見出し画像

滋賀から目指せJリーグ ! おじさんサポーター、レイラック滋賀とゆく その①

  Jリーグを目指す滋賀県のサッカークラブ「レイラック滋賀」のファンになって18年目。いつの間にか白髪が増え、体力もすっかり落ちたけど、クラブはいっこうにJ入りできず。それでもめげないオジさんサポーターは、めげないクラブと今年も歩んでいきます。

滋賀のサッカークラブ?

  京都新聞に掲載されるサッカー記事といえばJリーグ「京都サンガ」が思い浮かぶのではないでしょうか。この京都新聞noteでも、職場の後輩記者による「新米サポータースタジアムへゆく」が好評です。とても良い記事ですよね。感性豊かな文章で、温かくてほのぼのとして、サンガの魅力が伝わってきて…。オジさん(筆者)、ちょっと嫉妬やわ。「そりゃJリーグはキラキラしてるよな、京都・亀岡のサンガスタジアムは新しくてイケてるし、お客さん多いし。なんたってJ1やもんなあ、ええよなああ」

 オジさんがイラついて見えるのは、日々の仕事の疲れからでも、身体の衰えからでもありません(オジさんはサンガも応援しています)。「新米~」を何度も読むうちに「京都新聞は滋賀県も発行エリアやねん(県内の支局に2度勤務しました)。滋賀にはJリーグ一歩手前のクラブがあるんですわ、こっちもスポット当てたってや」という思いがこみ上げてきたからです。

  クラブの名は「レイラック滋賀(昨シーズンまでは「MIOびわこ滋賀」という名前でした)」と申します。オジさんは、クラブがJリーグ入りを目指して誕生した2006年以来、ずっとずーっと応援しとるんです。取材から始まり、異動後も応援に通い、今では声出し応援の末席を汚してます。でもその間、クラブはずっと足踏み。08年から「JFL」というリーグに所属していますが、最高順位は7位、ほとんどが2ケタ順位で、昨年なんか最下位でしたからね。要するにあんまり強くないんですわ…。お客さんも少ないし、サッカーメディアにもあまり登場しないし…。

 それでも、オジさんにとっては愛着あるクラブ。「新米サポ」に嫉妬して無駄にイラついても仕方ないので、勝手に「新米」に対抗してこの企画を開始することにしました。無駄に絡んでごめんね後輩記者。

おじさんが嫉妬する「新米サポーター、スタジアムへゆく」はこちら

JFLとは

 レイラックが所属するJFLの正式名称は「日本フットボールリーグ」。アマチュアリーグの最高峰で、今シーズンは北は青森、南は沖縄まで、企業チームやJ入りを狙うチームなど、15クラブがホーム&アウエーの戦いを繰り広げます。レイラックもですが、アマなので仕事をしながらプレーする選手が多いです。そしてJFL、順位など諸々の要件を満たすと、Jリーグ(まずはJ3)に参入することができるんです。レイラックはJリーグ一歩前、言い換えればすぐ手の届く所におるんです!

 そうは言っても、JFLってどうなん、って感じですよね。アマだし、マイナーだし…。わざわざスタジアムに行くほどでもないんじゃないの、って。オジさんも時々職場でレイラックについて話すと、同僚や後輩から「なんなんそれ?」「よーそんなん観てますねー」と、仕事で疲れた心にグサグサ刺さる言葉が返ってきます。まあ何にしても、滋賀で今シーズン初の試合に行ってみました。ピュアな「新米」記者と違って、時々やさぐれた感じで参ります。

レイラック滋賀の今季初のホームゲームが開催された布引グリーンスタジアム。
まるで琵琶湖のように美しい青い空!(滋賀県東近江市)

サンガゆかりのあの人に

 3月19日、ホームゲームが行われる、滋賀県東近江市の「布引グリーンスタジアム」に来ました。今シーズン2戦目(開幕はアウエーで勝利!)、ホーム開幕戦です。小高い丘の上に建つ、こぢんまりとした陸上競技場です。いすがあるのはメーンスタンドだけ。サンガスタジアムに比べたら、小さいのは否めません。お客さんも大体一試合500人ほど。それでも選手ののぼりが林立し、キッチンカーも出店しています。ちょっと華やかでしょ?ですよね?

