【デジタル庁】データ戦略推進ワーキンググループ(第2回)について考察してみた ~Part2~

前回の記事で標題の議事1まで書きましたので、議事2以降について今回は書いていこうかと思います。その後、全体の総括的という名の僕の感想です。

議事2)データ取扱いルール実装の検討状況

包括的データ戦略の概略とSWGのミッション

この赤い部分について検討してますというのが本題のようです。

プラットフォームにおけるデータ取扱いルールの実装に関するSWG

これが体制図。赤い枠の部分ですね。ツールに適用するルール・ガイダンス部分について検討しているということでしょう。先に進みます。

ガイダンスのポイント

ガイダンスver1.0のポイント
ガイダンスver1.0のポイント

前回出てきた検討中資料の提示、かな。「価値創造プロセス」と「リスク対応ポリシー」の考え方は別なので矢印はやめましょう。一瞬提供する価値によってリスク対応ポリシー変えるのかと思ってヒヤヒヤしました。

ソフトローやめんかな、新しい概念ならいいんだけど意味合いとしてふんわりしてる単語は誤解とか生みやすいので明確な表現にして欲しい。法的じゃないポリシーなんだからガイドかルールでいいじゃんね。
図の内容的には同意です。本PF上では①データ交換者同士の真正性確認、②利用条件を正確に提示を行うということのようです。マイナンバーカードの電子署名とか、署名対象がポップアップで見れるとかにして欲しいですよね。

んー、全部見る気力がないけどいい感じにまとめられてると思います。ポイント3、4みたいなカテゴライズをした上でリアルタイムにアクセス権の変更ができるといいですね。ポリシーそのものに対してもポイント5のように改善できるのはいいこと。システム的に出来るかどうかは置いといて。

スケジュール

今後の予定

12月末に公表するって書いてあるんですが、これは今回紹介した資料の取りまとめ結果でしょうか。なかなかヘビィなスケジュール感ですが頑張ってください。

議事3)準公共・相互連携分野および分野間連携基盤の検討状況

出ましたよ、いつも文句ばっかり言ってしまってますが大事な部分だと思います。前回記事に書いた前提条件やらが書いてありますがそれは飛ばして各分野の施策状況について確認していきましょう。

防災分野取組概要

イメージ図は現行の状況でしょうね。手書きや口伝がベースになってるのか酷いな。。。そしてFAXでミスなど発生しながらエスカレーションしていくと。支援制度に関してのシステムは開発中なんですね。
ニーズや共有事項をまとめるという方向性のようですが、課題感からだけではなく、イケてるデザインを設計出来る人などにも話を聞きながら進めて欲しいですね。結構簡単に以下のようなシステムも構築できると思うので。
①現場は写真撮って最低限のメモを残して本部に情報送信
②本部はそれを受け取ると同時に、AI等から推奨アクションを提示されそれを参考に即座対応などを実施
③総合防災システムへの通知は①の情報から自動的に生成され、即時共有

教育・こども分野取組概要

出てきたな4象限(案)!今見てもよく分からん何を見せたいんだ!
と、冗談は置いといて、プッシュ型の支援をするためのデータ活用について整理するのは必要なので良いと思います。ただ、DBを構築することはないということは各学校や塾、ご家庭に情報入力を促す必要がありそれをつなげる必要があるということです。デジタル連携基盤もそこまでの運用は考えていないはずなので、またFAX、紙、メールなどで送られてきたデータを担当者がコツコツ入力していくという地獄のような職場が発生するのではないかと戦々恐々としております。ので、さっさとデジタル連携基盤に乗せる調整などしていった方が良いのではないかと思います。

医療分野取組概要

医療系はマイナポ連携進んでいるのでどんどんやって欲しいですね!
あー、子供のデータはこの辺り(ウェアラブル)から取るのかな。ただ、いじめや虐待受けてる子がウェアラブル付けてるイメージもないしちょっと違うか。でも、こんな風にヘルス状態を管理してくれるなら個人情報いくらでも政府・病院に提供しますね僕は。逆に、みんな何を気にして個人情報の提供を嫌がってるのか不明です。今でも普通に戸籍謄本はあるし、住民基本台帳はあるし、確定申告はあるんだから個人情報なんてそこらに溢れてますよね。(運用がガチガチだったり、符号付けて暗号化してたりするのは知ってる上で言ってます)

モビリティ分野取組概要

モビリティとか好きなんですよね、夢があって。ドローン活用出来るようになったらそれをベースに安全性の確認をして、人間が使うモビリティも3次元活用してみました!みたいな?

