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『新訂第5版 図解・表解教育法規―“確かにわかる”法規・制度の総合テキスト』

 現在、学校現場の実態に非難が集中し、法令遵守の大合唱が起こっている。(中略)
 だが、そもそも教員には、教育法規を日常的に学ぼうとする習慣がない。本格的に学習するのは、採用試験の時以来であろう。代表的な「教育六法」を開いてみても、難解な用語や言い回しに圧倒され、すぐに睡魔が襲ってくる。これでは、リーガルマインド(法的教養)が身につくはずもなく、いつまで待っても学校現場に「法の番人」が現れることはない。

 本書『図解・表解教育法規』は、そんな悩みを抱えた学校現場への応援メッセージである。「限られた時間で、必要最低限の教育法規を確実に押さえたい」、「目まぐるしく変化する教育システムについて、知識のアップデートを図りたい」といった教育関係者にとって、最適なテキストだと自負している。法令遵守の指針として、あるいは学校経営の羅針盤として、是非、本書を活用してもらいたいと思う。
                  (本書「はじめに」より抜粋)


「六法」で条文を読んで本当に理解できますか?
教育法制の全体像から法令の解釈まで、図と表でイメージしながら楽しく確実に学べる!

★第4期教育振興基本計画、こども基本法とこども大綱、改正教育公務員特例法による新たな研修制度、個人情報保護法の改正、学校教育の情報化、生徒指導提要の改訂、その他最新の教育法制、行政調査等に基づき大幅改訂。教育法規・制度のポイントを図と表で明示し、丁寧に解説。

★学校管理職選考・教員採用試験で出題頻度の高い重要項目を網羅。初めて教育法規を勉強する人にも、学校・教職員のコンプライアンスの推進・研修にも最適の一冊。「教育法規」の押さえるべきポイントが明確に分かり、効率よく学習が進められます。特に、法律・制度に関する学習を負担に感じる方にはオススメです。


[本書の構成]
◆第1章 教育法規を学ぶ前に
教育法規の体系を理解するためには、法令の読み方や裁判官が具体的な事件を扱う際に基準とする法源等、基本的な知識が必要となります。
第1章では、教育法規を学ぶうえで必要となる最低限の法的知識について、整理しています。

1 法令の読み方
 法律の名称/法律番号/見出し/条・項・号
2 法源と法体系
 制定法/判例法/慣習法/条理
3 法律用語の基礎知識
 公法と私法/一般法と特別法/前法と後法/本則と附則/「みなす」と「推定す」/善意と悪意/直ちに・速やかに・遅滞なく/適用と準用/無効・取消・撤回/「以上」と「超える」/公布と施行/「又は」と「若しくは」/「及び」と「並びに」/遡及適用/規定と規程/「科す」と「課す」/科料と過料

◆第2章 教育法規の体系とトレンド
近年の教育法規の変化は著しく、それゆえに、教育現場に身を置く全ての者は、この変革に無頓着のままではいられません。今後、教育現場の方向性を規定する教育法規について、その基本構造を理解しておく必要があるといえます。
そこで第2章では、学校教育に関わる必要最低限の教育法規に絞って、現時点における骨格と特徴を整理しています。

1 教育基本法
2 日本国憲法
3 学校教育法
4 教育職員免許法
5 地方教育行政の組織及び運営に関する法律
6 地方公務員法
7 教育公務員特例法
8 学校保健安全法
9 私立学校法
10 生涯学習振興法
11 社会教育法

◆第3章 《図解・表解》教育法規・制度 
第3章では、学校の管理・運営上必ず押さえておきたい重要96項目をピックアップし、1項目見開き2ページで図と表とともにわかりやすく解説しています。

