【バトン企画2022】心に残るあのエピソード~北京でもらった 学生たちからの花束~
なんと大変光栄なことに、チェーンナーさんからこちらの企画のバトンを受け取りました。
まさか、回ってくるとは、しかもこんなに早く来るとは思っていなかったので、ちょっとオタオタですが・・・
これは、その昔、私が中国の北京市で日本語を教えていたときのこと。
ここは、大学付属の語学トレーニングセンターみたいなところで(日本風に言えば)、クラスレベルは中級で、1クラス50人ぐらい。(大教室にびっしり!)20代が多くて、皆いつか日本に行く夢を持って、学んでいました。
私は、主に会話を担当。実は、このクラスを初級から受け持っていたので、学生たちのほとんどは、顔見知り。
その中で、3人の学生と知り合いになりました。ロングヘア―が風になびく男子学生・R君、ムードメーカーで、ユーモアセンス抜群の男子学生・B君、笑顔が素敵で、とってもやさしい女子学生・Oさん。
授業後も一緒に食事したり、それぞれ自宅は別方向なのに、私が乗るバスにわざわざ乗って、共に帰ったり。どこにいても、何をしていても、彼らは私とはすべて日本語で話していました。それがまた、楽しかった!3人の日本語が加速度的にうまくなっていったので、話す量と話せる能力は、比例するんだなと実感しきり。
さて、ある春の日の午後。
いつものように教室に行くと、3人がいません。いつも前に座っているのに。おかしいなあ・・・どうしたんだろう・・・そんな思いを胸に、授業をしていると・・・
ガラッ。
突然、教室の戸が開き、3人がなだれ込むように入ってきたかと思いきや
「先生、お誕生日おめでとうございます!」
との言葉。そして、私の年齢の数ほどある赤いバラの花束を手渡してくれたのです。
え~っ!私は、驚きのあまり声が出ませんでした。
実はこの日、私の〇回目の誕生日だったのです。自分でも、すっかり忘れていました。
以前、初級の授業で誕生日について話したとき、誰かがメモしていたのかもしれません。いやあ、驚いた・・・
クラスの皆の前で3人から花束を受け取った私は、「ありがとう」の言葉と共に、うれし涙があふれ出てきました。クラス中の拍手と共に。
私は、なんて幸せなんだろう・・・
そんな思いが私を温かく包み込んで、しばらく動けませんでした。異国の地で、ここまで幸せなことに出合えるとは・・・3人の学生たちをはじめ、すべての学生たちに、感謝の気持ちしかありませんでした。
・・・・ひとしきりの「おめでとう」コールのあと、どうなったと思います?
今日の授業は、急遽これでおしまい。クラス全員で、レストランで食事。しかも、貸し切りバスで。(マイクロバスみたいな感じ)という劇的な展開が待っていました。この準備周到さにも驚き!(授業をこんなに早く終えていいのか・・・とも思ったけど・・・)
なんと今日のために3人が中心になって、授業の切り上げを教務主任(女性)の先生にお願いし、おいしいレストランを調べて予約し、バスをチャーターし、と一連の流れを取り仕切ってくれていたのです。
この柔軟さ、臨機応変さ!
私は、もらった花束を携えて、おいしく料理をごちそうになりました。
後日、この教務主任の先生に「この間は楽しかった?どう、中国の学生たちは?」と聞かれ、「最高!忘れられない素晴らしい思い出ができました。ありがとうの言葉では、とても言い表せないですね」と答えたのでした。
北京の地で迎えた私の誕生日は、驚きと感謝と、ユーモアと嬉しさが相まった、人生で忘れられない一日となったのです。
長文をお読みいただき、ありがとうございました。
では、バトンをお渡しする方です。
akkiy☆さんです。
akkiy☆さんは、素晴らしい絵を描いていらっしゃる方です。私は、透明感あふれるakkiy☆さんの絵が大好き!他にも作曲や、ピアノ演奏などなど、様々なことに挑戦されている才能あふれた方です。(あ、共に中国語を学ぶ仲間でもあります。)
akkiy☆さん、急なお願いで本当に恐縮です。よろしいでしょうか。でも、決してご無理なさいませんように。
最後にチェーンナーさんの記事をはっておきますので、ご覧ください。よろしくお願いします!
#心に残るあのエピソードをあなたに #日本語教師 #バトンリレー2022 #北京 #中国 #日本語 #バラ #花束 #幸せ #誕生日 #人生 #感動 #思い出 #エッセイ
もしサポートいただけたら、とてもありがたいです。自分をより向上させるための書籍購入や研究会、勉強会の参加費用にします。また、日本在住で中国語圏生徒達の日本語学習のフォローにあてたいです。