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祭りと共に過ぎ去った春の日々。

あの白銀の景色から、季節は巡って、窓から、溢れんばかりの眩しい緑が迫っている。
日々、刻々と移り変わる季節の色を、この山の装いに眺めている。

中でも愛する山色は、桜の咲くころ。
もくもくと湧き立つような山の色を、脳裏に焼き付けようと必死。
自然の織りなす色々を、絵の具にのせていくことが何よりの喜びです。


今年も描いた、唐招提寺のうちわまきへの奉納画二対も、
萌えいづる春の色。
神々の宿る〝山笑う〟様を描きとめたくて。

〈春雷〉

〈山笑う〉

そして、4月、5月は例によって、祭と共に過ぎていきました。
木ノ本も、春の山を前に、街道を縫うように、賑やかな神輿が出る。
<昨年の様子「木之本に、春の神輿が渡るとき。」>

写真は昨年のもの。
昨年、眺めていたお神輿を、今年は、主人も担がせてもらうことになった。
木ノ本へ移住してから初めての事、人生でも初の経験。
そんな大事な日に、私は別のお祭りごと(蔵開き)でのイベントがあって、その雄姿を見られず。
けれど、準備だけでも、気分が上がる。
新調した白ステテコと白トランクスと足袋。
神社で巫女をしていた頃を思いだしながら。

祭りで着る襦袢は、ご近所さんが快く貸してくださった。
襦袢の肩には、重い神輿を担ぐため、クッションを縫い付ける。前日の夜にちくちくと裁縫していると、祭りに送り出す妻の気分で、なんだかワクワクした。人生で初めて、夫を祭りへ送り出す妻の気持ちを知る。

各町内によって、襦袢と法被の模様が違う。
うちの町内は、白波と鷹、兜、松など、勇壮な柄がふんだんにあしらわれていた。
日々、主人を通して、祭りを通して、地元の人々の誇りと喜びを垣間見ている。
そして、少しずつ、体にしみこむように、土地のいろを知る。

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