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秋日、湖国の酒旅。―2.忍びの里へ―

前回の「秋日、湖国の酒旅。―1.青に浮かぶ町―  」より、ずいぶんと時間が経ってしまいました。
続編を綴る――。

さて、旅の続きは道中の車窓より。

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高島のマキノを後にして、近江今津の「西友」さんで鰻ランチなどを楽しみ、近所の「琵琶の長寿」醸造元・池本酒造さんへ立ち寄ったのだった。先の車窓に写る、おもちゃの酒レプリカは、そのお蔵さんで購入したもの。店頭では、親切な女将さんが試飲を進めてくださり、ついつい時間の許す限りと……

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せわしない滞在に関わらず、寄り道は楽し。
気づけば、限られた本数の列車時刻が迫っていて、慌てて電車に飛び乗った。一路、忍びの里〝甲賀〟へ。次に訪ねるのは、その銘も「忍者」というお酒を醸す瀬古酒造さん。

JR湖西線で琵琶湖をぐるり、京都山科まで戻る。琵琶湖線に乗り換えて草津駅まで。
草津線でのんびりと列車に揺られ、やっと「油日駅」にたどり着いた。

駅に降り立つと、にんにん♪信楽焼狸がお出迎え。

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刀のような兜のような、駅舎のカタチは忍者の姿を表しているそう。
気さくな駅員のおじさんが近隣の観光スポットなど、いろいろと教えてくれる。

駅を出ると、左に向かって真っすぐと(約5分程くらい)歩く。
秋草の風情に目を奪われながら、蔵まで――。

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蔵が見えてきて、急ぎ足になる。

店頭で蔵主の上野さんが出迎えてくださいました。
いつもの酔いどれ信楽狸たちを前に、近況の話は尽きず。
気になっていたイベントの話題や、今期の酒造りの話など。

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ではではと、蔵を案内頂くことに。
酒造りを前に、まだ静まり返っている蔵内――。

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造り本番の緊張感まで、もうすぐだという。

その後、奥の主屋に場所を移して、ゆっくりと試飲をさせていただくことに。

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初めて上がらせて頂いた主屋には、ところどころ気になる作品や誂え。

いつも上野さんとの話題に上る芸術などの世界感が見え隠れしているようで。

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今回は古酒を中心に、貴重な信楽焼の酒器も楽しみながら。
汲めども尽きぬまま、夕暮れどきを迎えて。

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このあと、上野さんおススメの地元のお店で、3人で食事する予定でいたのだが、またもや油断して、駆け足で駅に向かう羽目となる。

店に着いた頃には、どっぷりと日が暮れていた。

貴生川駅すぐの「炭火焼とりや」さん。
炭火焼の鶏をはじめ、創作料理のお酒がすすむ一品に合わせて、ワインや洋酒、もちろん日本酒もいろいろと。
最初の突き出しで、滋味深い鶏スープが沁みわたる。

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カウンターには、呑みながら楽しめそうな本棚があって、私の著書も置いてくださってました。嬉しや〜。

またひとりで来たら、読みふけってしまいそう……。

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そして一日の疲れを忘れ果てたようにワインが空いていき、場所を移して夜更までーー。



深まるご縁に感謝を込めて。
今頃は、酒造り真っ只中であろう、忍びの里を想いながら。



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