及川恭平/ドメーヌ ミカヅキ🍷

事業家/栽培家/醸造家/ソムリエ🥂🌙✨【Domaine Mikazuki】@陸前高田in岩手🌊海のテロワール🍇🍎 | 三陸海岸|アルバリーニョ|1993|27歳でワイナリー創設(日本最年少)

及川恭平/ドメーヌ ミカヅキ🍷

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最近の記事

東日本大震災を経験して。Vol.6〜持続可能性〜

ビジネスはいつだってマーケットとタイミング次第。 円安、人口減少、温暖化の日本。 今後もしばらく円安は続くだろう。 地域内だけでは経済が回らなくなる。 海外から外需を獲得するために、積極的に関係人口も創出しなければならない。 まちづくり。 地域資源を活かした起業。 そしてワイン。 海外ではもう「ビオ(※)は前提」。 フランス・ボルドーでは2030年までにほとんどの畑がオーガニック栽培になると言われている。 しかし日本では、台風があるためにオーガニックは難しい。 水や虫

¥300
    • 拡大する害獣被害とワイン

      一見、ワインと関係なさそうで密接に関係ある「狩猟免許」。 害獣による被害は年々拡大する一方。 ブドウを脅かす各病原菌、対抗する各薬剤等、それらも大事だが、 ワインを学ぶ者として「害獣」も識っておくべき。 というより、WSET Diploma(ワインの世界的な上級試験)には普通に出てくる。   日本と海外ではまた違うのだが。 どれが何という害獣で、どのような被害をもたらすのか。 その人がどこまで踏み込んでワインを学んでいるか、というひとつの指標にはなる。 様々な視野を持って

      • 東日本大震災を経験して。 Vol.5 〜ドメーヌ ミカヅキ〜

        Vol.4の続き。 震災から10年目。 27歳。 街のハードウェア面は概成。 道路が整備され、街の区画も整備された。 これからはソフトウェア面の復興。 10年目の自分との約束。 「復元」ではなく「復興」。 復興がベースではあるが、世界に通じるワインのプロでもなければいけない。 「ワイン」と言ってもとても広い。 栽培・醸造だけではなく経営・サービス・販売・環境・観光・政治のこと、様々な目線が必要。 ただなんでもかんでもブドウを植えれば良いというものではない。 ただワ

        • 東日本大震災を経験して。Vol.4 〜アルザス〜

          Vol.3の続き。 震災から8年。立派な堤防が完成しかけていた。 海と陸とを隔離する高く灰色の壁。 単なる”堤防”と言うには些かほど遠い”要塞”。 私は家の目の前が堤防で、海まで玄関から徒歩1分もかからない環境で育った。 海は身近すぎるほど身近な存在。 まさに写真は震災前に実家のあった場所。 堤防沿いに家々があった。 震災後、堤防の高さは倍。 当時、堤防は堤防の意味を為さず、津波は街を飲み込んだ。 高さはマンションの5階に到達する。 それより高く堤防は作らなければいけな

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        • 「ドメーヌミカヅキ」とは
          7本
        • 農業ハック
          2本
        • これからの岩手のワインを最高にする方法を考える
          5本

        記事

          東日本大震災を経験して。Vol.3 〜ワイン生産者&ワイン商社〜

          Vol.2の続き。 22歳。震災から5年目。新卒で入社した会社は東京。陸前高田に帰るのは半年毎。次々に新しい建物、道路が作られる。瓦礫もいよいよ片付け終わり、一気にまちづくりが加速し始め、半年も居ないと浦島太郎状態。 なぜこの会社なのか?なぜ将来ワインを造りたいのか?もはや一つの問いに対して一問一答で返せるレベルではなくなっていた。これまでの背景を説明するのに、一言では表せない。求められればこれまでの自分の話はするが、ストーリーが長く、如何せん震災の話が絡むので食事の場に

