民法改正 英語版概要資料(法務省HPより)

民法改正に関する法務省HPを確認していたところ、以前はなかった英語版、フランス語版の概要資料が追加されていることを発見しました。

法務省HP

英語版概要資料:

https://www.moj.go.jp/content/001421487.pdf

フランス語版概要資料:

https://www.moj.go.jp/content/001421488.pdf

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英語版概要資料を翻訳し(翻訳ソフトにつっこみ)ました。

【背景】
A. 問題点

  • 子どもの養育に深刻な影響。

  • 子どもの養育環境の多様化。

  • 離婚した親が養育費の支払いや親子の面会交流について合意する可能性が低い。

  • 離婚した親が、子どもを適切に育てる責任を果たすことが求められる。

B. 立法プロセス

  • 2021年2月: 法務大臣による法制審議会への諮問

  • 2024年2月:法制審議会答申

  • 2024年3月:閣議決定 法案の閣議決定

  • 2024年5月:国会承認・公布

  • 公布後2年以内に施行予定。

【I. 親の責任】

  • 改正民法 その他関係法令(改正法)等に基づく

  1. 子に対する両親の責任は、婚姻の有無にかかわらず、子の最善の利益のために果たされるべきである。

  2. 両親は以下を尊重する義務がある

  • 健全な心理的・身体的発達のための子の人格を

  • お互いに協力し合えるように、お互いの人格を

【II. 親責任と親権】
A. 離婚後、誰が親権を行使すべきか?
 1. 両親が協議で離婚する場合、親としての責任を共同で行使するか、片方の親に割り当てるかについても協議することができる。
 2. 親権について協議が調わない場合、裁判所は共同親権または単独親権を認めることができる。
 3. 両方の親に親権を認めることで子供の利益が損なわれる場合、裁判所は一方の親に親権を認めなければならない。これには以下が含まれる:

  • 共同親権を認めることで、子どもへの虐待や身体的・心理的DVを引き起こす可能性がある場合

  • 共同親権は、その状況では現実的ではない。

     4. 誰が親としての責任を持つかを変更する際、裁判所は、両親がどのように合意に至ったかを含む様々な要素を考慮し、合意が子どもの最善の利益のためになされたことを確認する。

B. 父母双方に親権が認められた場合、親権はどのように行使されるべきか?改正法では
 1. 原則として、親権は共同で行使される。
 2. 以下の場合は単独で行使できる:

  • 家庭内暴力や虐待から逃れるため、または緊急に治療を受けるためなど、子どもの最善の利益のための緊急の状況。

  • 子どもの身の回りの世話など、子どもの監護や教育に関連する日常事項
     3. 両親の間で親としての責任を行使する上で対立がある場合、両親はその対立を解決するために裁判所の手続きに頼ることができる。

C. 子供の親権
改正法では、以下のルールが定められている。
-親権の共有と、
-親権者の権利と義務

【III. 養育費の支払い】

  • 養育費の支払いを確実に履行するために、改正法は、離婚した親(債権者)ができる新しい法的手続きを導入した:
     1. 優先権(先取特権)により、裁定(債務者に支払いを命じる司法判断)なしに強制執行手続きを開始する。
     2. 両親の間で養育費の支払いについて合意がない場合でも、養育費の支払いを求める。
     3. 強制執行申請や資産開示手続を含む司法手続をより効率的に利用する。

IV. 親子の交流

  • 改正法では、安全・安心な親子の面会交流を確保するため、親子交流の類型別に以下のようなルールを新設した:
     1 試行的親子交流:裁判所の決定前または裁判手続きの一環としての調停前の試行的な親子交流
     2 配偶者の親子交流:婚姻しているが別居中の親子面会。
     3 親子面会:子どもと祖父母またはその他の親族との面会。

V. その他の改訂
A. 養子縁組
改正法は、養子縁組と親権に関する規則を以下のように明確化した:

  • 養子の親としての責任を有する者。

  • 15歳未満の養子縁組の要件

B. 財産の分配
離婚後の財産分与について、改正法では

  • 離婚した夫婦が財産分与を求めることができる期間が2年から5年に延長される。

  • 裁判所は、両親の貢献度(これは同等であると推定される)を含む様々な成文化された要素を考慮しなければならない。

C. その他
改正法では、夫婦間の契約や裁判上の離婚事由に関する規定が改正された。
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親権の英訳をどのようにするか国会審議で話題にあがっていましたが、今回の英語版概要では"Parental Responsibilities"になっています。法改正前の法務省資料では"Parental Authority"になっていたので、”親の権威”から”親の責任”という意味合いの言葉に意図をもって変えていると思われます。

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