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第9回 生成AIをさらに知ろう!
● 何度も失敗しながら……
先日、近所の公園を歩いていると、自転車に乗る練習をしている親子の姿がありました。補助輪を外すとたいていの子どもはすぐには乗れず、その子どもも何度もこけながら、練習をしていました。
私が見ている間には成功しませんでしたが、挑戦を続けていつかは乗れるようになるのでしょう。そうすると自転車は、日々の生活の心強い相棒になってくれます。
何度も挑戦すること。
これは生成AIの活用においても同じだと、私は考えます。
● まずは必要な場面から!
総務省の国民向けアンケート結果を見てみると、生成AIを使っていない理由の多くは「使い方がわからない」「自分の生活には必要ない」からでした。
ちなみに「情報漏洩、安全性、セキュリティに不安がある」と回答した割合は低いようです。
「使い方がわからないから使わない」ことは、誰しも思い当たるふしがあるのではないでしょうか。
しかし、子どもの頃の自転車も、大人になってからの自動車も、「自分の生活で必要だ!」と思ったから、乗れるように何度も練習したり、教習を受けて免許を取得したわけですよね。
やはり人の心理として、必要性を実感できる場面がないと、新しいことにはなかなか取り組みにくいものです。
それでは私たち教職員、とくに管理職の日々の仕事の中で、生成AIが必要となりそうな場面を考えてみましょう。
その1つに「学校だより」などの文章を書くことがあります。
机やPCのモニターに向かっていきなり書き始めるのではなく、まずは生成AIに参考例の作成をお願いしてはどうでしょうか。
試しに、ChatGPTに次のようにお願いしてみました。
校長として、11月号の学校だよりの文章を書いてください。先月の音楽会のことをメインに書いてください。
すると、次のような文章をすぐに書いてくれました。
**学校だより 11月号**
親愛なる保護者の皆様
11月に入り、秋の深まりを感じる季節となりました。日々の学びの中で、子どもたちは元気に成長しています。
先月、私たちの学校で開催された音楽会は、大成功を収めました。子どもたちの一生懸命な姿勢と、心を込めた演奏・合唱は、観客の皆様の心を温かく包み込んでくれました。各学年がそれぞれのテーマで演目を披露し、特に高学年のパフォーマンスには、多くの感動の声が寄せられました。
この音楽会は、日頃の学習の成果を発表する貴重な機会であるだけでなく、仲間との絆を深める場でもあります。子どもたちがステージ上で輝く姿は、私たち教職員にとっても大きな喜びでした。準備や練習を支えてくださった保護者の皆様に、心より感謝申し上げます。
今後も、音楽や芸術を通じて、子どもたちの感性や表現力を育んでいきたいと考えています。次回のイベントもぜひ楽しみにしていてください。
引き続き、皆様のご支援とご協力をお願い申し上げます。
校長[校長の名前]
いかがでしょうか。このまま使用するわけにはいきませんが、文章の叩き台としては十分ではないかと思います。
これを参考にして自分なりの文章を書くことで、時短にもなり、よりよい内容に仕上げることができます。
● 鍵を握るのはプロンプト(命令、質問)
生成AIの必要性を実感できる場面として、今度は挨拶文を考えてもらいます。ChatGPTに次のようにお願いしてみました。
では、12月の終業式での校長の挨拶を考えてください。運動会、音楽会、遠足などのことを話したいです。
すると、次のような挨拶を考えてくれました。
**終業式 校長挨拶**
親愛なる皆さん、保護者の皆様
本日は、2024年度の終業式にお集まりいただき、誠にありがとうございます。あっという間に一年が過ぎ、今日こうして皆さんと共にこの瞬間を迎えられることを大変嬉しく思います。
今年も、運動会や音楽会、遠足など、さまざまなイベントを通じて子どもたちが大きく成長する姿を見守ることができました。運動会では、チームワークの大切さを学び、全力で競い合う姿が印象的でした。保護者の皆様のご協力により、素晴らしいイベントとなったことを心から感謝申し上げます。
音楽会では、子どもたちが心を一つにして美しいハーモニーを奏で、多くの感動を与えてくれました。準備や練習を支えてくださった皆様のおかげで、素晴らしいステージを作ることができました。子どもたちの成長と笑顔が、私たちの励みです。
また、遠足では自然の中での貴重な体験を通じて、友情を深めたり、新しい発見をしたりすることができました。日常の学びだけでは得られない、心に残る思い出を作ることができたと思います。
来年も、子どもたちが様々な経験を通じて成長していく姿を見守り、支えていきたいと考えています。皆様のご理解とご協力を引き続きお願い申し上げます。
最後に、今年一年の努力を称え、心からの感謝を込めて、皆様に良いお年をお迎えいただけることを願っています。
ありがとうございました。
校長[校長の名前]
いかがでしょうか。こちらは少し修正が必要ですね。では、どうすればいい回答を得られるのか。
その鍵は、プロンプト(質問、命令)にあります。プロンプトを次のように修正してみました(太字が追加部分)。
では、12月の終業式での校長の挨拶を考えてください。子供たちに向けて話をします。運動会、音楽会、遠足などのことを話したいです。力を合わせる、ということをキーワードにしてください。
すると、こんな答えが返ってきました。
**終業式 校長挨拶**
皆さん、おはようございます。
今日は、2023年度の終業式です。この一年を振り返りながら、みんなにお話ししたいことがあります。それは、「力を合わせる」ということです。
今年、私たちはたくさんの素晴らしいイベントを経験しました。運動会では、みんなが一緒に力を合わせ、チームとして頑張りましたね。お互いを応援し合いながら、勝利を目指して走り抜けた姿が、とても印象に残っています。
音楽会では、各学年の子どもたちが心を一つにして、美しい音楽を届けてくれました。みんなで練習を重ねて、最高のパフォーマンスを披露できたのは、まさに力を合わせた結果です。音楽の力で、会場が一つになった瞬間は、私もとても感動しました。
そして、遠足では、友達と協力して楽しい思い出をたくさん作りましたね。自然の中で新しい発見をし、お互いに助け合いながら素晴らしい時間を過ごしました。
これらの経験を通じて、みんながどれだけ大切な仲間であるか、力を合わせることの素晴らしさを感じたと思います。これからも、友達と協力し、助け合うことを忘れずにいてください。
新しい年も、みんなの力を合わせて、もっと大きな夢を叶えていきましょう。楽しい冬休みを過ごし、元気な姿で新学期に会えることを楽しみにしています。
それでは、良いお年を迎えてください。ありがとうございました。
このようにプロンプトを少し修正するだけで、こちらの意図にグッと近づきました。
しかし、この挨拶をそのまま使おう、というわけではありません。これを土台にすることで、よりよいものができるのではないか、ということです。
その可能性を実感するためには、まず使ってみることです。生成AIにいろいろな質問をぶつけてみましょう。
自転車の練習をしたときのように、最初はうまくいかなくとも、何度も挑戦することが大切です。
そうすると、生成AIはあなたの生活に欠かせない相棒になってくれるでしょう。