ピアスのはなし
ピアスを開けてもらうのが好き。人のを開けるのも嫌いじゃない。わたしの耳にはいま合計で7とか8とか開いてるらしいんだけど、塞がったのもあるから、よくわかってない。身体にはまだ開けてなくて、次開けるなら舌か指か首のあたりかなぁって考えてるとこ。軟骨に2つ空いてて、耳たぶに5つくらい。そのうちの3つが人に開けてもらったやつで、どの季節にどこで誰に開けてもらったか、覚えてる。
ひとつは友達に、ひとつ好きな女の子に、ひとつは好きな男の人に。
場所は全部横浜のラブホ。
季節は、夏。
懐かしいなぁって、偶にピアスを弄りながら考える。人に開けてもらった穴がある、というと少し重い感じがするけど、別にそこまで傾倒してるわけでもなくただ漠然と、ほえーって気持ちになるんだよねぇ。当時の気持ちが思い起こされるとか、感傷的になっちゃうってわけでもなく、あーこんなこともあったなーって。
思い出すきっかけとしてはとても綺麗だから気に入っている、だけ。
あ、まぁあとは単純な話。傷つけられる(ピアスの場合物理的には一応傷ついている気がするので)のが好き…?というのが多分ある。元恋人に腕を切ってもらったように、ピアスをあけてほしいなぁって気持ちが不意に持ち上がることがある。自分であけてもいいんだけどねぇ。何となく他人の気まぐれで適当な場所にお願いするくらいがちょうどいいモチベってあるのだ。メニュー決まらない時にとりあえず日替わり定食を選ぶ、みたいな感覚。ピアス開けたいけどどこに開けたいとかは特にないから、まぁおまかせで…っていう。
人に開けてって割と安易にお願いしがちな中で何となく嫌がる人もいて、大体の理由が「痛そう」「怖い」ってことらしいんだけど。別に痛いのも怖いのも私だから気にしなくていいのになぁって思う。そりゃ無理やり身体拘束をされてやられたら嫌…だけど…(大して嫌じゃない気がしたけど一旦は見て見ぬ振りをする)人に穴開ける経験なんてなかなかできないんだからやってみなよ!!って毎回推してる。こっちも懇願するほど滾ってるわけでもないから別にいいんだけどねぇ。
人に開けるのも、嫌いじゃない。別に大したことではないのにとんでもないことをしているような感覚。ちょっと力入れるだけの話なんだけど、なんとなく燃えちゃうなぁ。でもこれ多分、自分の目の前で開けている人がいたとしても、ちょっと内臓に響くんだろうな、とも思う(ビデオ通話しながら開けてた友達もいた)
でもやっぱ、される方がすき。
無責任でめんどくざかりなだけかもしれない。
身体の表面の皮膚をちょっとずつおし拡げて、その中の肉に入って、また後ろの皮膚を貫く。
それだけのこと、それだけのはなし。
どうだろ、誰かあけてみるかい。
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