大人(教員)の目がない方がのびのびすることを利用する
半分は私自身のミス(準備不足)が露呈してしまう話になってしまいます。
が、思わぬ副次効果があるものなんだなぁ、というお話になります。
本来であれば、授業中に使う道具(教具)は全部授業の最初に教室に持っていくのが当たり前だと思います。
提示するものが大きかったら台車を使って運んだり、ちゃんと準備している人が大半だと思うのです。
ただ、まぁ、うっかり持っていくのを忘れてしまうことも、人間ならありますよね(笑)。
ちゃんと準備して授業に臨んだときのほうが効果が落ちてしまったという例の紹介になります(もちろんうちの学校の生徒の場合に限った話なのかもしれませんが)。
ケースA:提示用の教具を忘れていってしまった場合のお話
そもそもは、本当に、ついうっかり提示用の教具を持っていくのを忘れてしまったのです。
もちろん、ある程度教員としての経験を積んだからこそ故に、その場で思いついたほどよい問題を(理科室に教具を取りに行くための)時間稼ぎの手段として提示して急いで教具を取って教室に戻るわけなんですけれど。
教室を離れる場合にはただ待機を命じるだけではなく、課題(とか時間を浮かさないようにする指示など)を与えておいて考えさせるようにしておく、というのは中堅教員以上だと当たり前のお話だと思います。
そして、その課題についても、経験に応じて生徒の状況を把握してタイムリーなものを提示できるようになっていくのだと思うのです。
で、まぁ、大人(教員)の目がないと、喋らないでやるのは難しい場合もあるのだとは思うのです。
もちろん、生徒指導の一環という側面を重視して無言で考えさせるということに重点を置く場合もあると思います。
私がその場で思いついた問題は、上位3~4割の生徒が出来るかな、そのほかの生徒も周囲の手助けがあれば届くかな、というような問題だったのです。
私が出した指示は「隣近所で小声で相談してもいいよ(ただし他クラスの迷惑にならないように)」というような指示を出して教室を後にしました。
でもこちらの想定通り、そこそことなり近所で相談しながら、大半の生徒(7~8割)の生徒はできていたような印象でした(もちろん、残りの生徒のために解説はしています)。
それはそれで不測の事態だったとはいえ、よくまとめられたなぁ、と思ったのです。
ケースB:提示用の教具をちゃんと持っていった場合のお話
私の中では、提示用の教具を教室に持っていくのを忘れてしまうというのはそもそも教員としてやっちゃいけないことだと思っていたのです。
当然、前の反省をいかして次の授業ではちゃんと提示用の教具を教室に持っていくわけですよ。
ところが。
なんだかんだで先の授業で提示した上位3~4割の生徒ができそう(話し合えば7~8割の生徒が解けそう)な問題が良かったので、教具を持っていったクラスにも出してみたのです。
教室には私がいるので、生徒は黙って解くわけなのですが、意外に筆が進んでいない様子。
そこで「となり近所で相談してもいいよ」と指示は出すのですが、それでもやはり大人(教員)の目があるので、どこか遠慮がちというか、話し合い活動も活発じゃない空気感が漂っていたのです。
私「なぁ、俺、教室にいないほうが話し合いとかもしやすい‥?」
生徒「ちょっと教室の外に出ててもらってもいいっすか(笑)」
ということで、他クラスの迷惑にならないような大声で話し合いをしていないかだけ気にするために教室の外の廊下で確認しておいて、ある程度の時間が経ったのを見計らってから教室に戻って授業を進めたのですが、そちらのほうがスムーズだったんですよね。
結論
今回は、偶然、話し合い活動をしたほうが効果がありそうな問題を私が作って提示してしまったことが原因だったのかもしれません。
あるいは、私が勤務している学校が話し合い活動が適したレベルだったのかもしれません。
いろんな複合的な要素があるのは置いておいて、大人(教員)が教室内で指示を出し続けるよりも、大人の目がなくて(少し自由な雰囲気で)話し合い活動をしたほうがよかった‥というような例になりました。
その結果、私はどうしたか。
残りのクラスでは、意図的に提示用の教具を忘れていくということを行いました。
正確には、廊下の棚の上に教具を置いておいて、理科室まで取りに戻るふりをして、他クラスの迷惑にならないように注意だけしておいて、少し時間が経ったのを見計らって、教具とともに教室に戻るということを行いました。
少しモヤモヤするような気もしますし、思うところがある方もいらっしゃる方もいるかもしれませんが、あくまで1つの例として紹介させていただきました。