男性長期育休のメリット・デメリット

 お久しぶりです。菊池です.
 娘が生まれて4ヶ月が経ちました.
 最近は仕事をしていない日々にも慣れてきました.
 
 また、ついに市役所から住民税の支払通知が来ました.
 これにより、お金関係のことも見えてきましたので、前々から記事にしたかった『男性育休のメリット・デメリット』について、書いていきたいと思います.

 前提として、私は地方自治体職員で、今回第一子の出産後に一年間育休を取得し、現在4ヶ月目となります.
 私も妻も正社員として働いておりまして、現在は2人同時に育休を一年間取得しております.

1.デメリット
 まずは、デメリットからお話ししていきます。
(1)出世・昇給が遅くなる
 これは、育休取得によって不利益的扱いを受けているわけではありません.
 当社だけなのかもしれませんが、昇給・昇格には、勤務成績が必要となります.
 一年間勤務成績がないため、当然ながら、昇給も昇格も同期から遅れることとなります.
 出世を望まれている方等、人によっては大きなデメリットとなるでしょう.

(2)貯金が一定程度必要
 子供の出産前後に子供関係費用が多々必要になることもあります.
 ですが、そのほかにも育休を取る場合、ほかにある程度のお金が必要となります.
①育休手当
 育休手当は、育児休業中の主要な収入源となりますが、もらえるまでタイムラグがあります.
 我が家の場合は、娘の出産後4ヶ月後に初の入金がありましたが、ネットの情報によるともっと遅い人も多いようです.出産後は忙しいと思いますが、速やかな申請をお勧めします.
 なお、当家は産後の収入については、以下のように対応しました.
 1ヶ月目:先月の勤務により、給与収入あり
 2ヶ月目:産後1ヶ月目まで働いていたため、給与収入あり
 3ヶ月目:親族・友人からいただいたご祝儀で生活
 4ヶ月目:貯金を切り崩して生活
②扶養手当
 自治体からいただける児童手当の他に会社によって扶養手当をいただける会社もあるかと思います.
 扶養手当は勤務している間しかもらえません.(会社の規定によると思いますが)なので、扶養手当はもらえなくなります.
 これが第一子なら1人分、第三子なら三人分毎月貰えなくなると思うと大きいですね...
③住民税
 勤務期間中は住民税は給与から天引きされていますが、給与がなくなった後は、市役所から直接納入通知書が通知されます.(うちにも先日きました)
 20万円前後のお金が請求されました.
 納期限は4分割されていましたが、大きいお金ですね...

 うちは、ある程度のお金を貯金できていましたので、なんとかなりましたが、お金は非常に重要ですので、男性の育休取得期間に影響するかもしれません.

(3)妻と喧嘩が増える
 これは真実です.
 これまでは自分と妻の大の大人2人きり.時間も余裕もありました.
 しかし、子供が生まれてからは家事に加えて育児が必要になってきます.
 また育児方針で激闘が繰り広げられることもしばしばです.
 ですが、個人的には、「妻と喧嘩したくないから、あまり育休はとってない」というのは勿体無いと思います.
 せっかくの機会です.どんどん喧嘩しましょう.妻の見えてなかった一面を見ることができるかもしれません.
 大事なのは喧嘩した後です.うちでは喧嘩は翌日には持ち越さないようにしています.(心掛けというより、言いたいことは全部言うので、その上ですり合わせできなかったらガンガン妻と話し合います)
 一緒に喧嘩しながら一緒に子育てをすることで、なんでも心置きなく話すことができ、より絆が深まった気がします.

(4)友人を失う
 これは思いがけないデメリットです.
 育休一年とると周りに伝えたところ、迷惑をかける所属部署からは快くお休みをいただけた一方で、友人は数名「男性にそんな長期育休いらないでしょ.やることないよ」と言われ、論戦の結果、少し仲が悪くなったかもしれません.
 これは想定していませんでした.育休取得にあたりなんの迷惑もかけていない友人からこのような話が出るとは...
 さらに「育休いらない説」を唱える友人は子持ちが多かったため、より頭を悩ませました.
 私自身は育休をとって良かったと思っていますし、とても忙しい日々を送っています.
 友人は減ったかもしれませんが、より優しい、自分に合った友人が選別できたと思うといいことなのかもしれないなと思っています.

