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孤立した国の中で、「視点」を増やす方法

日本を出てわかること、それは、日本は世界で最も孤立した国の一つだということです。

孤立していると何が起きるのか。
ユニークな文化が生まれる一方、人々の「視点」が増えにくいです。

国際的な場所で、うっかり日本国内のように、「日本人は優秀」とか「オールジャパン(日の丸なんとか)でやりましょう」とか言う人がいます。マレーシアの会社でローカルの部下にこれ言ったら、まずみんな白けてしまいます。

東京の会社で誰かが、「東京人は優秀だから、オール東京人で!」といい出したら、ちょっと嫌な感じがします。
同じことです。逆の立場を想像したら、こんなことは起きません。

でもこれ仕方ないですね。地理的にも、ユーラシア大陸の隅っこにあって、言語をほぼどの国の人とも共有しません。世界の言葉になった英語を勉強する人は多いですが、英語で情報を取る人は少ないです。

国内で似たような情報がぐるぐる回っています。

生きやすさにつながり、グローバル時代を生きる鍵となるもの。
それはズバリ、複数の「視点」だと思います。

では、孤島にいる我々は、どう視点を増やしたらいいのか。
本日のテーマはこれです。

どうやって視点を増やすか?

アーティストであるRaghava KKさんが、TEDで「視点の増やし方」について語っていました。

彼は「視点を増やす児童書を子どもたちに与えること」を提案します。

彼は、絵本により皆「偏見を強化される」危険性を思い出させてくれます。

児童書で出てくる「悪者」は本当に悪者なのか?

彼は言います。

事実とバイアスを分ける必要がありますよね。私の子供向けの本にも、かわいくてフワフワした動物が登場します。しかし、彼らが演じているのは、地政学なんです。彼らは、イスラエルとパレスチナ、インドとパキスタンを演じています。
You have to separate fact from bias, right. Even my books on children have cute, fuzzy animals. But they're playing geopolitics. They're playing out Israel-Palestine, India-Pakistan. 

たとえば、インドの独立についての児童書は、大変愛国的です。でも一度振るとパキスタンの視点になります。もう一度振ると、イギリスの視点になります。
 It's a children's book about Indian independence -- very patriotic. But when you shake it, you get Pakistan's perspective. Shake it again, and you get the British perspective.

私はとても重要な主張をしています。創造性を教える唯一の方法は、最も早い段階で子どもたちに視点を教えることだ、ということです。
You know, /I'm making a very important argument.  And my argument is that  the only way for us to teach creativity /is by teaching children perspectives at the earliest stage. 

Raghavaは、「視点を増やすこと」は絵本にこそ必要だといいます。彼は以前、「Popit」というiPadの絵本を作りました。

このアプリでは、iPadを振ると、伝統的な夫婦がゲイのカップルに変わったりします。

結局のところ、児童書は子育てのマニュアルなのだから、子供たちに視点を教える児童書を与えた方がいい。そして逆に、視点を教えて初めて、子どもは自分とは違う人のことを想像し、その立場に立って考えることができるようになるのです。
After all, children's books are manuals on parenting, so you better give them children's books that teach them perspectives. And conversely, only when you teach perspectives will a child be able to imagine  and put themselves in the shoes of someone who is different from them.

でも実際には、多くの人が子どもたちの視点を増やす前に「常識」を教え込もうとします。常識が凝り固まってしまうと、その後にいくら語学を増やしてもあまり意味がなかったりします。

「他者の靴を履く」ためにどうする?

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