優しい終末

カレンダーによると今日で地球が終わるらしいので私達は海へ行き、ベッドとお菓子とタブレットを広げて映画を観る事にした。「人工楽園だね」と寝転びながら君は微笑み、お気に入りだけを愛していって、零時丁度、波が凪ぐと共に世界中の光が一斉に消えてゆき異様な眠気が降り注いだ。微睡みの中の君の指先は暖かく、このままずっと月明かりに沈み続けたらいつか青い宝石になれそうだと思ったが、君はもう、眠っていた。

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