          東日本大震災を経験して。Vol.3 〜ワイン生産者&ワイン商社〜

          東日本大震災を経験して。Vol.2 〜ワインとの出会い〜

          Vol.1の続き。 復興バブル。 全国津々浦々様々な建設関係の業者が集った。 ただ、何十年と先の仕事を一気に実行してしまっているので、10年後は国からの予算も落ち着きその後建設関係は厳しいだろうとは囁かれていた。 この陸前高田で建設業はかなり重要な産業。 産業の衰退は街の衰退に繋がる。 仕事がなくなった建設関係の人たちはどうするのか? 高齢化が進む街でどういう産業を作れば良いのだろう? ずっと気になっていた。 新しい産業を作ろうにも、その地域と親和性がないといけな

          東日本大震災を経験して。Vol.2 〜ワインとの出会い〜

          東日本大震災を経験して。Vol.1 〜10年後の約束〜

          なぜ今、震災の話なのか、というと。「震災から10年後に地元に戻って産業を創る」と10年前に決意し、いざ地元陸前高田に戻って事業を開始したからだ。私にとって震災から10年を迎える今年は、ひとつの終わりであり、始まり。 これまでの私の10年間を振り返るとともに、これから30年以内に高確率で起こり得る関東大震災や南海トラフに備えて、私の東日本大震災での経験をダイジェストで残しておきたい。日本においては皆、他人事ではないのだ。あなたの身にも突如起こりうる可能性は存在する。 震災の

          東日本大震災を経験して。Vol.1 〜10年後の約束〜

          陸前高田のテロワール「4つのKeyword」

          陸前高田は果樹産地として全国的にも稀有な海側のリンゴ産地。 全国100個あるリンゴ産地のうち、海の側の産地は10個ほど。 さらに畑から海が見えるリンゴ産地は、ほぼ無い。 ワイン産地として日本で有名なのはほとんどが盆地であり内陸。 山梨、長野、北海道、山形…。 様々な要素がうまく絡み合って成ってきた陸前高田の果樹産地。 全国的にも珍しい”海のテロワール”を生かしたワインづくりが可能。 Keyword 1 海も山もある 「海洋性気候」ゆえ、夏涼しく、冬は温暖。秋が長い。

          陸前高田のテロワール「4つのKeyword」

          自分で、一から、ワイナリーをつくる

          自分でワイナリーの事業を起こしてから1年が経つ。 まだ建物はないが、まずは畑から。 ワインは醸造ももちろん大事だが、ワインは基本的にブドウの質に依る。 そして、悪い質のブドウを良い質のブドウに変えることは不可能だ。   様々な形態のワイナリーがあるけれども、 私が目指すのは「ドメーヌ」型。 栽培から醸造まで一貫して行うことでワインを造るスタイルのこと。 ブドウを他県から買い付けで成り立たせているワイナリーはよくあるけれど、 事業形態を維持するにはそれはしょうがないとは思う

          自分で、一から、ワイナリーをつくる

          【保存版】ワイン用ブドウの灰色かび病対策まとめ8選

          灰色かび病の防除についてのまとめ記事のようなものがそういえば無いな、ということで。困っている方のお役に立てれば、と思い私が学んできたノウハウを共有。 ワイン用ブドウではありますが、生食用にも通じると思います。

          ¥100

          【保存版】ワイン用ブドウの灰色かび病対策まとめ8選

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          りんご「紅魁」の第1シーズン研究成果🍎

          まずはこちらを読んでからの方がスッと入ってきやすので、是非ご一読いただければ。  紅魁はおじいちゃん曰く「お盆に仏壇に飾ったもんだ」、とのことで、8月上旬が収穫期。極早稲品種です。 海外のシードル用品種としては一般的に用いられているものの、日本では流通しておらず、かつ日本語では情報がほとんど出てこない「紅魁」でした。また、とりあえずモノを成らせてみないと本当に紅魁かわからない、ということで今年は実験の意味合いで管理。 そして8月11日。猛暑日続きから気温も急に一気に低く

