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中心人物の気持ちの変化を折れ線グラフで表す(国語科✖️算数科)

「サーカスのライオン」について

 今回は、小学3年の国語科の実践について書いていこうと思います。使用した教科書は東京書籍。教材は、「サーカスのライオン」(ポプラ社)です。

 あらすじは、サーカスで火の輪くぐりをやっている年老いたライオンのじんざが、男の子との出会い、元気付けられていく。サーカスの最終日の前夜に男の子の家が火事になり、じんざは男の子を助けるも、亡くなってしまう、という感じです。

「サーカスのライオン」の単元目標

 単元の目標は、「登場人物の気持ちの変化や性格、情景について、場面の移り変りと結び付けて具体的に想像し、物語の中心人物について考えることができる。」です。子どもたちには「中心人物を見つける」という目標で伝えました。

 今回は、単元目標の「登場人物の気持ちの変化や性格、情景について、場面の移り変りと結び付けて」のところを工夫したワークシートを活用してみました。「工夫」というのは、「気持ちの変化を折れ線グラフで表す」ことです。

下がそのワークシートです。

「サーカスのライオン」のワークシート

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 男の子との関わりの中で、ライオンのじんざの気持ちが変化していく。このことを子どもたちに気づかせるためにどうしたらよいか考えた結果、上はライオンのじんざ、下は男の子との関わりについて場面ごとに整理し、その間に「じんざの気持ちおれ線グラフ」で気持ちの変化を書き込めるようにしました。

 気持ちは複雑で、しっくりくるものが浮かばなかったので、「よい」「わるい」という簡単な言葉にしました。


実際の授業の様子

 さて、実際の授業はどうなったかというと、自分の思った通りに近い展開になりました。つまり、成功したかなと。

 まず、場面ごとに整理するのは、前時までのノートや板書で振り返りながら行ったので、さらっと流れました。じんざが亡くなった後の場面も、天国から見守っているじんざの気持ちや男の子が最後のサーカスを見に来ていたらと想像して書きました。

 その後、みんなでじんざの気持ちの変化を考え、折れ線グラフで表しました。「始めは、だるそうにしていたから「わるい」で、初めて男の子に出会った時に少し気持ちが上がる。その後は・・・」というように、子どもたちは、ワークシートの上下の根拠を元に気持ちの変化を折れ線グラフで表していました。

 ほとんどの子が似たような折れ線グラフになり、学級全体でも場面ごとの気持ちの変化はこうだね、と確認することができました。

 

 授業後、

・じんざの気持ちの変化と男の子との関係とを関係付けれたこと

・簡単に中心人物(ライオンのじんざ)の気持ちの変化に気付けること

がスムーズにできたのも、「じんざの気持ちおれ線グラフ」の工夫があったからかなと思いました。

その後も、「じんざが大切に思っていた男の子」「家族のように大切な人」というように、じんざの男の子に対する想いも変化していることに気付いた子がいてすごいなと感心しました。と同時に、「じんざの気持ちおれ線グラフ」のおかげかなと勝手に嬉しくなりました。

「いばスタ小学校」の実践例

 また、このような実践をしている人いるかなーと調べてみると、Youtubeで「いばスタ小学校」というチャンネルで似たようなものがアップされていました。

 そことの違いとしては、見た感じ

・毎時間ごとに気持ちの変化を折れ線グラフで表している

・気持ちは「嬉しい」「悲しい」

ということなどでした。見つけた時は、同じように考えた人がいたんだと親近感がわきました。

おわりに

さて、以上が中心人物の気持ちの変化を折れ線グラフで表すという私の実践でした。折れ線グラフ自体は、4年の算数で習うものですが、変化が分かりやすいというメリットを国語科で活かしてみました。

 子どもたちからも「折れ線グラフ面白い。」という声があったので、これからも国語科で折れ線グラフをちょこちょこ使っていこうかなと思います。

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