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【デジタル庁】デジタル社会の実現に向けた重点計画について考察してみた ~Part1~

はい、デジタル庁関連の目玉であるデジタル社会の実現に向けた重点計画が12月24日に公開されました。法律的には、デジタル社会形成基本法及び情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律官民データ活用推進基本法を基にした決定となっており、閣議決定です。閣議決定なのでもちろんかなりの強制力を持つ決定で、ここに書かれていることは各省も協力しなければなりませんしデジタル庁自身も責任持って進めなければなりません。
また、最初にお伝えしておくと、今回の考察は何回かに分かれます。デジタル庁職員500名くらいだったかの5割は関与しており、各省PMO含むIT関連職員全員が見ている(はず)のこの決定はIT業界としてはかなり重要な資料となっています。そんな資料が一回の記事でまとめきれるはずがないと始める前から分かってしまっていますので、今回は1回目の概要部分をサラッとやる考察になります。
では概要部分を見ていきましょう。

目次

目次
第1 はじめに ~重点計画の目的~......................................... 1
第2 デジタルにより目指す社会の姿......................................... 3
1.デジタル化による成長戦略............................................. 4
2.医療・教育・防災・こども等の準公共分野のデジタル化................... 6
3.デジタル化による地域の活性化......................................... 7
4.誰一人取り残されないデジタル社会..................................... 8
5.デジタル人材の育成・確保.............................................12
6.DFFT の推進を始めとする国際戦略 ......................................13
第3 司令塔としてのデジタル庁の役割.......................................14
第4 デジタル社会の実現に向けての理念・原則...............................16
1.誰一人取り残されないデジタル社会の実現...............................16
2.デジタル社会形成のための基本原則.....................................19
3.BPR と規制改革の必要性 ...............................................19
4.クラウド・バイ・デフォルト原則.......................................19
第5 デジタル化の基本戦略.................................................21
1.デジタル社会の実現に向けた構造改革...................................21
2.デジタル田園都市国家構想の実現.......................................24
3.国際戦略の推進 ......................................................27
4.安全・安心の確保 ....................................................30
5.包括的データ戦略の推進...............................................33
6.デジタル産業の育成...................................................40
第6 デジタル社会の実現に向けた施策.......................................41
1.国民に対する行政サービスのデジタル化.................................41
(1)国・地方公共団体・民間を通じたトータルデザイン.....................41
(2)新型コロナウイルス感染症対策など緊急時の行政サービスのデジタル化 ...43
(3)マイナンバー制度の利活用の推進.....................................44
(4)マイナンバーカードの普及及び利用の推進.............................46
(5)公共フロントサービスの提供等.......................................49
2.暮らしのデジタル化...................................................53
(1)暮らしを変えるデータ連携の実現.....................................53
(2)準公共分野のデジタル化の推進.......................................54
(3)相互連携分野のデジタル化の推進.....................................68
3.規制改革 ............................................................70
(1)全ての分野の共通基盤となるデジタル改革.............................70
(2)初等・中等教育におけるオンライン授業の実施.........................73
(3)医療 DX の基盤構築(オンライン診療、オンライン服薬指導、電子処方箋) 74
4.産業のデジタル化 ....................................................75
(1)事業者向け行政サービスの質の向上に向けた取組.......................75
(2)中小企業のデジタル化の支援.........................................77
(3)産業全体のデジタルトランスフォーメーション.........................78
5.デジタル社会を支えるシステム・技術...................................79
(1)国の情報システムの刷新.............................................79
(2)地方の情報システムの刷新...........................................96
(3)デジタル化を支えるインフラの整備..................................103
(4)デジタル社会に必要な技術の研究開発・実証の推進....................106
6.デジタル社会のライフスタイル・人材..................................110
(1)ポストコロナも見据えた新たなライフスタイルへの転換................110
(2)デジタル人材の育成・確保..........................................113
第7 今後の推進体制 .....................................................117
1.デジタル庁の役割と政府における各種会議..............................117
(1)司令塔としてのデジタル庁の役割....................................117
(2)デジタル社会推進会議の開催........................................117
(3)デジタル社会構想会議の開催........................................117
(4)デジタル臨時行政調査会及びデジタル田園都市国家構想実現会議の開催 ..117
2.地方公共団体等との連携・協力........................................118
3.民間事業者等との連携・協力..........................................118

本文

目次だけでこんなに長い。目次上はP118までしかないですが、実際は別冊などもまとめられてるのでP281まであるのです。細かく言っていられないのでサラッと流すと、第一章で背景・目的を伝えて、第二章でTOBE像を語る。ここは総論的な話。第三章でデジタル庁の位置づけを念押しした上で、第四章で原理原則をセット。第五章は戦略的なアプローチ、第六章は実際の施策、第七章は今後の活動推進にあたって中央省庁・自治体・民間の役割と連携について言及。
という感じでしょうか。構成的には納得感あるような気がしますが、七章にステークホルダとの連携について言及してるあたり、あまりデジタル庁以外がこの活動に協力ではないのかなと感じるところ。普通協力体制できてれば最初の方に体制や役割分担が書かれてるはずですしね。

