SHINEの歌詞の世界
今回はアルバム「Brotherhood」に収録されている「SHINE」についてです。
曲のテイストはフラメンコみたいだな・・・と思いました(個人の感想です・笑)
ざっくり曲の全ての内容を言うと「光り輝いて行く」ということです。
タイトルの通りですね。
Aメロはまず「愛したいの 消えたいの どうしたいの」と始まります。
そして「胸はうずきやまない」のです。
一体どうした?!と聞きたくなるような入りですね。
ここの部分が終わると曲のテイストも一気に変わり、ガンガンにギターの音が聞こえてきます。
そう、ここからどうしてこんなにも胸がうずいているのか、を教えていってくれるんですよね。
そんなここでの主人公は「晴れ渡る空を眺め 今日も旅の途中」なんだそうです。
この「晴れ渡る空」とか「旅」とか稲葉さんが良く使う言葉で表現ですね。
そんな主人公、「乾ききった心」を持っているんです。
そしてそれを隠しているとも。
なんでこんなにも乾いているのかというと「変わっていく風景の中にお前を見てしまう」からなのです。
大切な人をなくしてしまった、だから心が乾いているんだと。
だからこそ「こみ上げる想いはいつもおんなじ」なんだと。
ここで「同じ」じゃなく「おんなじ」と使うのがまさに稲葉さんの歌詞の特徴ですよね。
なんせ、最初に曲があってそこに歌詞を載せていくスタイルですから。
メロディによっては文字数や表現の仕方に稲葉さんなりのこだわりがあるんですよ。
でも「同じ」と歌うよりも「おんなじ」と歌ってくれた方がなんとなく身近に感じてしまったりして。
ファンとしては嬉しい限りです。
そしてサビでは「切れそうで切れないしぶとい絆」が2人の間にはあると歌っています。
稲葉さんにしては珍しく相手のことを「お前」と乱暴に呼んでいるのもなんだか珍しいところ。
いつもなら「あなた」とか「彼女」とかそういった感じで呼んでいる気がします。
だからこそ、この曲では「お前」と呼ぶことですっごい気になる存在なんだけど、どこかしら憎しみのようなものを感じるんですよね。
なんでこんなにも喉をかきむしるような焦燥感に襲われているのか・・・。
それがBメロから始まります。
ここでは「運命なんだ 二つの人生が交わるのは」と達観したような言葉で始まります。
そしてどんなにそれに逆らったとしても引き寄せられちゃうんだよね・・・と。
だからこそ、自分のSOULを磨いてつや出していこう、としているんですよね。
そうすることで、お互いに「目を奪われあい続けたい」と願っているんです。
離れたいのに絆で結ばれ、しかもそれでヨシとせず一緒に高め合っていきたいというそんな2人の関係性がここで見えてきませんか?
なんでそこまで?と思うのも、このあとに答えがあります。
それは「手エ抜いて生きたら消えていく 脆くて儚い僕らをつつむSHINE」だからなんです。
この「手ェ」って所も、さっきの「おんなじ」と同じですね。
歌詞カードにこうやって書かれているんだから本当に面白いなあと感じます。
そして展開部。
ここでは「どっちが先に逝ってもいい そんな関係」と極論にも近いような歌詞の内容になっています。
そうです。
ここまで言って来たように大きな絆で結ばれて、はかなくて脆いSHINEに包まれている2人。
でも「最後の最後は一人ぼっち」になっちゃうんだと歌っています。
だけど「胸の中にだけおまえがいる」とも。
もしなくしてしまったとしてもそれでも胸の中には「おまえだけ」がいるんですよ。
この「おまえだけ」っていう表現が刹那的で、もどかしくて、ああ、でも好きなんだなあと思いました。
最後は「どこにいようがかまいやしない 悔いなく輝けよ」と結びます。
これは「恋愛」にも当てはまりますが、と同時に、稲葉さんの中にある「音楽」というものとの付き合い方にも当てはまると思いませんか?
すごく好きで一緒にいるけど、でも「音楽」とは一番遠いところにいるような感覚でいつまでも切磋琢磨しあえる仲なんだよ、と。
稲葉さんから見て「音楽」というのは輝く存在で、そして切っても切れない絆があると感じている存在なんだろうなあと、ぼんやりと思ってみたり。
こんな風に思ってもらえる「音楽」っていいなあと思います。
むしろ、「音楽」という無形の存在に嫉妬までしちゃうかも、そんな曲でした。
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