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消費生活相談員資格試験にチャレンジ2023(3)

2022年度 消費生活相談員資格試験(独立行政法人国民生活センター実施)の問題・正解に簡単な解説等を付した記事シリーズ第三弾、第3問と第4問をお送りします。


3.次の文章の[  ]に入る最も適切な語句を、下記の語群の中から1つ選び、解答用紙の解答欄にその番号を記入(マーク)しなさい。

① 2018(平成30)年度から5年間を対象とする「消費者教育の推進に関する基本的な方針」では、「[ ア ]への消費者教育」、「消費者の特性に配慮した体系的な消費者教育の推進」、「[ イ ]に対応した消費者教育の推進」の3つを当面の重点事項として位置づけている。

② 消費者被害の歴史を振り返ると、販売員が突然消費者宅を訪問して、高額な百科事典などを強引に勧誘し、分割払いで契約をさせるという消費者被害が深刻化したことから、1972(昭和47)年、[ ウ ]が改正され、クーリング・オフ制度が創設された。
腸管出血性大腸菌O157 やノロウイルスによる食中毒、BSE などの問題を受け、2003(平成15)年、[ エ ]が制定された。同法には「リスク分析」という考え方が取り入れられており、これは「[ オ ]」「リスク管理」「リスクコミュニケーション」の3つの要素から成る。
リコール隠しや産地偽装などの不祥事が、内部告発により明るみに出て、是正されることは、消費者や社会にとって利益をもたらす。一方で、告発した労働者が、企業から解雇等の不利益な取扱いを受けるおそれがある。そこで、2004(平成16)年、[ カ ]が制定された。

【語群】
1.消費者安全法 2. 若年者 3. 高齢化社会の進展 4.高齢者 5.食品安全基本法 6.割賦販売法 7.公益通報者保護法 8.リスク低減 9.個人情報保護法 10.製造物責任法 11.リスクギャップ 12.リスク評価 13. 訪問販売法 14.高度情報通信ネットワーク社会の発展 15.裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律

正解
① 2018(平成30)年度から5年間を対象とする「消費者教育の推進に関する基本的な方針」では、「[ア:2. 若年者]への消費者教育」、「消費者の特性に配慮した体系的な消費者教育の推進」、「[イ:14.高度情報通信ネットワーク社会の発展 ]に対応した消費者教育の推進」の3つを当面の重点事項として位置づけている。

② 消費者被害の歴史を振り返ると、販売員が突然消費者宅を訪問して、高額な百科事典などを強引に勧誘し、分割払いで契約をさせるという消費者被害が深刻化したことから、1972(昭和47)年、[ウ:6.割賦販売法 ]が改正され、クーリング・オフ制度が創設された。
腸管出血性大腸菌O157 やノロウイルスによる食中毒、BSE などの問題を受け、2003(平成15)年、[エ:5.食品安全基本法 ]が制定された。同法には「リスク分析」という考え方が取り入れられており、これは「[オ:12.リスク評価 ]」「リスク管理」「リスクコミュニケーション」の3つの要素から成る。
 リコール隠しや産地偽装などの不祥事が、内部告発により明るみに出て、是正されることは、消費者や社会にとって利益をもたらす。一方で、告発した労働者が、企業から解雇等の不利益な取扱いを受けるおそれがある。そこで、2004(平成16)年、[カ:7.公益通報者保護法 ]が制定された。


4. 次の各文章が、正しければ○、誤っていれば×を解答用紙の解答欄に記入(マーク)しなさい。

① 消費者物価指数は、生活様式や嗜好の変化に伴う生活費の変動を測定することを目的とし、全国の世帯が購入する各種の財・サービスの価格の平均的な変動を測定するものである。

正解:×

〔コメント〕消費者物価指数は、全国の世帯が購入する家計に係る財及びサービスの価格等を総合した物価の変動を時系列的に測定するもの。家計の消費構造を一定のものに固定し、これに要する費用が物価の変動によって、どう変化するかを指数値で示している。


② 家計調査は、景気動向の重要な要素である個人消費の動向などを把握するため、総務省が毎月実施する統計調査である。

正解:○

〔参照URL〕【総務省統計局】家計調査


③ 独占禁止法は、私的独占、不当な取引制限及び不公正な取引方法を禁止している。例えば、優越的地位の濫用は、「不当な取引制限」の行為類型の一つである。

正解:×

〔コメント〕優越的地位の濫用は、「不公正な取引方法」の一類型である。


④ 家計の収支における黒字とは、実収入から実支出を差し引いた額がプラスの場合であり、可処分所得から消費支出を差し引いた額と同額である。

正解:○


⑤ 新型コロナウイルス感染症拡大により、2020(令和2)年に初めての緊急事態宣言が発出されて以降、外出自粛要請や休業・時短要請が行われた結果、2021(令和3)年上半期まで家計の貯蓄が大きく減少している。

正解:×

〔コメント〕2021(令和3)年度の家計1世帯当たり貯蓄現在高は 1880 万円で、前年に比べ 5.0%増加し、3年連続の増加だった。
〔参照URL〕総務省報道資料
https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/2021_yoyaku.pdf


⑥ 生活保護法では、保護は申請に基づいて開始するものとされているが、要保護者本人による申請が必要であり、扶養義務者は申請することができない。

正解:×

〔参照条文〕生活保護法
(申請保護の原則)
第七条 保護は、要保護者、その扶養義務者又はその他の同居の親族の申請に基いて開始するものとする。但し、要保護者が急迫した状況にあるときは、保護の申請がなくても、必要な保護を行うことができる。


⑦ 生活困窮者自立支援制度では、自立相談支援のほか、就労準備支援や家計改善支援を行っている。

正解:○

〔参照URL〕【厚生労働省】生活困窮者自立支援制度/制度の紹介


⑧ 社会保障給付費を2021(令和3)年度予算ベースでみると、年金給付よりも医療給付の方が多くなっている。

正解:×

〔参照URL〕【厚生労働省】社会保障/給付と負担について


⑨ 厚生年金保険の被保険者は、国民年金の被保険者でもある。

正解:○

〔コメント〕日本の公的年金制度は、20歳以上60歳未満のすべての国民が加入する国民年金(基礎年金)と、会社員・公務員が加入する厚生年金保険の「2階建て」構造となっており、会社員・公務員は、2つの年金制度に加入することとなる。