記憶を辿る61
『 ギャルブームでギラギラ 』
この頃は浜崎あゆみ、モーニング娘。といった面々がTVを総なめしており、我々の頃はFineという雑誌から派生したサーファー系のギャルが主流だったのが、egg.というギャル雑誌が出始めてからは日本独自のギャル文化が街をジャックしていた。
当時を思い返せば、とにかく派手だったと思う。
派手さが若年化していく走りのような時代で、バブルの頃のようなスーツではなく、ラメ糸が編み込まれたニットばかり。ニットワンピにタートルベストなどが主流。とにかくギラギラした感じが大流行の時代である。
この流れの影響で金銀糸などを扱う会社は猫の手も借りたい状況だったようだ。
そんな時に聞いた就職情報。
糸の種類や番手、織や編みの種類に製造方法、まったく何も知らなかった私は”父親の教え通り”一から学ぼうと面接を受け、即採用プラス即出勤だった。たまたま事務の女子が、友人の彼女だったこともあって幸先の良いリスタートを切った。
定時は8時出勤の17時上がり。
お給金は安かったけれど土日祝休だった。
なんとも都合の良いリスタート!
だったはずが、そう簡単に問屋は卸さなかった。
先に書いた通り、この当時の糸屋は猫の手も借りたい状態。
ストックが置かれているはずの倉庫に糸は常に空だった。
8時に出勤して家路に着くのが23時。
普通糸だけを扱っているだけならこうもならなかっただろうが、ここは金銀糸にカラーを入れたラメ糸を手掛けていて、上がってきた商品の出荷に加え、膨大な注文量に合わせた生産から在庫調整など業務は多岐に渡ったのだ。
およそ1日に課された業務内容はこうだ。
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