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デザイン学部建築学科が主催する講演会シリーズ「MASTER ARCHITECT」が行われました

こんにちは。広報グループのSです。
2025年が始まって1か月が経とうとしています。
ゆっくり過ごしたお正月休み明けの大学生活で、そろそろ疲れも出てくるころだと思いますので、たくさん食べてたくさん寝て、寒さに負けずに元気に過ごしましょうね。

さて、今年もさっそく学内ではさまざまな企画や展覧会が行われています。
今回はデザイン学部の建築学科が主催する講演会シリーズ「MASTER ARCHITECT」の様子をご紹介します。
この講演会は本学建築学科特別顧問である建築家の高松 伸さんが企画するもので、これまでも建築家として第一線で活躍するゲストにお越しいただき、貴重なお話を伺ってきました。

第6回目となる今回は、株式会社乃村工藝社のチーフデザインオフィサーで、A.N.D.代表の小坂 竜さんをお招きして、「内部から発想する空間」をテーマにお話いただきました。

講演会は明窓館4階のラーニングコモンズで開催。
会場には学生の皆さんだけでなく、学外の方や高校生の姿も。
用意していた席がすべて埋まってしまい、追加で席を用意するほどの大盛況でした。

講演前に小坂さんのプロフィールをご紹介しました

講演会では、小坂さんが実際に手掛けられたホテルや店舗を例に挙げ、“出会い”を軸にこれまでの仕事をご紹介くださいました。

始めに話してくださったのは“素材との出会い”
小坂さんが手掛けられたお寿司屋さんの店舗では、職人さんとの連携のもと、これまでに使われてこなかった素材を取り込んで、内装を作り上げました。
工場で製品にならなかった廃材を組み合わせて壁面に利用したり、これまでは基本的に石で作られてきたつくばい(手水鉢)をガラスで作ったりと、斬新なアイデアを展開。
小坂さんは「素材と職人さんとの対話の中で、新しいものが生まれる。自分1人ではできないことです」と語りました。

次に、中国のデザインホテルのバーをデザインした際に、空間に光をどう取り込むかを考え、光ファイバーを取り入れた経験を紹介。完成したバーの映像では、建物の内部にきらきらと光が反射し、これまでに見たことのない幻想的できらびやかな空間が広がっていました。「発想したことを具現化するのは難しいけれど、具現化してくれる仲間がいると想像を超えるものがつくれる」と、職人の技や科学技術などに支えられイメージを形にできた“技術との出会い”を話してくださいました。

最後は、“古い建物との出会い”について。小坂さんが担当された「ザ・ホテル青龍京都清水」は、小学校の校舎をホテルに生まれ変わらせたもので、数々の賞を受賞されています。小坂さんはこのホテルに関して、「あるものを最大限いかして、現場を見てどこをみせてどこを見せないかを判断した」とのことで、客室や廊下には小学校のおもかげを残したり、窓を引き立てるために壁をシンプルに仕上げたりと、もともとある空間をいかすことにこだわりました。小学校の頃には生徒が気軽にのぼることができなかった屋上にバーを設置し、卒業生たちがホテルに来館した際には大変喜ばれたそう。ホテルのロケーションや京都の歴史を踏まえてデザインしたことで外国人観光客から人気があることに加え、もともとの小学校のおもかげを残せたことで卒業生や地元の人からも愛される建物になっています。

お話の中で、「失敗談もあります。失敗もするけれど、それでもチャレンジを重ねていくことでいいものが生まれる」と語り、学生たちを勇気づけました。

空間デザインの楽しさは、ライブ感だと話す小坂さん。人や素材との出会いと、自分のデザインで誰かを幸せにしたり社会の課題を解決したりできることが、何よりの楽しさだと語りました。

講演会のあとも質問は絶えず、小坂さんとお話ししたい人が集まり、活発な意見交換が行われました。

小坂さんに質問する参加者たち
さまざまな素材を見せてくださいました

今回は、第一線で活躍する小坂さんのお話を伺える貴重な機会になりました。
”出会い”を軸にご自身の経験を語ってくださった小坂さん。私が担当している広報の仕事でもセイカの学生の皆さんや高校生の皆さんとの出会いがたくさんあるので、出会いを大切に、セイカの良さをたくさん発見して届けていきたいなと感じました。
今日聴講したみなさんも、出会いの大切さや出会いから広がる新しいアイディアにわくわくした気持ちになったのではないでしょうか。
小坂さんが手がけた店舗やホテルにも実際に足を運んでみたくなりました。

今年も学内で行われる企画や講演会がたくさんありますので、ぜひ積極的に参加してみてくださいね。