【企画】忘れられない外国人のあのひと~初めての海外で出会った家族~

私の今までの人生を振り返って、「忘れられない外国人」と言ったら、イギリスでホームステイしたフォレスト一家でしょう。

当時、会社勤めをしていた私は、アジアよりも欧米に関心がありました。そしていつか、短期でも英語を学びたいと強く願っていたのです。

そんなある日。

何げなく入った書店で見つけた『地球の歩き方・イギリス』。勝手に「イギリスが私を呼んでいる」と思い込んだ私は、退職し、この本を片手に語学留学に出発。

シンガポール経由でヒースロー空港に着いた私は、初めて海外に降り立った興奮と嬉しさで感激、感激。そこから一人でロンドンから東へ2時間ほどのステイ先まで、また小旅行。

そして、自宅に到着。出迎えてくれたホストマザーのアンは長身で美人。長旅で疲れた私をいたわってくれ、お手製のサンドイッチをふるまってくれました。その、おいしかったことといったら!

サンドイッチをほおばりながら、ふと壁に目を向けると、そこに以前、私が送った写真が。そのとき、私はこの一家のメンバーにしてもらったのかな?と嬉しく思いました。

フォレスト一家は、ホストファザーと9歳の男の子と5歳の女の子の4人家族。いつも家族一緒で、アンのおいしい手料理をいただきながら、(アンは本当に料理が上手!ラッキーでした。)日本や日本の文化、趣味の話などなど、つたない英語で、たくさん話しました。

アンは、どんなときでも私の話を真剣に聞いてくれ、困ったことがあるとアドバイスしてくれました。私の下手な英語でも、「忍」の一字で耐えて聞いてくれたかと思うと、感謝しかありません。

あるとき、当時20代だった私が、「将来のことで、いろいろ悩んでいる・・・」と話すと、アンは私をじっと見つめ、そして言いました。

「あなたには、まだたくさんの時間があるわ。心配いらない」

私の手を握りながら、力強く言ってくれたのです。これを聞いた私は、アンの手のぬくもりと、前向きな思いが心にしみわたってきたのを感じました。この場面は、写真に撮ったかのように私の心に刻み込まれています。そして、今でも、アンが私の耳元でささやいてくれているようにも思えるのです。

イギリス滞在は、たったの2カ月でしたが、私はこの家族から、お金では得られない、多くのことを教えてもらいました。同じ人間ならば、国や民族は違っても、心通い合うことができるということも。

もう一つのイギリスの家族。楽しかった思い出と共に、私にとって絶対に忘れることができない大切な人々なのです。




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