● 何度も失敗しながら……
先日、近所の公園を歩いていると、自転車に乗る練習をしている親子の姿がありました。補助輪を外すとたいていの子どもはすぐには乗れず、その子どもも何度もこけながら、練習をしていました。
私が見ている間には成功しませんでしたが、挑戦を続けていつかは乗れるようになるのでしょう。そうすると自転車は、日々の生活の心強い相棒になってくれます。
何度も挑戦すること。
これは生成AIの活用においても同じだと、私は考えます。
● まずは必要な場面から!
総務省の国民向けアンケート結果を見てみると、生成AIを使っていない理由の多くは「使い方がわからない」「自分の生活には必要ない」からでした。
ちなみに「情報漏洩、安全性、セキュリティに不安がある」と回答した割合は低いようです。
「使い方がわからないから使わない」ことは、誰しも思い当たるふしがあるのではないでしょうか。
しかし、子どもの頃の自転車も、大人になってからの自動車も、「自分の生活で必要だ!」と思ったから、乗れるように何度も練習したり、教習を受けて免許を取得したわけですよね。
やはり人の心理として、必要性を実感できる場面がないと、新しいことにはなかなか取り組みにくいものです。
それでは私たち教職員、とくに管理職の日々の仕事の中で、生成AIが必要となりそうな場面を考えてみましょう。
その1つに「学校だより」などの文章を書くことがあります。
机やPCのモニターに向かっていきなり書き始めるのではなく、まずは生成AIに参考例の作成をお願いしてはどうでしょうか。
試しに、ChatGPTに次のようにお願いしてみました。
すると、次のような文章をすぐに書いてくれました。
いかがでしょうか。このまま使用するわけにはいきませんが、文章の叩き台としては十分ではないかと思います。
これを参考にして自分なりの文章を書くことで、時短にもなり、よりよい内容に仕上げることができます。
● 鍵を握るのはプロンプト(命令、質問)
生成AIの必要性を実感できる場面として、今度は挨拶文を考えてもらいます。ChatGPTに次のようにお願いしてみました。
すると、次のような挨拶を考えてくれました。
いかがでしょうか。こちらは少し修正が必要ですね。では、どうすればいい回答を得られるのか。
その鍵は、プロンプト(質問、命令)にあります。プロンプトを次のように修正してみました(太字が追加部分)。
すると、こんな答えが返ってきました。
このようにプロンプトを少し修正するだけで、こちらの意図にグッと近づきました。
しかし、この挨拶をそのまま使おう、というわけではありません。これを土台にすることで、よりよいものができるのではないか、ということです。
その可能性を実感するためには、まず使ってみることです。生成AIにいろいろな質問をぶつけてみましょう。
自転車の練習をしたときのように、最初はうまくいかなくとも、何度も挑戦することが大切です。
そうすると、生成AIはあなたの生活に欠かせない相棒になってくれるでしょう。