 アマチームなのでスタッフの人数は限られ、試合に出ない選手たちが受付や設営を手伝っていたりもします。おっと、あそこにいるのは京都サンガでプレーし、2020年からレイラックでプレーする国領一平選手!JリーグもJFLも知っている国領選手、これはちょっとお話を聞こう。

-国領選手、お忙しいところすみません。JFLとJリーグの違いって正直どうなんでしょうか。レベルとか環境とか。

国領さん「そうですね。サッカーの違いで言うと、Jリーグに比べてJFLの方が局面での球際、肉体の激しいバトルが求められると思います。肉体的にタフなリーグで、Jリーグの方がもう少し戦術的ですね。ただJFLも年々レベルが上がってます。Jリーグを経験している選手も多いですし、JFLからJリーグへとステップアップしている選手もいて、Jリーグと遜色なくなってきていますね」

 確かに。選手の経歴に目を通すとJリーグの下部組織や強豪大学出身だったり、プロになっていてもおかしくない力量の人たちがたくさんいます。J1の強豪・川崎フロンターレで活躍する遠野大弥選手もJFL出身です。

-Jリーグに比べてお客さんは少ないですが、その分選手との距離が近いですよね。試合後に直接声をかけることもできますし。

国領さん「サンガでは、バスで会場入りする時やスタジアムで大勢のサポーターが声援を送ってくれて、ものすごく大きな力になりました。JFLではサポーターの数は少ないですが、そのぶん、一人一人の顔が見えやすく、声も聞こえやすいので、こちらも大きな力になるんですよ。スクール生(東近江市出身の国領選手は滋賀でサッカースクールを運営)が観に来て声をかけてくれたり、試合後にふれあうことも出来ますし、選手を身近に感じてもらえるのはJFLの良いところだと思います」

「そうやって身近に感じてもらえる選手が、ピッチで目の色変えてサッカーをする、その温度を感じてもらえれば。滋賀出身のJリーガーとも話すのですが、滋賀にはJクラブがないから県外にでるしかなかった、という声がよく出ます。レイラックをJリーグに上げて、滋賀の子どもたちの目標になるようなクラブにして、地域を盛り上げたいですね」

元京都サンガの国領一平選手。選手とサポーターの距離が近い!

-国領選手のほかにもサンガゆかりの選手が所属してます。

国領さん「服部航平選手や、ユースでプレーしていた俣野亜以己またのあいき選手ですね。サンガのサポーターの方々にも来てもらえると嬉しいです。今季サンガの試合は土曜日が多いので、日曜開催が多いレイラックの試合に足を運んでもらえれば」

 国領選手、この日はメンバー入りしてませんでしたが、左足から放たれる精度の高いパスは健在です。服部選手はスタメンでした。サンガゆかりの選手の活躍も見所です。

相手は「門番」、いざキックオフ

 さて、キックオフ時間が近づいて来よりました。。この日の対戦相手はHondaFC(静岡県)。いや強いのなんの。リーグ優勝9度、2位5度というとんでもない成績。天皇杯では数多のJクラブを撃破しているアマサッカーの盟主です。あまりの強さにJリーグ参入を狙うクラブからは「門番」と恐れらています。Jリーグでいえば川崎フロンターレや横浜F・マリノスのようなクラブと思ってください。先述したフロンターレの遠野選手も、かつてHondaでプレーしていました。

さてさてHondaFCとの試合の結果はというと…

 レイラックは無残に叩きのめされたこと数知れず。6点取られたこともあります。正直いって怖い。またボロ負けやろか、ホーム開幕なのに一気に暗いムードになったらどないしょ。そんな不安が、オジさんの心を容赦なくいじめます。さて、肝心の試合はどうなったかというと‥。

 次回「われらがホーム、衝撃の光景」に続きます。 


江藤 均