概要(簡易版)

いわゆるポンチ絵って奴ですね。しかしこれ今まで見た中で一番酷いんだけど皆様どう思われます?
ただ、先ほどの第一章(目的)が上に、第二章(TOBE像)が真ん中左に、第四章(原理原則)が真ん中、第五章(戦略)が真ん中右、第六章(具体的施策)が下に来てるので伝えたい内容は全部盛ったんで、ポンチ絵としてはこれでなんとかなったんでしょう。何が悪いんだろうかと考えたところ、色の配色と枠の取り方と矢印の使い方とフォント、そして戦略があるのに推進体制がここにないことかなと思いました。まぁ気にしないこととします。

紹介資料

上のリンク、サムネがないので白いだけだと思うのですがデジタル庁がこの重点計画を紹介するためのPDFを作っていまして、結構綺麗に見えるので少し紹介します。こんな風にパンフ資料作るのはデジ庁としては始めてだと思いますので、気合が入っていることが分かりますね。

誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化を

絶妙なスペースや改行によってコピペするのが嫌になってくるのは何時ものごとくです。

デジタル社会の実現に向けた羅針盤としての重点計画

TOBE像から、原理原則、戦略、施策の流れはその通りなんですが先ほども書いたように「推進体制」は今後を抜いて戦略の横か下に来て欲しいですね。みんな協力し合って進めるようになればいいですね。

デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会

目的(真ん中にくるもの)はデジタル化じゃないと思うんですけどね。少なくとも絵の真ん中にある「化」はいらないかな。

デジタル社会の実現に向けた理念・原則

この辺りから重要な内容が含まれてきますね。誰一人取り残さないは具体性が無さすぎて取り扱いに困りますが、デジタル社会を形成するための10原則はデジタル社会の実現に向けた改革の基本方針(閣議決定)から、行政サービスのオンライン化の実施の3原則はデジタル手続法から来ており、この観点からやらないといけないことがあるんじゃないの?っていうのは行政職員に響きます。職員は法律・法令を基に業務してますからね。
業務改革規制改革はお題目的にはありなんですが、これはデジタル臨調のような場で議論・決定されるものなので現場に降りてくるのは先の話かな、と考えます。
クラウド・バイ・デフォルトは元々、政府情報システムにおけるクラウド サービスの利用に係る基本方針によって定められました。これは標準ガイドライン群の中の一つで、元々CIO連絡会議決定文書だったのでそれなりに各省クラウドにしない理由などを述べないとオンプレはできなかったわけですが、今回閣議決定にででんと書かれてしまった以上、今まで以上に影響力が高まってしまったものとなります。なので、クラウド営業の方はチャンスです。

デジタル化の基本戦略

ここが政治家の方々が関与してくる部分と思われます。田園都市国家構想は自民党が昔から言ってる奴ですが、それ以外も具体的施策群の中に入れるものの前フリ的なものがこの中で出されていくはずです。この部分はタイトルも毎年変わるかもしれませんね。

目指す社会を実現するために施策を展開する6つの分野

右に挙げている6つの分野は何を基に分類化したのでしょう。TOBE像からも、戦略からも、このような分野で整理されていないため、例えば戦略でこれをやることが決まったとなってもその先の施策分類のどこに入るかが属人的(てきとー)になってしまわないか心配です。次からその6つについて細かく書かれているので一応イメージを貼っておきます。

なるほど、施策分類の中にさらに分類を作ってそこに戦略の中で出してる用語等を当てはめている訳ですね。僕と似たような指摘をした人がいたのかもしれません。ちっちゃく「DFFT」とかの枠が書かれているのが見えます。
まぁそうは言いましたが逆に自分としてはこの施策分類の方がしっくりきてますので内容的には同意する部分が多いです。戦略検討する構成員は、この6つの観点について各戦略の中で検討を進めて欲しいと思うところ。

今回の最後に一言

最後のページと共に一言加えたいと思います。
この、左下に書かれているような見直しサイクルは重要ですよね。私自身もアイデアとして湧くものがなくはないですが、それは業務で何かの形でアウトプットするとして、実際に政府がどんなアプローチをするのかについては今後も動向を見ていきたいと思います。
最初のポンチ絵が酷く、バラバラな施策でまた余計な投資も増えそうだなーと少し思ったためムムムとなりましたが、まだ実際の施策も見てないですし中身を見ながら細かい部分についても考えていきたいと思います。
気合が乗れば、次回からは本文に対しての考察を進めていきたいと思います。ではでは。

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