(5)人間関係が狭まる
 仕事をしていないと当然ですが、仕事の人間関係が疎遠になります.
 仕事人間で仕事に全てをかけていた場合、仕事を失うと収入のほか、人間関係も大きく失ってしまう怖さがあります.
 また、育休中は日々顔をあわせているのは基本的に妻と子供だけですので、人間関係が狭まる可能性があります.
 うちでは、「外部とのつながりを大事にしよう」と妻と協定を結んでおり、友人との飲み会は月に一回までは可、スポーツの習い事は週に一回まで行くこととしております.
 私は昔から職場のスポーツサークルに入っており、それに継続して行っており、妻は産後の女性限定のフィットネスが募集されていたので入会しました.

2.メリット
 次に行く取得のメリットを書いていきたいと思います.
(1)子供の最も早い成長を間近で見守ることができる
 やはりこれが一番大きいですね.
 赤ちゃんの成長は本当に早いです.
 百日祝い、パパとママの顔を認識する日、こちょこちょが効くようになった日、ニコッと笑ってくれるようになった日などなど、、、
 育児がこんなに楽しいとは、妻のみにさせるのはもったいないですね.
 
(2)妻と一緒に育児能力を上げることができる
 これは非常に重要だと思っています.
 例えば、育休をほぼ取らず、妻が育児を主に担当していたとしましょう.旦那さんは妻と子供を支えるため、より一所懸命仕事に取り組んでいました.
 そしてたまの休日に平日の分を含めて寝溜めしていた時、「あなたも休みの日くらい育児を積極的にしなさいよ」「そんな仕方じゃ赤ちゃんかわいそうでしょ」「あなたの子供だっていう自覚ある?」と妻から叱責されてしまいます.
 これは旦那さんがかわいそうと思います.が、その奥には、0歳児の育児について、経験のない中で心細い中、1人で育ててきたという奥さん側の気持ちと経験の蓄積の差があると思っています.
 妻と一緒に育休を取ると、0の状態から妻と話し合いながら育児を経験することができます.成功も失敗も妻と一緒です.すると一緒にナレッジが溜まり、2人とも1人で育児をしなければならないストレスから解放され、自分の子供を育てる「チーム」としての共同体意識が芽生えてきます.(もちろん、上述の通り、喧嘩はめっちゃしますが笑)
 旦那さんの会社次第では、未だ前者のように育休が取れない場合も多いと思います.そのような場合には、「育児、特に実務については新採の気持ちで積極的に上司の妻に教えを乞う」「育児書を読み漁り、育児の先々を見通す必要がある」というのが必要になってくるかもしれません.
 育児に使える時間が限られている場合でも奥さんが一番しんどくなるのは、「この子は1人で育てないといけないんだ」という孤独感だと思っています.
 その解消のためには、奥さんが昼間・夜間を通じて行なっている育児への知識が必要不可欠だと思っています.その孤独感を感じさせないだけでも旦那への思いというのは変わってくるかと思います.

(3)妻との絆が深まる
 妻と喧嘩しながらも育児を乗り越えてくると、結婚当初の関係だけでなく、新たな絆が深まると感じています.
 いうならば、高校の部活動のような「一緒に辛い練習を乗り越えた」「一緒の釜の飯を食べた仲」とでもいうような関係性です.
 私が最も危惧していることが「妻との関係性が悪くなり、家庭の居場所がない夫」になることです.
 これは私の子供の頃の原体験が強く影響していると思いますが、家庭に居場所がなくなると最悪です.
 特に職場で評価されているとより家にいたくなくなります.そして、より妻と子供からATM扱いされてしまう悪循環です.
 定年まではそれでもいいでしょうが、定年後は地獄です.家に居場所はありませんが、家の外にも居場所がなくなってしまいます.
 育児を通じて、より妻と絆を深めていきたいと思っています.

(4)節約生活を楽しめる
 上でも書きましたが、育休が始まると収入が激減します.
 子供ができてこれからお金が必要になるってときに収入が激減するとはなんたることか!
 とも思いますが、計画立てて日々を過ごしていればなんとかなります.
 幸い、うちは夫婦ともども育休手当をいただけているので生活はなんとかなります.なんなら少しですが、貯金もできそうです.
 そのためにも月・年単位での家計管理を行なっています.
 また、当然ですが、買い出しで購入する食材も変わりました.
 最近は鶏胸肉ともも肉を中心に食べています.手羽元も安いので積極的に買っています.
 ヨーグルトやチーズはPB商品のもののみ購入しています.
 家計管理と料理(食材管理、買い出し、調理)は私が担当しておりますが、買い出しはだいたい妻、娘と三人でいきます.
 あーだこーだ言いながら買い出ししたり、スーパーの安い日を狙って他の主婦、主夫の方の闘いながら安い商品を手に入れることも楽しくなっています.
 (妻からは週に1缶のみお酒の購入を許されています.それを飲みながら副菜を作るのが今の楽しみになっています)

