雑話
あーあ、ねむれないなぁ。眠れない。1時くらいにちょっと寝た気がする。3時半くらいにぱっちり目が覚めてしまって、これはきっと昨日の黒霧島お湯割りのせいかなぁって思った。冴えた意識をもう一度微睡の淵に連れて行こうと思ったけどどうにもならなくて、充電器の刺さったスマートフォンを点ける。流れる文字列。目蓋は何時もよりちょっと重たいけど、閉じるほどではなくて小さな溜息をひとつ。
暖房が出すゆるいモーター音とあったかい風。喉が渇いた気がして昨日購入した紙パックの野菜ジュースをぐいと飲んだ。オレンジの液体が喉に流れていく。こうなってしまうと微睡はさっきよりも遠い場所。煙草でも吸えば少しは眠くなれるかなあ、吸いたいだけかしら。
普段の白い箱ではなくて、最近売り始めた茶色いラクダのパッケージから1本取り出す。暗闇の中で咥えて火をつける。
うわ、まぶしい。
すっかり暗闇に慣れた眼には煙草のさきっぽすらも太陽みたいなもので、またひとつ目が冴えてしまう。太陽が月くらいの眩しさになった頃には煙草の灰も伸びて、早くも味に飽きがきた。これ、あんまり美味しくないけど吸える、くらいの煙草だなぁ。味は赤マルとかラキストとかに近いけど少しんぇってなる感じ。いつもの煙草の良さだか慣れだかを感じて灰皿にぎゅっと押し付ける。ふぁーあ。
欠伸がでて目が濡れる。ぎゅっと瞑ったら目尻に溜まる液体。欠伸は眠い時に出ると思っていたけど緊張してる時も出るらしいね。社会と身体の不一致だな、と思った。面接とか会議とかの畏った場で怒られちゃうじゃんね。外を見ると黒が薄まっている。もうこの夜には留まっていられないらしい。またひとつ、やり過ごせなかった夜が増えてしまった。
眠れなかった日の翌日は夜の続きからみたいになって、テンションとか感覚とか難しい。1日が35時間くらいあるみたいな、朝も昼も夜もなくなる、みたいな。どーしょかねぇ。
なんてことはない、ただの1つの夜のはなし。
おしまい。