(デジタル庁)トラストを確保したDX推進SWG(第1回)についての考察
会議の頻度やスコープとする範囲が広くて着いていくだけでも一苦労ですが、今度はトラスト関連のサブワーキンググループについてみていきたいと思います。基本的には会議してからすぐ考察書いているのであまり深い考察になっていないことご了承いただければと思います。
前提として少しお伝えしますと、今回取り上げた「トラストを確保したDX推進SWG」は以前取り上げたデータ戦略推進会議の下部組織になるため、基本的にはデータ戦略のために寄与する活動をするという立て付けになっています。なので、全部「データ活用のため」という理由がある風に見ていくとフンフンと理解が進みやすいものと思います。
出席者一覧
重要な話題のため、かなりの大人数です。各構成員の来歴などは分かりませんが、この会議については有識者が集まってる雰囲気がありますね。楠さんや犬童さんがいるので期待したいところ。
トラストを確保した推進での検討項目(案)
各種手続きや取引に対して分類し、それに対して必要なアシュアランスレベルを定義するのは必要だと思います。私自身それが定まっていないために困ったことになったこともありますし、ここは重要なポイント。
ところで「デジタル化できる手続き・取引の見取り図やボリューム」ってなんなんでしょうか?最近のデジ庁が出すワーディングがちょっと微妙だなと感じています。また、「利便性増大が可能となる枠組みの基本的考え方」はゼロトラストを表現したいものだとは思うのですが、何でもゼロトラストで解決出来るわけではないため、業務要件に適したセキュリティをそれぞれ適用させるようお願いしたいところです。
トラストを確保したDX推進SWGスケジュール(案)
IDとトラストサービスの違いが分かりにくいですが、個別に検討するのでしょうね。また、来年6月に日英で報告書とりまとめはすごい!と一瞬思いましたが、英語でっていうことでしょうか?分かりにくいですね。。。
トラストスコープの再整理
JPKIとGPKIが描かれてる。。。と、書いてる間に理解した!ただ、上の法人のプラットフォームを利用して下の個人が行政機関に申請するイメージが分かり難すぎる。法人側の申請・届出が個人に関係しないのであれば、一枚の絵で主役となるアクターは一つにした方がいいと思います。
トラストサービスの普及において想定される課題
DXが進まない理由の中にトラストサービスの普及阻害理由があり、その課題がこれらということのようです。大きな要因は上の「確実性」と「利便性」でしょうね。「確実性」の課題があるせいで整備する事に対する訴訟リスクが生まれますし、「利便性」の課題があるせいでユーザが使わなくなるリスクが生まれます。
これ見てパッとなるほどとなる人がいるのだろうか。せめて、左に書いてある課題に対して右で対応してる感が欲しい。「コスト:トラストサービス導入コスト 等」が「課題をポリシーに反映」で対応してると思えないです。
表現の仕方は置いておくとして、アシュアランスレベル整理とポリシー反映については必要だと思います。ただ、ポリシーのレベル感は揃えて欲しい。
トラスト実態調査の調査項目
トラストを整理することによるROIを求めたいということでしょうか。DX機会の洗い出しやニーズ/課題の把握と期待効果の見積もりなんてものが出るとは思えません。DX機会なんてものが洗い出せるのだとしたら全産業会に簡単に提案ができるぐらいのボリュームを捌かなければならないということになりますので、私がコンサルだったとしたら投げ出したくなる案件です。
トラスト実態調査の進め方
ロードマップ策定が成果物になるのですね。(全量見てないですが、)この中に書かれていることは基本的に納得感があるのかなと感じます。ただ、やる人がMECEに出来るかどうか、腕が問われますね。
総括しますと
最近、政府事務局の絵心や文章能力が酷いなと思う次第。誤解が発生する可能性もあるし、このレベル感では各省協議に耐えられないと思うのだけれど年末予定の重点計画は大丈夫だろうか。
それはそれとして、トラストを確保したDX推進SWGでやるべきことは実態調査から必要性を確認し、コスト効果・利便性踏まえた有効性を示した上でのトラスト環境整備を目指すということかと思いますため、ここに書かれた内容が進めばすんなりトラスト環境の整備ができるかと思います。できれば。
全体的に酷評になってしまいましたが、このSWGはマイナンバーというか個人識別子を元にした事務作業効率化やベース・レジストリの活用推進にも活きるもののため、個人的にもかなり期待しています。頑張って欲しい。