今の時代に「正しく生きる」のは大変に難しい件
ネットを見てると、次々にいろんな人の「正しくない発言」が糾弾されて、炎上しています。ただ、「正しくない人」を徹底的にやっつけて言論の場を完全に奪ってしまうのは、私は少し危険だと思います。
無知から起きる不正義もある
現代では、ときに無知が不正義に繋がります。
マレーシアでこんな事件を見ました。
革製品を輸入・販売した会社。ところが、なかに豚革を使った製品があり、イスラム教のスタッフに触らせたことで、ネットで大炎上。この企業は公式に謝罪しました。
「日本食の実演会」で日本酒で「乾杯」がありました。現地の新聞記者はほとんどがイスラム教なのに非常識だ、というクレームがありました。
私の会社も革製品や日本酒を扱ってたので、社内にローカルの方がいなかったら、同じ過ちをやっていたと思います。
以前、インターナショナルスクールでは、「国際的に仕事するための、最低限のドレスコードを教えている」と書きました。
では欧米的な最低限の価値観を身につけたからOKか? そうでもないのです。
何も欧米の話だけじゃなく、宗教の数だけ、民族の数だけ「正解」が違うのです。
「正義」の数が多すぎるので、とても全部把握しきれないです。
さらに、私には気付いていない「偏見」もまだまだありそうです。
ユヴァル・ノア・ハラリさんは「21 Lessons 21世紀の人類のための21の思考」でこう書いてます。
ところが、すべてが互いにつながっている世界では、至上の道徳的義務は、知る義務となる。近代以降の歴史上で最大級の犯罪は、憎しみや強欲が招いただけでなく、無知と無関心に負うところがなおさら大きかった。
現代世界における不正義の大半は、個人の先入観よりもむしろ大規模な構造的偏見に起因するが、私たちの狩猟採集民の脳は、構造的偏見を検知するようには進化しなかった。私たちはみな、そうした偏見の少なくともいくつかは共有しているものの、すべての偏見を見つけ出す時間もエネルギーも持っていない。
脳の進化が追いついていないらしい
逆の立場で、こんな話も聞きました。
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