宇宙飛行士から「究極の外出禁止生活」を学んでみる
こんにちは。
最近、3本の宇宙を舞台にした映画を見ました。
「2001年宇宙の旅」「インターステラー」「スペースウォーカー」の3本。
以前は気がつかなかったのですが、宇宙飛行士の生活って究極の「外出禁止生活」です。今回は、宇宙飛行士に学んでみることにしましょう。
宇宙飛行士の生活は究極の「外出禁止生活」
まず期間。数ヶ月どころか数年も同じところに閉じ込められます。ロケットの中は快適とは言い難い。
宇宙航空研究開発機構『JAXA』の山口孝夫さんによれば、宇宙でのストレスは、
・高真空の死の世界に包まれた職場環境に関連する、定常的な危険や危機感
・チーム内の対立
・社会からの隔離/疎外感
・社会的な圧力(過度な期待など)
・異文化
https://koyamachuya.com/column/adopt_criteria_of_astronaut/10061/
があるらしい。
驚異的なのは、一緒に過ごす家族や信頼できる友人もいないのに、彼らが正気を保っていることです。
一緒に行動するのは「家族」ですらない他人である
一緒に行動するのは飛行士仲間ですが、そもそも仕事の相手で友達でも家族でもない。国籍すら違う仲間がいて、その仲間は「信頼するしかない」。
宇宙で仲間割れすると、その結果は悲惨です。
協力できないと死んでしまうのです。
例えば、ソ連の宇宙飛行士の実話を基にした「スペースウォーカー」では、1960年代の宇宙船が本当に頼りなく、命がけで協力しながら直すのです。
信頼がないと死に結びついてしまう。
採用時には家族との関係も見るそうです。
「家族という最小単位で人を信頼できなければ、外に出ても難しい」ということらしい。
食べ物・空気・行動全てに制限がある
趣味も制限されるから気晴らしに散歩にも買い物にも行けない。
もちろん、飲み会なんてありません。山口さんのお話に戻ります。
まず、職場である宇宙へ行くと、人によっては吐き気をもよおすほどのひどい宇宙酔いに悩まされることがあります。続いて、鼻がつまって、顔がむくみはじめます。ひどい花粉症のような症状かもしれません。ある時、身体の部位を測ってみると、足の筋肉がかなり細くなっていることに気づきます。
一体何なんだ?──と思って不安になっても、なかなかひとりになれない上に仕事も多く、リフレッシュしようと外に出たくても、外は温度が120℃~マイナス150℃の真空状態に宇宙放射線が降り注いでいます。そして、それらを防いでいるのは厚さ4.8㎜の外板だけだということを考えるだけでゾッとします。
そんな毎日が続く中で、仲間が「大丈夫か?」と気を遣ってくれて、とにかく休もうと思って寝室に行くと、なんだか目の奥がチカッと光ります。目を閉じてもチカチカします。そうするうちに、ウウウウウン……という機械音が気になり始め、うまく眠れません。
イライラしてしまい、逃げ場のない閉ざされた狭い職場の中でも、不器用なりに優しい仲間と距離を置こうとしてしまいます。しかし、唯一の心の支えである息子や娘の笑顔もなかなか見られない上、食事もあまり美味
おいしくありません。これが約半年間続きます。
https://koyamachuya.com/column/adopt_criteria_of_astronaut/10061/
これが数ヶ月、数年に渡って続くのだから、しつこいですが、正気を保っているだけでもすごいことです。
採用条件で重視される「メンタルの強さ」
長期間の旅行中、もし精神的に不安定になる人がいたら、チーム全体の足を引っ張ります。映画では、仲間割れが殺し合いに繋がる危ういシーンが出てきます。
だから、宇宙飛行士の「採用条件」では「心理的な条件」を重視するのだそうです。
山口さんによると、その「心理的な条件」とは、
・協調性、適応性、情緒安定性、意志力等国際的なチームの一員として長期間の宇宙飛行士業務に従事できる心理学的特性を有すること。
情緒が長期間にわたって安定していること、意思があること、異文化の人を信頼し、協調できること、環境に適応できることーー書くのは簡単ですが、並大抵のことではないでしょう。
宇宙の映画、実際に、自分が外出禁止生活を送っている中だと学びが多いです。全てアマゾン・プライムにあります。会員でなくても借りられますから、もしよければレンタルしてみてください。
それではまた!
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