瞬く、間

皆の‪殺意が叶い始めた。世界の人口は瞬く間に減って行き、カウンターの死によりもう的確な数字も不明で、例に漏れず私も今こうして屋上から落ちているのだが、いい子の君は未だ死にそうにもないな。君が掴んでくれていた右手が感触だけを残し、急激に冷えていく。君はこの街最後の一人、独りぼっちで、私が死んだ先にいない君。
‬遠くで待ってと声がして、空に飛んだ君が見えた。

しまった、これは殺意だったのか。
呟いた『寂しい』が、最高速度で叶っていく。

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