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7月の白いユリ

散歩していたら、白いユリの花が咲いているのを発見。とてもきれいだ。

でもユリの花に、ちょっと悲しい思い出がある。

私が小学3年生の7月。とっても暑い日だった。

病気で叔父(母の弟)が亡くなった。まだ30代半ば。この叔父は、私が幼いときからとてもかわいがってくれた。当時、叔父は祖母と一緒に住んでいたのだが、遊びに行ったらトランプやかるたをしたり、好きなお菓子を買ってくれたり、お正月にはお年玉をたくさんくれた。

そんな叔父が、突然入院。数か月の入院を経て、この世の人ではなくなった。叔父の入院中、私はお見舞いに行けなかった。日に日に痩せて、変わり果てていく叔父の姿を、母は私がショックを受けてはいけないと、見せたくなかったのかもしれない。

葬儀の日。

私は、ひつぎの中で静かに横たわる叔父の姿を見た。以前のよく笑う叔父とは別人のようだった。

そのとき、母に白いユリの花を二輪、手渡された。白くて、清らかで楚々としたユリ。

「黄色の花粉が服につくから気を付けて持ちや。おじちゃんのところに入れてあげて」

母にこう言われ、私は叔父の顔の横に、そっとユリの花を置いた。「おじちゃん、今までありがとう。さようなら・・・」この言葉とともに。

たくさんの白いユリに囲まれた叔父は、そこだけ別の空間になっていて、神秘的な輝きに包まれているかのようだった。私は、この絵のような光景を今でも忘れることができない。

ところで、きのう見た映画『ヴィクトリア女王 最期の秘密』のなかで、大英帝国を象徴する女王ヴィクトリアが永遠の眠りについたときにも、ベッドの上に白いユリが供えられていた。

私はこのシーンを見た瞬間、遠い昔に若くして亡くなってしまった叔父の葬儀のあの光景を思い出した。そして白いユリは、日本でも欧米でも永遠のお別れのときに、イメージされる花なんだろうか・・・と、思わずにはいられなかった。

7月の今。

白いユリは私を少し、センチメンタルな気持ちにさせる。





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京すずらん
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