(5)新たな友人ができる(職場外の人間関係ができる)
 保活や児童館、子育て支援センターに行っていると同じような子供を抱えたパパ、ママと会います.
 その際私は極めて朗らかに話しかけるようにしています.
 というのも、上述しましたが、仕事をしていないと人間関係が狭まってしまいますし、友人も数人減ってしまいました.
 そこで、「生活や価値観が近しい友人を新たに作ろう!」という魂胆でよく外出しています.

(6)新しいことができる時間が(ある程度)ある
 育休は案外忙しいよと言ったものの、ある程度は自由になる時間があります.
 朝5時〜7時や娘を寝かせた後の21時〜22時ごろになります.
 私は前々からしたいと思っていたことをこの時間にしています.
 具体的には、趣味(個別株投資が趣味です)と実益を兼ねて競争戦略とマーケティングの本を大量に借りて読みまくっています.
 もちろん、育児や料理に関する本もたくさん読んでいます.
 働いている頃は疲弊してあまり読めていない積読本がたくさんあったので、育休明けまでに完全消化したいところです.

(7)仕事がしたくなる
 人によると思いますが、意外と働いていないと働きたくなります.
 特に、育休から2か月までは働いていないことが身についておらず、そわそわしている日もありました.
 育休に慣れた今でも働きたくなるのは、やはり仕事が与えてくれるものは、収入だけでなく、さまざまな人とのコミュニケーションと多少?のストレスも良い面があるのだなぁと感じています.
(多大なストレスや嫌いな人間関係、ブラック環境であるならば対象外です.)

(8)老後の練習になる
 妻との一日中一緒の家にいる生活は、言うなれば、老後生活の事前練習になります.
 個人的にはこれが熟年離婚の対応策になると思っています.
 というのも、熟年離婚の原因は「ずっと外で働いていた夫が、家にいるときはいつも不機嫌で、24時間そんな夫と一緒にいれない!」という妻側の思いがあるのではと勝手に勘ぐっています.
 そんな時、「あの頃はなんだか大丈夫だったな」という経験があるのであれば、多少今後日々が忙しくなり、すれ違っても、焦って離婚に踏み切ることはないと思っているからです.

(8)専門特化しなくていい
 個人的に重要と思っているのが、
 育児は専門特化しない、というかしたくないというのが私の見解です.
 専門特化とは、例えば、「授乳はママ、おむつ替えはパパ、お風呂はママ」など1人に決めることです.
 仕事のように担当を振り当て、専門特化すれば、担当者は全て裁量を持ちますので、一回一回の業務処理スピードが早いかもしれません.
 でも、育児は少し非効率かもしれませんが、双方同じ仕事をできるようになれば、相談しながら育児をできますし、情報共有することでコミュニケーションが図れます.
 また、ワンオペ対応も可能なので、片方に一日休みを提供しても育児可能です.

(9)復帰後の生活や今後の人生について妻と話し会う時間がたくさんある
 忙しくなる育休復帰後や第二子、家を購入するかなどなど、今後の人生計画について妻としっかりお話する時間にできます.
 友人は私と同じように夫婦で育休を一年とり、その間に購入する家の設計を考えていたようです.
 うちの場合は、妻と話し合いをして、育児に関する2人の時間を大事にする、育児にかかるお金を貯めることを重要視し、住宅の購入は先延ばしすることとしました.

(10)一生忘れない一年になる
 育休取得について真剣に悩みました.
 3か月にするのか、半年か、一年か...
 考えた末に思ったのが、「人生100年時代という.その100分の1くらい全力で育児する年があってもいいんじゃないか」ということでした.
 そしておそらく今年は私の一生で絶対忘れない一年になると確信しています.
 せっかくお休みをいただけるので、目一杯育児をやって楽しもうと思っています.

 長々書いてきましたが、育休に関するスタンスは各々の家庭・職場環境によって変わると思います.
 重要なのは、妻と子供との良好な家庭環境を築き、より良くしていくことだと考えています.
 以上が私の考えていたことですが、世の中のパパの育休取得に少しでも貢献できたら最高です.

 ここまで読んでいただき、ありがとうございました.

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