙手一投足を取り上げて、論評を始めちゃう。

悪口で繋がることが常習化するとどうなるか

悪口をまったく言わないのは、難しいかもね。
ちょこっとの悪口なら、誰にでもある。
私もあります。
悪口は盛り上がりますよね。

しかし、常習的になると問題が大きくなります。
ほどほどにしないと、悪口は強烈な麻薬みたいなもんだと思っていて。
中毒性のあるアルコールやタバコと一緒で、かなり危険。


一方で、悪口が好きな人はなぜそれをやめられないか? それは「悪口は依存症である」と考えると、非常に腑に落ちます。

誰かの悪口を言うと、やる気や快楽に関与するホルモン「ドーパミン」が放出されます。ドーパミンが出ると楽しい気分になります。だから、悪口を言うことは基本的に楽しいことなのです。
しかし、ドーパミンはよくばりな脳内物質でもあり、一度放出されると「より大きな刺激」を求めるようになります。つまり、悪口の回数を増やしたり、より過激な悪口を言わないと、新たにドーパミンが出ず、楽しい気分になれなくなってしまうのです。

結果、悪口を言うことが癖になって、なかなかそれを改善しづらい状態に陥ります。悪口を言えば言うほど深みにはまってしまう。これはアルコール依存症や、薬物依存症と同じ原理です。かくして「悪口は依存症」と言っても、遜色ないのです。

精神科医、作家の樺沢 紫苑さんの意見です。

ただ、悪口は、コミュニケーションにおける「ジャンクフード」なんだよなぁ。
だから手っ取り早くコミュニケーションできて、強いボンディングが生まれる中毒性があると思っていて。

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