「中学受験させたけど大丈夫かな」と心配になってしまった方へ
中学受験後の、親のもやもやをhoney lemonさんが書いてくれました。
2月に子どもが中学受験をして本人の第一志望校に入学しました。 子どもはWEB合格発表を見た後、家の中を走り回って喜んでいました。 嬉しい🌸
けれど一方で、私にはモヤモヤが残りました。 この中学受験に対するモヤモヤの正体を書いてみようと思います。
しかし、どうも拙著「子どもが教育を選ぶ時代へ」を読んで落ち込まれてしまったようなのです。
帯に「10年後の日本の教育の姿!」と書かれているのをみて、ガーンと頭を殴られたような気分がして、落ち込みました。
理想なのです。本に書かれているマレーシアの教育システムが。
2月には野本さんの本と並行して、「OECD Education2030プロジェクトが描く教育の未来」を読んだのですが…
まさにOECDの描く21世紀型教育が、マレーシアでは現実になっている。
日本の教育にはない、子どもの個性を伸ばす21世紀型の教育の選択肢がマレーシアには豊富にある。と感じました。
ええっと、落ち込む必要はないと思います。
今日は、同じように不安な方のために書きます。
中学受験が得難い「体験」になることもある
私は、今日本で「困っている人」を想定し本を書きました。
が、「今、お子さん本人が困ってない」のなら、書籍に書いた通り、そのままでいいと思います。
但し、今の日本は、まだ21世紀型教育を真に実践している学校は少なく、金額的、偏差値的にごく一部の人しか享受できない仕組みに思えます。
特に私が気になるのは、今の日本には、「子どもに主体性を持たせる教育姿勢」「多様性のある教育環境」が極めて少ないことです。
それは確かにその通りなのです。
でも私ももし日本の公立小学校で子どもが楽しそうなら放っておいたと思います。
21世紀型を「私が受けたかった」という親は多いですが、こちらも、完璧ではないのです。
「遅れてる」というより、ただただ、「違う」のです。で、アジアの親には結局、一周回って「従来型がいい」という人が多いです。
例えば、うちのIBの学校では、今年六人も生徒が辞めました。
「思ってたのと違った」のだと思います。
体育や音楽の授業がありませんし、日本と違って「家庭科が不十分」「日本語教育がない」などと不安に思われる方も多いです。
何かを得たら、何かを失うのです。完璧な教育はないです。
どうやって主体性を持たせるのか?
古い体質の中高一貫校に入学した子どもに、首都圏を離れられない我が家の環境で、家庭や学校外で主体性を持たせたり、多様性のある環境をどう作れるか…悩む毎日です。
主体性とは、「自分で決めてやる」ことだと思う。
何度も「塾やめようか?」と子どもに聞いたことがあります。
それでも、子どもが「塾には行きたい。授業が面白いから。」と言うので心配しながらも応援してきました。
子どもは今、オンラインゲームや公園で友達と遊んだり、弓道体験やはちみつレモンづくりにいそしんだり、好奇心そのままに行動しています。
お子さんは、塾で授業を楽しんで、行きたい、と決めています。
合格した時には、家の中を走り回って喜んでた。
好奇心のままに、弓道したり、オンラインゲームをやったり、公園で遊んだり、はちみつレモンを作ってる。
それは十分に、主体性がある行動では?
おそらく、「自分で決めてやり抜く」経験を持ったのではないかと思います。十分主体的に生きておられると思います。
親が21世紀型を学びたければ自分で学べば良いのだと思います。
多様性のある環境にいくとは
次に多様性です。実はこれも、「完璧な多様性」は難しい。
インターは人種は多様かもしれませんが、お金持ちばかりが集まるという意味では多様性を欠いています。
そして、中学生のお子さんはもう自分で決めて進んでるので、親が介入するのは難しいと思います。
ただ、東京は外国人が増えています。首都圏なら、インド料理屋や中華料理屋には、ネパールやバングラディッシュから来た人が働いているかもしれません。
新大久保など外国人が多い場所に行くと、いろんな人に出会えます。朝鮮学校に行ってる人、中国から出稼ぎに来ていた人、ネパールから働きにきていた人なんかと知り合いになるチャンスがありました。
こうした場所に、たまに家族でご飯を食べに行って、店主やスタッフと仲良くなり親子で色々教えてもらうーーそんなことならできるのかも。
それにお子さんが多様性のトレーニングをするタイミングは、もしかしたら、20代からもしれないし、30代かもしれません。
私自身も、正直、なんの勉強もせずにぼーっと過ごしていましたが、大学を卒業してから英語学習始めました。みんなそんなものかも。
学校はオプションの1つでしかない
どうしても21世紀型教育が気になるのなら、家庭でできます。モナッシュ大学マレーシアの渡部幹先生が、親自身がどうやってクリティカル・シンキングを学ぶかを書いておられます。家庭の会話を変えたら良いのかも。
教育って人生のオプションの1つでしかない。
本人がどこかで選び直すことができます。
今の世の中で、天才と言われる人も「天才児用のギフテッド教育」なんて受けてない方がほとんどでは? むしろ変わり者として排斥されてた人多いと思う。
今日本で活躍している人のほとんどは、日本の画一的な教育を受けているはずです。
うちの長男は学校どころか、中学はほぼ行ってませんが元気ですよ。
先日取材したマレーシア育ちの日本人。英語と日本語・中国語を解しますが、「日本語の漢字の手書きは、これから学びます」と言っていて、そう、それでいいんだよな、と思います。
あんまり心配せずに、お子さんが楽しんでいるのを見守っていたらいいと思いました。
それではまた。
ここから先は
これまで数百件を超えるサポート、ありがとうございました。今は500円のマガジンの定期購読者が750人を超えました。お気持ちだけで嬉しいです。文章を読んで元気になっていただければ。