おもいで
不思議な気持ちを観測した。
結論から言うと、私は私の許可なく勝手にメンタルを操作しているらしいというおはなし。本当は今日だった予定が昨日になって、行くはずだったシーシャはカラオケに変わった。それは全然いい、私の目的はいつだってあの子と楽しく遊ぶこと。会うこと。言葉を交わすこと。
一軒目。このご時世なのに通常営業してくれているお店は、よくないなぁと言う思いと有難い気持ちと、誰も悪くないのになぁという諦めに似た感情になる。お互いに5杯ずつ飲んだ。あの子はスタートのビール以外はハイボール。私はキールで始めてレッドアイ、アマレットジンジャー、テキーラサンライズ、アレキサンダー。久しぶりにちゃんぽんした。それなのに。
うまく、酔えなかった。
カラオケに行ってロング缶を飲む。私は、トイレで寝ていた…?あまりにも記憶がない。気づけば退出時間だったし袋に諸々入れて出た。そう。んん…?結構歌ったし飲んだ、けど3時間の体感がないところを見ると恐らくトイレで気絶していた説が濃厚な気はする。
なんやかんやで終電もないのでタクシーに乗り込み、思ったよりも遠くで降ろされて残念な気持ちで歩き出す。吐き気はあるのに吐けないあの子のことを横目に見ながら、指突っ込んでやろうかしら…と思ったけど単純に苦しくなるようならそれは違うかなぁと思い留まる。
お邪魔したけど私は買い出しの任務があったので鍵だけ預かって家を出る。炭酸水とかおつまみを購入。ふらふらと彼女の家に行くと中からストップが。少し待って入る。お風呂を借りてジャージとTシャツ。だらだら動画とか音楽を摂取していたが、途中でうつらうつらしてしまっていた記憶はある。
あー、この辺で頭乾かしてもらった。いい思い出だ。
覚えていることも思い出せないことも思いたくないことも沢山あるけど、結局楽しかった。物理的に距離が離れてしまうことを知ったから私の中の恋する部分は死んだのかなと思っていたのに(酔い具合的に)朝起きてみたあの子の足の形に愛しさを覚えていたから、恋慕が思い出になるにはもう少しかかるのかもしれないな、と思った。
おしまい。