分野間連携基盤の検討状況

心配してるのはここなんだけど、DSAが今年設立されたってことはまだDATA-EXは実証もされていないわけですよね。今現時点でベース・レジストリの実証進んでますけどちゃんと整合性取れるように動いでますか?ってくらいでしょうか。まぁ実際データ連携基盤自体は(冗長性持たせた上で)一つの方が効率良いですし、やろうとしてることはいいんですけどね。恐らくは「マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ」で出てきたサービスメッシュの土壌となるものだと思われますため、個別設計・開発なんかはして欲しくない。が、まぁ教授陣はやりたそうにしてますよね。GAIA-X/FIWARE等々に対抗したくて仕方ない雰囲気がしてるんだけどドツボにハマるイメージしか持てない。

公共サービスメッシュを中心としたトータルデザイン
SIP CADDEの基本アーキテクチャ

ね、なんか期待感持てないでしょ。スタートダッシュはやれるとは思うんですが、運用が回らないものと考えています。ていうかDSAって運用するメンバーいるんだっけ。

data.go.jpよりは良い感じに見えます。コネクタだけでなく、事業(開発者)者向けのAPIカタログも欲しいですね。

スケジュールとしては2023年から本格稼働ということでしょうか。やはりエンジニア的には中身が気になる(笑)

遠藤さんからの提言

多種、大量のデータを直接活用しての価値創造は、ICT 活用によりリアルタイム性をもった全体最適ソリューション(=スマートソルーション)を創る可能性を高め、データは正にそのための価値源泉である。今後の人間社会は、エネルギー、医療等の全体最適型ソルーションを必要とする課題を多く有するため、我が国の積極的なデータ整備は、ひいては国際的な価値創造プレゼンスを高める事となる。以上の観点から、高い価値を生むためのデータの整備の仕方が必須であり、以下について申し上げる。
・データ活用の推進方策について
各分野での達成すべき価値目標(=KGI)の設定が、価値を創造する上でまず必要であり、「どのような価値を創り出すためにどの様なデータが必要なのか」を明確化し、そのコンセンサスをステークホルダーの間で形成することが重要である。KGI の設定とコンセンサスにより、データが本来持つ、高い価値を生み出す可能性を高めると共に、データの積極的な提供をも促し、結果として、高い価値創造を実現できる。
このことで、安心、安全に関わる準公共分野、相互連携分野、そして災害等への我が国のレジリエンス向上に関わる領域に大きく寄与することができる。
・トラストについて
DFFT における「トラスト」の意味する内容について、共通認識が形成されていない。トラストサービスのあり方に限定せず、DFFT に必要な「トラスト」の要素・考え方を整理すべき。
また、「トラスト」には、データそのものに対するトラストのほか、「人」に対するトラストの考え方も重要である。データを取り扱う「人」の基準に関してもご検討いただきたい。
・分野間連携基盤について
データ連携のルール・ツール等検討において、欧州の GAIA-Xの取組み等に対して従属的にならない意識を持ちつつ、こうした国際的なデータ PF の標準化活動に、リーダーシップを発揮して積極的に関与し、自らの position を構築すべきである。
・ベース・レジストリについて
データは、多種大量のデータ間での相関関係を取る事で価値が高まる。このため、KGI を想定し、その達成のために必要なデータの種類の組み合わせを意識し、更には、多くの相関が取れる様なデータ構成を推進頂きたい。
・オープンデータについて
データの標準化やカタログの UI 改善、周知活動はもとより、データの更新・連結・分析やシステムの広域連携等に取り組み、網羅性・一覧性のあるカタログを構築すべき。
データの価値はリアルタイム性により向上する。AI がデータを活用し、リアルタイム処理をすることを意識したデータの生成、収集方法を考慮頂きたい。

