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【開催報告】中小企業の採用力を向上します!アリカタ勉強会Vol.3「人事設計編」

こんにちは!京都市わかもの就職支援センターです。
今回は11月25日に開催した「中小企業のアリカタ勉強会」~わかせんと進める伴走型採用支援プログラム・人事設計編~の様子をご紹介します。
今回は、5つのポイントから学ぶ「新入社員定着セミナー」~働きがいのある環境をつくる人事制度の作り方と運用~と題して実施しました。

「現在採用しているが課題を感じている」「新卒入社社員の離職率を下げたい」「人事制度の見直しを検討している」という企業の方は是非とも最後までご覧ください。

Vol.1「キックオフセミナー編」・アリカタ勉強会の概要についてはこちら▶
Vol.2「求める人物像の具体化編」についてはこちら▶

第3回「人事設計編」開催の様子

今回開催した「人事設計編」では、シンク・アンド・アクト株式会社の伊澤 慎一氏に講演頂きました。

【伊澤 慎一氏 プロフィール】
シンク・アンド・アクト株式会社 代表取締役。京都大学卒業後、大手金融機関、会計系コンサルティングファーム、組織開発ベンチャーを経て、人材・組織開発のシンク・アンド・アクト株式会社を共同設立。主に企業理念推進、人事制度構築・運用、人材・組織開発トレーニング等の事業に取り組んでいる。

第3回に参加した企業が抱える課題としては、「せっかく採⽤したのに優秀な⼈から辞めていく」「⼈事制度がない」「何から⼿をつけて良いか分からない」「⼈事制度はあるが、⾃社に合っているのかわからない。⾒直すべきかと考えている」「⼈事制度はあるし、⾃社にも合っているが、うまく運⽤できていない」といった多岐に渡るものでした。

これを今回の勉強会に参加し、講演やワーク等を通して「学び」を得ることによって解決して頂きます。

▼当日のプログラム
・イントロダクション
・⼈事制度設計のポイント【レクチャー】
・⼈事制度運⽤のポイント【レクチャー】
・⾃社の課題とやるべきことは︖ 【ワーク】
・ワークを終えてのフィードバック

はじめに

まず始めに伊澤氏から「企業は経営者以上の器にはならない。理念で飯は食えないと思っている人がいるが、理念がないとずっと飯は食えない」という言葉を頂きました。つまり、人事設計は経営理念に基づいていなければならないというお話です。

「本日は色んな会社が集まっているので、自分の会社は何が出来ていて何が出来ていないのか、自分に旗を立てる(課題を認識して向かう先の目印を立てる)ところがゴール」という言葉もあり、1日を通してより多くのことを吸収して欲しいという熱いメッセージから会はスタート。

イントロダクション

具体的な人事制度に関する講演に入る前に、本質的なお話を2つ。

1つ目は、よく耳にする「最近の若者」という言葉。
73年出版の本に書かれた若者の価値観と、最近の若者が世間から見られる価値観は一緒であるというお話。

つまり、いつの時代も若者は「色眼鏡」をかけて見られており、新鮮な目で若者を見つめることが大事だということ。


そして2つ目は、多くの企業が若い社員に対してフォローを行っているが、重要なのは「点ではなく面で行う」ということ。
つまり、常に従業員をフォローすることが大事であるということ。

そのため、伊澤氏が代表を務めるシンク・アンド・アクト株式会社では、3カ月に1回面談を実施しています。

2つの例が示しているように、「人事制度においては、偏った見方で考えを進めず、継続的に柔軟に見直しながら運用することが大事」ということです。

これを前提に、これから人事制度設計/運用に関する具体的なポイントをお話頂きました。

⼈事制度設計/運用のポイント

⼈事制度は4つの領域で構成されており、その原点が「経営理念に紐づいた求める⼈材像」になります。

人事制度における4つの領域の図

(1)等級制度 (2)評価制度 (3)報酬制度 (4)教育制度

この4つの制度があることが大切で、人事制度の目的は「人材の育成や成長」であるべきということです。

育成や成長とは言い換えると、従業員が「働きがいを持って⾃分らしく働ける」状態を指します。

(1)等級制度
社員が保有する能⼒や職務や役割に応じて区分し序列化する制度。

等級制度に関する図

(2)評価制度
⼈事評価項⽬は企業によって異なるが、「成果評価」「能力評価」「情意評価」の3つを基本の要素として詳細を決定していくことが多い。

「情意評価(意識していたかという評価基準)」のみで評価するのは難しいため、行動を基準にして評価するのが望ましい。
「これがダメだ」と指摘するための評価制度ではなく、最終的に従業員のモチベーションを上げられるような制度にすることが大切。
人事部だけで人事制度を作るのではなく、他の部署も交えて色んな層でアイデアを出し合い、最終的には経営層が決断すれば良い。

