第6回 クラウド活用で教員同士がさらにつながる!
● 「夏の思い出」
前回の記事は夏休みの初め頃を想定して書きました。今回は夏休みの終わり頃になるでしょうか。本当に時間が経つのはあっという間ですね。
例年以上に暑い日が続いていますが、みなさんは素敵な「夏の思い出」はできましたか。
「夏の思い出」の1つになればと思い、前回、Google ClassroomやMicrosoft Teamsなどの学習支援ソフトを校務で活用する方法を紹介しました。いかがでしょうか。この休みの間に挑戦し、活用できたでしょうか。
「あ、忘れていた……」という方も大丈夫です。これから一緒に挑戦すればいいのです。しかも今回は、さらに便利な方法を紹介します。
● さらに多くの人とつながるために……
この夏休みに、教育委員会等が主催する研修会に参加された方も多いことでしょう。地区で行われる研修会は、他校の教員とともに学ぶことができる絶好の機会です。
そのため、年に数回だけ集まって終わり! とするのは非常にもったいないんです。普段から他校の教員とつながって情報共有をすることで、もっと多くの学びが生まれるのですから。
では、せっかくのこの機会を生かすにはどうしたらよいか。
方法の1つとして、本noteで再三にわたり紹介しているクラウド活用、すなわちGoogle ClassroomやMicrosoft Teamsなどの学習支援ソフトの活用があります。
前回お示しした校内の教職員だけのチームを作るのと同じように、他校の教員とも合同でチームを作ることができます。
同じ教科の教員の集まりならば「〇〇地区数学研究チーム」、校長だけの集まりならば「R6校長会」という名前でどうでしょう。
チームさえできてしまえば、普段からのやりとりが可能になり、次のような活用を始められます。
チャット(投稿)による情報共有
資料、指導案、教材などの実践例のデータ共有
例えば「〇〇の単元の授業では、どんな教材をつかっていますか?」とチャット(投稿)すれば、他校の教員からアドバイスをもらえます。
さらには研究授業の指導案をチャット(投稿)して、チームみんなで共同編集して意見を出し合うこともできます。
これまでリアルで集まってやっていたことを、それぞれの職場からできるようになるのです。移動時間(そして交通費も!)もかかりません。
私が神戸市教育委員会事務局の指導主事をしていたときには、神戸市全体でICT活用について情報を共有するチームをつくりました。
そこには小学校、中学校、高等学校、特別支援学校など全校種の教職員が参加。下記がそのチャット画面になります。
参加者は1,000人を超えていましたので、やりとりや情報共有がしやすいように、テーマごとにチャネルを設定したりもしました(画像左下参照)。
ちなみに、この中で一番盛り上がった(盛んにやりとりがされていた)チャネルはどれだかわかりますか?
それは「お悩み相談ルーム」。
先生方からの投稿は、授業や校務でのICT活用に関する悩みや質問だけでなく、研修や整備面のことなど、幅広い内容でした。
校内で質問したけど解決しなかったことや、今困っている・悩んでいることがたくさん出てきたのです。
最初は担当の指導主事が返事をしていましたが、次第にチームの参加者同士で質問に答え合うようになっていきました。
そうなると、助け合いの場面がどんどん生まれていきます。
その様子は、子ども同士で学び合う「協働的な学び」や、「主体的・対話的で深い学び」に近づく授業の一場面のようでした。
子どもも教員も、困ったことやわからないことを共有することでお互いの学びがより深まっていくようです。
これが学校を超えてチームをつくるメリットの1つです。
クラウドを活用することで情報共有が簡単にできて負担も少ないうえ、他校の教職員とつながって学び合いができるようになっていくのです。
まずは他校の先生とチームをつくってみましょう。