第2回データ戦略推進ワーキンググループ検討にあたって

総じて同意です。DFFTに関しても日本から提案したものでありますし他国ベースでなく自国で主導していると言えるだけのレベル感が欲しいところ。分野間連携基盤もGAIA-Xに合わせるのではなく最適解を。ベースレジストリ はKGI想定して。リアルタイムにオープンデータしていこう。

村井さんからの提言

それぞれの委員の活動、関連省庁の活動などから、実現の準備が整ってきたことに敬意を表します。
1.データ戦略に関して、DFFT をはじめとした国際協調や国際連携を「前提」として、「国内の体制の質が高い」という実態を背景に、国際的な提案、主張、先導ができるようになる、という方向性を確認すべきです。マルウェアやランサムウェアなどによる個人情報や機密情報の漏洩、また、アトリビューションなどの犯罪対策はデータ戦略の土台となるメカニズムです。来年に開始される警察のサイバー局の設置など、犯罪に対する社会定義とのセットでの考え方も、国内、国際のプロセスには重要となります。国内、国際の両方に関する体制の確立が重要です。
2.実装に関して、いつも申し上げていることですが、行政機関が機密レベルのデータを構造的に管理する信頼を形成する実装と、データドリブンの経済やイノベーションの実装の両方を、連携しつつ、並行してすすめる必要があると思います。
3.国民のデータへのアクセスと処理の適切な体制は、今後の日本の未来、世界における役割を決定する最重要課題の一つです。一方で、国がデータを管理することへの不安と警戒は根強くあると思います。そのための信頼を形成することがなにより大切です。そのために、準公共分野という国民への恩恵が明確な分野を具体的に示し、国民、自治体、民間、国、国際、それぞれのフィールドでの実装を進めていくことは何より実効性があります。

意見書

文書ドキュメントでも改行入れないで欲しい!(両有識者ともに改行が入っており修正するのがめんどい)、とこれも冗談として。全体的に同意です。
DFFT等国際的に話題をリードしていこう、データの機密性を担保しつつデータドリブンなアクションをしていこう、国民が信頼をおける体制であろうということかと思います。

総括して

議事2個目から先が結構サラッと終わってしまったのでパート2も同日に書き上げられました。冗談と言ってる部分は基本本音なんですが、ずっと書いてるとなんか部分部分に爪痕を残したくなるんです。すいません。
やはり全体を順々に見て行きますと、気になる点が出てきます。ではそれぞれについて書いて行きましょう。

気になる点①:WG内の活動同士が連携しているのか?

途中コメントでも記載していますが、WG内のトラストや連携基盤、データの動きが噛み合っていません。それぞれ別行動してるようにしか見えないのですがそれでWGをしているつもりですか?グループですよ?ガバナンス利かせて横連携し、個別最適化されたものではなく全体として良いものにして行きましょう。

気になる点②:Society5.0が目標になってる

Society 5.0のしくみ

最初に実現したい社会としてSociety5.0が挙がっています。第5期科学技術基本計画において提唱された未来社会の姿がSociety5.0なのですが、これが本当に適しているかの判断が出来ないのです。また、各施策がコンセプトを同じくして動いているとも思えない。何か違いませんか?

気になる点③:全体のアーキテクチャ書き直しましょう

包括的データ戦略の実装に向けて

何回見ても納得感がないんですよね、インフラの横に国際展開があるところからもう変な感じですし、利活用環境と連携基盤って何が違うんでしたっけ。ルールという枠があるのに連携基盤でもルール考えてますよね。全体アーキテクチャを考える前に機能を分類してそれぞれ毎に分類してみてはいかがでしょうか。今更SWGを変えることは出来ないと思いますが、まずはこのアーキテクチャだけでも。。。

最後に

ということで、やはり愚痴が多めになるのが私のようです。まぁここまで書いたのですが、もう12月入りましたし閣議決定レベルのものは各省協議がもう進んでいる頃でしょう。今月末に発出される予定の重点計画も中身は決まっているのでしょうしジタバタせずそれを待ってからまた何か新しいことを考えた方が建設的かもしれませんね。ということで、何事もなければ次回記事は重点計画が出てからのご提供となると思います。楽しみにしてる人はいないと思いますが、ご了承のほどよろしくお願いします🙇‍♂️

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