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Photo by
katsuo515
2分間の立ち見お花見
マンションの階下にゴミ捨てに行ったついでに、お花見をした。いつもならちょっと遠出をして桜を愛でに行くのだが、今年はコロナ禍でお預け。どうしてもお花見したい私は、自宅から最短距離でのお花見決行だ。桜の花はちょっと散っていたけれど、見るには十分だった。桜の木の下にいて、上を見上げると、何とも言えないエネルギーが温かく身体に漲るのがわかる。桜パワーと言ったところか。
桜は日本の国花である。一輪でも可憐で控えめな美しさがあるが、枝の隅々まで咲き乱れると、桜の木全体が芸術作品のように、見事な景観を呈する。ここに、日本人の心情や国民性をを代弁しているように思えてならないのだ。ここぞというとき何人もの力を合わせて、大きなパワーを生み出す。困難にも絶対負けない強い絆を。ぐっと耐え忍ぶ力を。
翻って隣国・中国の国花は牡丹だ。牡丹は一輪だけでも華麗で、存在感がある。桜より大きく目立つ花で、本当に美しく近くで見ても、遠くから見てもパッと引き立つ魅力を醸し出している。私も好きな花の一つだ。それ故、色鮮やかな大輪の牡丹が、広い国土や、独立性を重視した国民性を表しているように感じる。どちらも美しさでは引けを取らない桜と牡丹。しかし、両国の国民性を的確に、端的に表しているように思うのは私だけだろうか。
桜の放つうっすらした芳香と、薄ピンクのベールに包まれながら、桜パワーを強く感じた。深刻な状況が続くコロナウイルスによる新型肺炎。今だからこそ桜の花が持っている強い絆と、忍耐力が国民一人一人に試されているのかもしれない。私たちは、この困難を桜パワーで、きっと乗り越えられるのだという確信と共に。
私だけの2分間の立ち見お花見で、桜の花がそんなことを教えてくれた。
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