Hi!の歌詞の世界

今回は「さまよえる蒼い弾丸」のカップリング曲、「Hi」の歌詞の世界です。
「さまよえる蒼い弾丸」と言えば、イメージ的に「夏」。
そしてそのカップリング曲「Hi」と言えば私の中で「朝」って感じです。
これは一時、目覚まし曲として設定していたということもありますが、とにかく朝からこの曲を聞くと元気を分けて貰える・・・そんな感じがするからです。
だから余計に「朝」というイメージが強いのかもしれません。

そんな「Hi」ですが、歌詞の内容を見てみると「さわやか～」って感じではあまりないんですよね。
出だしは「酔いつぶれて自由を歌う割には」です。
なんだか居酒屋での一場面を切り取って来たような感じがしますね。
これは「銀の翼で翔べ」にも似た感じがしますね。
どっちが先かというと、当然「Hi」なわけですが・・・。

この「Hi」という曲、歌詞の全体を見ると、自由を謳歌したい！と言いながらもルールからはみ出せない「自分」を歌っています。
特に好きなのは「どうどう巡りをしているよ　オリからオリへハシゴして」というところ。
出だしの「酔いつぶれて」にあわせて「ハシゴ」を使っているところとか。
「自由」にあわせて「檻」という単語を使っているところとか、やはり稲葉さんの言葉のセンスの高さを感じることができます。

これは2メロにも受け継がれ2メロの最初では他人が気になってしまう「自分」を歌っています。
しかも「だらだらと時間がこぼれていく」とも歌ってるんです。
この「時間がこぼれる」っていうのがまさにそれ！で、時間を無駄にしていることに焦っている「自分」って自分の手から時間が無意味にこぼれていく感覚がありませんか？
ここで「なくなる」でも「すぎていく」でもなく「こぼれる」というのが焦燥感をかきたててくれるんですね。

そんなちょっとダメな部分もある「自分」ですが、サビでは「あなた」を思い自分を解き放て！と鼓舞しているのです。
1メロと2メロだけの歌詞だとネガティブなイメージですが、これだけで終わらない。
ダメなところもあるけどそれを力にして飛び立とうよ！というメッセージ性のこもった一曲なんですね。
これは落ち込んでいる時に聞くと本当に心に響く。
何がいいって闇雲にがんばれ！と言われるんじゃなく「色々ままならないこともあるけどでも、一歩踏み出そうよ」という優しさがあるからなんですよね。

そんなところがあるからこそ、「朝」に聴きたい一曲でもあります。
朝起きたら「仕事」「学校」「やらなくちゃいけないこと」そんなことが次々と襲ってきます。
でもこの時のBGMが「Hi」だったら腹の底から力が湧いてくる、そんな曲だと思います。