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京都便利堂「便利堂のものづくりインタビュー」第2回

第2回 商品企画担当:西川(写真左) 聞き手:社長室 前田(写真右)

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―――便利堂の商品がどうやってつくられるのか教えてください。
便利堂は「日常にアートを」という思いを大切にしています。世の中の時流と、長い歴史を持つ美術作品を合わせて「あたらしいもの」を生み出すことを目指しています。お客さまはどなたも美術を愛する、いわば「審美眼」をお持ちの方ばかりなんですね。質の高いものをよく知る方々に手にとっていただくのですから、細部まで気を抜くわけにはいきません。実は商品が完成するまでにはいくつものハードルがあるんです。

―――ハードルというと?
まず、便利堂のお客さまには神社やお寺、そして文化財を所蔵されている方が多くいらっしゃいます。商品を作る際には必ず許可をいただくのですが、その方々の思いとかけ離れたものを作ることは絶対にしません。「原本に忠実に」。これはいつも心に留めていることです。だからこそ長く信頼していただいているのだと思います。

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―――それは大切なルールですね。ほかには?
社員は日頃からお客さまのところで実際に文化財に触れる機会をいただいています。つまり本物に触れ、上質なものを見る目が養われている者たちばかりなんです。その厳しい目をクリアしないことには商品化はできません

―――「質の高い商品を作ること」が、お客さまや所蔵者の方に対しての「便利堂の約束」と言う気がします。
わたしはもともとミュージアムショップのグッズが好きで、展示よりそちらにひかれて美術館へ行っていたくらいです。そこには便利堂の商品もたくさんあったのですが、一筆箋やポストカードの印刷の再現力に驚きました。色の精度が高くてやっぱり忠実なんですよね。当たり前のことと思われるかもしれませんが「美術印刷」という看板は、どんなにささやかな小物にいたるまで妥協はしないのだとそのとき思いました。

―――ハードルをいくつもクリアした新商品が誕生すると聞きました。
そうなんです。「御財布香」って知ってますか?

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―――初めて聞きます。
これまでなかったのですが、お財布にしのばせる自分のための香りです。文香や名刺香は使う機会が減っているようです。でもお財布ならだれでも持っていて、一日に何度も開け閉めしますよね。そのたびパーソナルスペースでふわっと好きな香りがしたらうれしいだろうなと作りました。自分を喜ばせるための香りです。パッケージは鳥獣人物戯画なんですよ。

―――使ってみたいです。どんな香りがあるのでしょうか。
定番の沈香と白檀のほか、緑茶と金木犀の4種類です。

―――緑茶の香りってめずらしいですね。金木犀のお香も初めてです。
鳥獣人物戯画を所蔵する高山寺さんは日本で初めてお茶がつくられた場所なんですよ。ですからお茶の香りはぜひとも作りたいなと思いました。金木犀もめずらしいですよね。フルーティでみずみずしくて、お香が初めての方にぜひおすすめしたいです。

―――新商品はほかにもありますか?
鳥獣人物戯画と酒井抱一のシールはぜひ見ていただきたいです。鳥獣人物戯画は通常モノクロですが、これは特別にカラーでうさぎや蛙がおめかししているんです。これも自分を楽しませるものですね。ほかにはないシールで手帳やスマホ、化粧品などどんどんデコっていただきたいです。

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―――鳥獣人物戯画といえば「抗菌マルチケース」が8月に登場するんですね。
気が付けばマスクは毎日つけるものになりました。これは生活スタイルが確実に変わってきたということですよね。今まで以上に「抗菌」って気になりませんか?

―――なります!
わたしたちはもともとクリアケースを作っていたのでそれを応用できないか考えました。衛生品を保存するなら、菌に対する耐性をそなえているケースだと安心して使えますよね。せっかくなら美術品でたのしい気持ちにもなっていただきたい。そう考えて作ったのがマルチケースです。マスクケースとしてはもちろん、衛生用品なら絆創膏や綿棒を。通帳やパスポートをいれていただいてもぴったりだと思います。広く長く愛してもらえる商品ができました。

―――発売が楽しみです。このマスキングテープはパッケージが変わっていますね。
便利堂では「便利堂エコプロジェクト」として、エコにまつわる商品開発はもちろん、レジ袋の利用を減らす、パッケージにプラスチックを使わないようにするなど環境保護の活動に力を入れています。このマスキングテープもそのひとつで、これまでプラスチックの袋だったところを紙のパッケージにしました。開発段階から何度もトライしてこれが完成したときはプラスチックよりもずっとすてきなものができたとうれしかったです。

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―――贈り物にもよろこばれそうです。エコプロジェクトのロゴにはコロタイプのインキングローラーが使われていますね。
そうなんです。便利堂独自技術のコロタイプでもエコ技術開発にとりくんでいます。エコについて考えることはいわば当たり前のことですよね。このロゴをつけた商品をこれからたくさん並べていきたいです。

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―――商品づくりでうれしいのはどんなときですか?
やはりショップで便利堂の商品をお客さまが手にとってくださっているのを見たときでしょうか。ものすごくうれしいです。海外の方がマスキングテープを山のように購入してくださっているのを見たときもうれしかったですね。世界に飛んでいくんだなあって。

―――それはうれしいですね!これから作りたい商品を教えてください。
日本美術の熱心なファンの方が購入してくださるのはもちろんうれしいです。でも反対に「まったく美術に興味のないひとが知らずに手に取ったら便利堂の商品だった」というのもすごくうれしいなと思うんです。便利堂の商品がきっかけで美術を好きになっていただけた、そんな商品をつくっていきたいです。

便利堂の商品はこちらからご購入できます。

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便利堂エコプロジェクト

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便利堂は、地球環境と事業活動の調和を目指し、商品の開発・生産・販売を通じて、環境負荷の低減および環境保護のための様々な活動を積極的に推進していきます。

〈環境への取り組みの一例〉
・コロタイプのエコ技術開発
・お買い物レジ袋の利用の低減
・パッケージ用プラスチック使用の低減
・エコ商品の提案 など

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