          りんご「紅魁」の第1シーズン研究成果🍎

          「ドメーヌ ミカヅキ」のネーミングの由来

          「ドメーヌ ミカヅキ」の由来 ワイナリー名を考える際、候補を何百と考え何周もして、最終的に「ドメーヌ ミカヅキ」に決めました。その理由をば。結論から言えば、「ドメーヌ ミカヅキ」とは、東日本大震災からの復興と海のテロワールを暗喩する、ワイナリー。つまりどういうことかと言うと、「ドメーヌ ミカヅキ」とは、かつて津波で流失するまで陸前高田に存在した白砂青松の高田松原を暗喩する、ネーミング。高田松原は上空から見ると「三日月型」に見えるのです。 さらに、ただ三日月型に見える砂浜は

          「ドメーヌ ミカヅキ」のネーミングの由来

          美味しい牡蠣を作るには”川”が必要 〜陸前高田の牡蠣を紐解く〜

          ワインと牡蠣。 よく言われるテッパンの組み合わせ。 ワインには食材と合わせる「ペアリング」が必ずセット。 陸前高田には有名な牡蠣のブランドがある。 東京然り、全国のオイスターバーではほぼ見かける「広田湾産牡蠣」。 ミルキーで大きいことはさながら、ミネラリーな味わいが特に特徴的。 隣の気仙沼や大船渡も港町だが、陸前高田の牡蠣には勝てないとよく漁師はおっしゃる。 なぜ?と私も思ったが、要は「川が無いとより良い牡蠣は育たない」のだと。 つまるところ、川からの栄養分が海に流れ

          美味しい牡蠣を作るには”川”が必要 〜陸前高田の牡蠣を紐解く〜

          これからの岩手のワインを最高にする方法を考える vol.6 〜GI(地理的表示制度)〜

          さて、Vol.6は「GI(地理的表示制度)」について。GIとは”Geograpical Indication”の略であり、産品の名称(地理的表示)を知的財産として登録し、保護する制度が「地理的表示保護制度」です。各国には「ワイン法」という、どの地域で、どの品種を使って、どういう製法をして、などといった基準を守らないとその銘柄を名乗れないという法律があります。そしてワイン関係の資格の勉強というと、まさにこれらを頭に叩き込みます。銘柄を名乗ったり有名産地の名を冠せば販売力により強

          これからの岩手のワインを最高にする方法を考える vol.6 〜GI(地理的表示制度)〜

          ブドウ畑の”開墾”ビフォーアフター

          昨年から約1年がかりでほぼひとりで開墾してきた雑木林も、立派に葡萄畑に成ってきました。 笹藪かつ大きい樹も数本植わっていて、齷齪しながらの作業。 チェンソーを使いつつ、翌年植樹するので除草剤を使わずひたすら草刈り。 ただの草刈りではありません。笹も背丈が高いので切りづらく、草刈り機もツタで絡まるのでいちいち止まりながら、そしてそもそも藪なのでノコギリで小さい木もその都度切りながら。 なんとも地道ですが、業者に依頼すると何百万円とかかり、コロナ最盛期で行動制限ということもあ

          ブドウ畑の”開墾”ビフォーアフター

          そういえばリンゴは”バラ科”だった

          先日、リンゴ畑に行ってふと作業をしているとき。 受粉が終わりもう落花し、実としてふくらみ始めてきた頃に見慣れぬ花がリンゴの樹から咲いていました。 「なにこれは…。」 白い、いかにもバラのような花。 通常、リンゴの花だと桜のような5枚ビラの花が咲きます。 調べてみると、どうやら時期はずれに稀にバラのような花が咲くとのこと。 ただ、例が少なく情報もあまりネットで出て来ず。 周りのリンゴのプロフェッショナルに聞いても、「初めて見た。」とのこと。 結構レアらしい。 よくよ

          そういえばリンゴは”バラ科”だった