日本語授業の後で　～ベトナムのデザート～

「先生方、冷蔵庫の中に私がつくったデザートがあります。是非召し上がってくださいね。私はこれで、失礼します」

授業後、教員室にいた先生たちに、日本語上級クラスのベトナム人女子学生のYさんが声をかけてくれた。

「え？デザート？」甘い物に目がない私は、いそいそと1階の冷蔵庫に向かった。

「お？これは？」透明カップの中に黄色と白の2層構造。上にココナッツを細かくしたものも散りばめられている。プリン？ゼリー？

1口すくって食べてみる。うん？ほんのりした甘さ。プリンやゼリーほど柔らかくはないけれど、羊羹ほど硬くない感じ。でも口の中でほろっととろける。

「おいしい！」

思わず、絶賛してしまった私。すでに食した同僚の先生に聞くと、緑豆とココナッツミルクを使ったデザートなのだそうだ。

Yさんは忙しい合間をぬって自宅でこのデザートをつくり、学校の先生たち全員のためにわざわざ持って来てくれたのだ。１つ１つ心を込めてつくってくれたから、おいしいはず。究極のアジアン・テイスト！

この優しい味のベトナムデザートを食べ、エネルギー満タンになった。幸せ、幸せ。

ありがとう、Yさん。あ、このデザートの名前を聞くのをすっかり忘れていた。今度会ったとき、名前と作り方も忘れずに聞こう。

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