(3)報酬制度
報酬制度とは、等級や評価結果に基づいて、社員の給与、賞与、退職⾦などを決める制度。

最近「ジョブ型雇用」や「同一労働同一賃金」などの言葉で注目されているのが「職務等級制度」。これは、職務に応じて等級が分けられており、仕事の重みによって等級が変わるもの。

役割に応じて等級を定義するのが「役割等級制度」。等級別の等級定義の言葉づくりにおいて、等級ごとに役割の違いを明確に言語化することが必要。

報酬には⼤きく「⾦銭的報酬」「⾮⾦銭的報酬」の2つがあり、「⾦銭的報酬」は給与・賞与・福利厚⽣・退職⾦・年⾦等のことです。一方、「⾮⾦銭的報酬」は会社や同僚からの承認、チャレンジングな仕事、表彰(アワード)などが該当します。「非金銭的報酬」をうまく活用すれば、チームビルディングやエンゲージメントを高めることなどにつながります。

人事制度設計の詳細プロセス

運用上大事になる「1ON1」

「1 ON 1」においては、評価者のトレーニングが重要になります。時には、外部のコーチを付けて自分を客観視する等、トレーニングを怠らないようにしましょう。

具体的には、社員が設定する目標を「事業に紐づいているもの」にしたり、話す割合を8:2(被評価者が8・評価者が2)に調整したりすることが必要となります。
他にも評価のタイミングや心理的落とし穴に関する紹介をして頂きました。

⾃社の課題とやるべきことは︖

ここからはグループに分かれ、
・自己紹介
・自社の課題
・(レクチャーをヒントに)最初にやるべきこと

を発表して頂きました。

グループワークにて出た(1)課題(2)やるべきことについて一部ご紹介します。

▼参加企業A
(1)あわてて制度を作ったため、見直したい。等級制度についてはオーナーが勝手に決めている。
(2)一貫性のある制度をつくる。

▼参加企業B
(1)ホテルのフロント業務は数字で評価しにくい。人事考課を作る上で、もめてしまうことがあった。
(2)会社の理念を詰め直して人事制度を作っていく。

▼参加企業C
(1)現行の人事制度の目的が分かっていない。
(2)求める人物像の特徴をもう一度見直す。

▼参加企業D
(1)新卒の正社員が2名入社したが、評価制度が手つかず。1ON1をしていると「仕方なく働いている」と話が出た。
(2)人事制度を1から作っていくために求める人物像を定める。

▼参加企業E
(1)一次評価と二次評価、役員会で評価のバランスを取るのが難しい。
(2)評価者同士の信頼関係をさらに深める必要性を感じているので、7月から始めた評価者全体の月1オンライン会議を継続していく。

▼参加企業F
(1)評価者の訓練に課題を感じている。一次評価者と二次評価者のギャップも課題。
(2)タレントマネジメントにしっかり取り組みたい。また評価者教育を1年かけて実施する予定。(処遇は二次評価者が決める。後でひっくり返れば、一次評価者のモチベーションが下がる)

▼参加企業G
(1)そもそもの評価の仕方が正しいかどうかが課題。キャリアシート(社員自身の評価)・支店長の評価・部長の評価があるが、実際に社員からもその評価が正しいのか?と指摘があった。
(2)これまで人を育てていく研修をしていなかったので、しっかりと時間を取って管理職・リーダー・新入社員、それぞれの研修を実施し底上げをしていきたい。

各社様々な課題を抱えられていますが、グループ内で共有することにより「課題解決のヒント」を得られる、また、自社の決意表明をする時間になったのではないでしょうか。

ワークを終えてのフィードバック

最後に伊澤氏からフィードバックを行って頂きました。

ここでは参加企業から「評価者によってばらつきがある」という課題が出たものに対して、伊澤氏より「管理者同士を集めて、社員の中で特徴的な数人(年齢層も能力も異なる)に対して『自社の評価ツール』で評価してみる。その評価結果を管理者同士で話し合わせてみると、評価のばらつきを調整することもできます」と回答頂きました。

質疑応答

最後に、参加企業から伊澤氏に対して質問がありました。

「数字で表しにくい業界はどのような内容を人事考課に取り入れられていますか? 具体的に教えてほしいです」

伊澤氏)
「目標設定の段階で、プロセスにおける行動をできる限り定量的に表現しようと試みることが大切です」

最後に参加者全員で記念撮影

最後に

いかがでしたか?
第3回の「人事設計編」では、講演であった具体的な情報やノウハウに関してご紹介しました。

第4回は「募集編」になります。
次回の様子もお届けしますので、乞うご期待!

第1回の記事をご覧になりたい方はこちらから▶
第2回の記事をご覧になりたい方はこちらから▶

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