第3章《図解・表解》教育法規・制度は、以下の構成となっています。

〔学校組織〕
校長の職務と権限/副校長の職務/教頭の職務/校長・副校長・教頭の資格要件とその緩和/主任制度/主幹教諭・指導教諭/養護教諭の職務/栄養教諭の職務と食育の推進/司書教諭の職務と学校司書/支援スタッフの新設/スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー/校務分掌/職員会議の機能
〔組織運営〕
勤務時間の割振り/時間外勤務と教職調整額/勤務時間の上限と1年単位の変形労働時間制/授業日・休業日/休日・週休日・休業日(狭義)/有給休暇と無給休暇/年次有給休暇と時季変更権/育児休業制度/学校評議員/学校運営協議会(コミュニティ・スクール)/学校評価/選挙権年齢の引き下げと政治的中立/学校の臨時休業/会計年度任用職員/社会人活用のための免許制度/学校施設の目的外使用/学校の個人情報管理―個人情報保護法―/学校教育の情報化/職員団体
〔教育行政〕
教育基本法/教育振興基本計画/教育委員会の組織・機能/教職員の人事権/校長の意見具申権/学校選択制と就学校の変更/生涯学習・社会教育
〔教職員〕
教員の身分と職務/教員の服務/人事評価/教員の分限処分と懲戒処分/指導が不適切な教員の人事管理/教員の研修体系/研修記録等の義務化/初任者研修/中堅教諭等資質向上研修/修学部分休業・自己啓発等休業・大学院修学休業/教員免許状の種類と失効要件/教職大学院の役割・機能/公務上の災害と災害補償/セクシュアル・ハラスメントの防止/パワーハラスメントの防止/教員による性暴力の防止
〔教育課程〕
平成29・30年版学習指導要領の要点/学習指導要領の法的拘束力と基準性/道徳の教科化/教科書の使用義務/教科書採択制度/デジタル教科書/補助教材の使用と著作権/全国学力・学習状況調査/義務教育学校・小中一貫教育/中高一貫教育/他校種免許状による専科担任/個に応じた指導と少人数学級編制/キャリア教育/人権教育
〔児童生徒〕
こども基本法とこども大綱/こども家庭庁/就学義務と就学援助/指導要録の取扱い/生徒指導提要の改訂/懲戒の範囲と体罰/児童生徒の出席停止/いじめの防止等の法制化/いじめの防止等と学校の責務/いじめの重大事態への対処/ネットいじめへの対応/不登校対策/児童虐待への対応/少年法制
〔保健・安全〕
健康診断/学校給食と食物アレルギーへの対応/学校事故における法的責任/災害共済給付/安全点検・子どもの安全確保/災害安全(防災)
〔特別支援教育〕
就学手続き・認定特別支援学校就学者/障害者差別解消法と合理的配慮/発達障害者支援法と学校の取組/特別支援学校/特別支援学級と通級による指導/特別支援学校教諭免許状/特別支援教育コーディネーター


第4章、第5章では、学校の管理運営上参考となる重要判例、関連通知などを精選して収録しています。

◆第4章 ケーススタディ ―学校教育紛争

1 全国一斉学力テストの適法性
2 学習指導要領の法的拘束性
3 君が代伴奏職務命令の妥当性
4 卒業式におけるビラの配布と表現自由
5 剣道実技履修拒否による原級留置処分
6 教育的指導と有形力の行使
7 朝自習時間中の事故と国家賠償
8 落雷の予見可能性
9 懲戒処分における裁量とその限界
10 公務外認定処分取消請求事件
11 学校給食事故と国家賠償
12 校内強姦事件と学校の安全配慮義務
13 熱中症による死亡と教員の安全配慮義務
14 研修旅行中の体罰死
15 体罰教員に対する求償権の行使
16 保護者の損害賠償責任
17 国歌斉唱時起立職務命令

◆第5章 教育法制関連資料

○「教育基本法の施行について(通知)」
○「地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律について(通知)」
○「教育公務員特例法及び教育職員免許法の一部を改正する法律等の施行について(通知)」
○「体罰の禁止及び児童生徒理解に基づく指導の徹底について(通知)」
○「犯罪行為として取り扱われるべきと認められるいじめ事案に関する警察への相談・通報について(通知)」
○「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」

【著者紹介】
坂田 仰 日本女子大学教授 〔専攻分野〕公法学・教育制度論
黒川雅子 学習院大学教授  〔専攻分野〕教育実践論・教育法規
河内祥子 福岡教育大学教授 〔専攻分野〕教育法規・教育実践論
山田知代 立正大学准教授  〔専攻分野〕教育制度・教育法規

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