認可外保育施設ってどんな施設?
制度としての認可外保育施設
認可外保育施設はその名称のとおり認可"外"の施設ですので、認可されていない保育施設の総称となっています。
認可されていないので、基本的に公的なお金は入らず、独自に運営する必要があります。そのため、入園の申込・契約は直接園とやり取りしますし、保育料も独自に設定された金額を支払うこととなります。
認可外保育施設は、認可されていない施設といえど、一定の管理監督を受ける施設となっています。
まず、認可外保育施設を設置する場合は、都道府県等に届出をする必要があり、これは、設置後1カ月以内に行わなければいけません。
(届出を怠っていることが判明した場合、罰則的な金額を徴収される場合があります。)
この届出が提出された後は、管轄の自治体によって定期的に立入調査が行われたり、年に1度運営状況を自治体に報告することとなります。
守るべき基準はどのようなものがあるの?
認可外保育施設だと何でも自由に運営できるかというとそうではなく、大切な命をお預かりする施設である以上、一定の基準を守る必要があります。
その基準を「認可外保育施設指導監督基準」といいます。
※こども家庭庁のリンク先を参考に以下に記載します。
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/1b9d7664-123f-45d6-aea0-b6fbaf7ff788/f3875af9/20230401_policies_hoiku_ninkagai-tsuuchi_17.pdf
詳細は省きますが、子どもの数に対してどのくらいの職員が必要か、その職員はどのような資格が必要か、面積はどのくらい必要かなど、認可施設の基準をベースに、一部認可外保育施設独自の基準で構成されています。
自治体による立入調査は、この基準に各施設が適合しているかチェックする役割があります。
原則、年に1度は立入調査を行い、基準の適合状況を判定しますが、自治体によっては認可外保育施設の数が膨大になるため、年に1度の立入調査ができていない自治体もあるのが現状です。
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/1b9d7664-123f-45d6-aea0-b6fbaf7ff788/9d68d84f/20240829_policies_hoiku_ninkagai_tsuuchi_24.pdf
(私の所属する自治体も、昔は2年に1度しか立入調査ができていませんでしたが、私が担当してから年に1度に改善し、今は適切な頻度で立入調査を実施しています。ただ、施設数が増えたらどこまで丁寧にできるか、現状の人員体制では不安があるのも事実です)
基準を守っている施設はどうすればわかるの?
立入調査により、基準への適合状況を確認しているとお話ししましたが、どの施設が基準に適合しているか、どう調べればよいかについてお話ししたいと思います。
立入調査の結果、指導監督基準に適合していることが判明した場合、自治体から「認可外保育施設指導監督基準を満たす旨の証明書」という証明書が交付されます。
逆に言えば、この証明書が交付されていない施設は、基準を満たしていないということとなります。
この証明書は、施設に掲示等されている場合もありますし、各自治体のホームページで公表されている場合もありますが、全国共通で検索する方法としては「ここdeサーチ」という検索システムにより、確認することも可能です。※リンク先は以下のとおりです。
ここdeサーチは、国が構築したシステムとなっており、認可外保育施設のほか、認可施設についても網羅して掲載されています。また、お住いの自治体以外の全国の施設が検索できるため、お引越し等の予定がある方は、引っ越し先の状況を検索することも可能です。
この、ここdeサーチに認可外保育施設については証明書が交付されているかどうかが記載されています。
これはある認可外保育施設の掲載内容ですが、このように証明書の交付年月日が入っている施設は基準を満たしていると考えてかまいません。
なお、別の機会に説明したいと思いますが、認可外保育施設が保育料無償化の対象となるためには、この証明書が交付されているかどうかが基準となりますので、入園先を選ぶ際はお気をつけください。
その際は前回の記事でも触れた、以下のリンク先も参考にするとよいかと思います。
ここからは余談ですが、最近も認可外保育施設で死亡事故が発生するなど、私もこの仕事をするまでは認可外保育施設に対する印象は悪かったですし、一般的にもどんな施設なの?という疑問から、ニュース等で受けた印象で、好印象な方は少ないかもしれません。
ただ、実際に各施設の立ち上げから立入調査までお付き合いする中で、認可施設ではカバーしきれない需要に対し、真摯に向き合い対応いただいている施設も存在しており、一概に認可外保育施設だからこうという色付けはできないなと感じています。目の前で困っている人を何とかしたい、その思いが見える施設は、基準を満たすことに対しても前向きに捉えていただけることも多く、こちらとしてもありがたく感じています。
そうした施設が継続して運営できるような支援策があればと思いますが、基本的には認可に向けた支援が多く、地方ほど需要に対する施設数が過剰傾向で施設余りな中、認可施設とするハードルは高い印象があるため、難しいのが現状です。自治体独自で支援するにしても、限りある予算を振り分ける関係上、なかなか厳しいということも悩ましい点です。
余談が過ぎましたが、次回は認可外保育施設についてもう少し触れたいと思います。