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続・ほろよい歳時記

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京都と滋賀の二拠点から、酒蔵のある風景を旅して呑んで。四季折々に好きなものを愛で、酔いしれる暮らし。毎日新聞に連載していた「すみれのほろ酔い歳時記」の続編。
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2017年5月の記事一覧

蔵の女将さん直伝の桑酒モヒート

蔵の女将さん直伝の桑酒モヒート

木之本の元気なお母さんたちが集まって、こんど地元で開催する日本酒会のための試食会におよばれして来ました。
皆さん家事をすませられてから、夜になって、近所の酒蔵にいそいそと集合。北国街道沿いの老舗酒蔵、山路酒造さんで、女将さんのご厚意で趣ある店内の一角をお借りしての和やかな試食会が始まりました。

お母さんたちの持参した籠から、次々と食材が出てきて、机に素敵なお料理がひろげられてゆきます。お酒も、山

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賤ヶ岳、天国へと昇るリフト。

賤ヶ岳、天国へと昇るリフト。

GWに、木之本から車で10分ほど、賤ヶ岳を訪れた。
ふもとの駐車場から、リフト乗り場への階段を登るとき、どこからか流れ聞こえてくるノスタルジーな音楽。幻聴かと思うほど、自然にとけこむ導入BGM。そして階段を登り切ったとき、目の前の情景に思わず感嘆の声を上げた。

射干の花畑が一面に広がり、山の上までずっと続いている。その上をゆっくりと流れ来るリフトには、時折運ばれてくる人影が。無事生還を成し遂げた

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木之本に、春の神輿が渡るとき。

木之本に、春の神輿が渡るとき。

近くで先導する笛の音が響いたかと思うと、いよいよ我が家の目の前までやってきた。民家から沿道へと出て来る女性や子供たち。勇壮な法被姿の男衆たちが、誇り高く神輿を掲げる。ゆるりと進む神輿は、場所によって超絶荒ぶる。あぶなげに片側へ思い切り神輿を傾けるしぐさは、ピンチではなく、わざとそうするのだとか。

ひとつの神輿を、各町内が一緒に交代しながら担ぐ。伏見稲荷から伝えられたという、装飾も美しく雅な神輿は

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